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第14回 エルク、ディアの下処理 編

ファーを除き、毛先を揃える

嶋崎 了=解説

浮力が高く、視認性にも優れるドライフライの定番マテリアルである、エルクヘアやディアヘア。カディスパターンのウイングにもよく使われますが、今回紹介するのは、その下処理。フックに留めるまでの状態にする、ヘアマテリアルの扱い方を解説します。

嶋崎了(しまざき・りょう)
1965年生まれ。江戸川区在住。フライ歴35年。
渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。
ティムコ社フライ用品開発担当として、『TMCバイス』、『TMCアジャスタブルマグネットボビン』、『Jストリーム』シリーズなど主要製品を数多く手がける。

Q1 エルク、ディアの下処理には、どんな手順が必要ですか?

まずは、使用するフックサイズに適したヘアを切り取り、そのまま束を手で保持した状態でアンダーファーを取り除きます。

その時に、極端に短い毛や癖のあるものは同時に除いてしまいます。その際、ヘアの束の先端を持って根元から抜き取るように作業すれば、短い毛を取り除きやすいでしょう。


この後、毛先を揃えるためにヘアスタッカーを使います。
ヘアの根元付近に残るのがアンダーファー。ヘアスタッカーを効果的に使うためにも、まずはこれを取り除く必要がある

Q2 ヘアスタッカーを使う際のコツを教えてください。

先端を筒に入れて振動を与えれば、毛先は揃ってくれますが、スタッカーから取り出す際に束がバラけないように注意してください。


ちなみに、スタッカーを垂直に叩くと当然先端が揃うのですが、毛の曲がり(カーブ)の方向までは揃いません。そこで、スタッカーの角を打ち付けるように使うと、ヘアの曲がりの向きもある程度揃えることができます。




次回
【隔週連載】嶋崎了のフライタイイング基礎知識
第15回「ソフトハックル編」は
2018年2月26日(月)公開予定です。

2018/2/12

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最新号 2023年12月号 Early Autumn

【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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