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第13回 CDC(ウイング) 編

ファイバーを効率的に使う3スタイル

嶋崎 了=解説

CDCダンなどのパターンに代表されるような、シャンクから立ち上がったCDCウイング。今回は、そんなウイングの作り方を解説。道具を使わずに、CDCフェザーのファイバーを効率的に使うテクニックも紹介します。

嶋崎了(しまざき・りょう)
1965年生まれ。江戸川区在住。フライ歴35年。
渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。
ティムコ社フライ用品開発担当として、『TMCバイス』、『TMCアジャスタブルマグネットボビン』、『Jストリーム』シリーズなど主要製品を数多く手がける。

Q1 まず、ウイングに使うCDCはどのようなものを選びますか?

CDCフェザーといっても、大中小のサイズがありますが、こちらはフック(フライ)サイズによって使い分ければよいでしょう。

もちろん、ファイバーが切れた短いものは避けたいところです。その場合は、比較的ファイバーの長い先端部分を使ってウイングにまとめるという手もあります。
CDCフェザーの大小。ストークの太さやファイバーの長さなどが大きく異なるので、フックサイズに応じて選びたい

右がファイバーがしっかりと揃ったフェザー。左は密度も薄く、切れているファイバーも多い。同じパックの中のものでも差があるので、できる限り左側のようなフェザーを選びたい。ちなみに右のフェザーは、先端部のファイバーをすぼめてウイングに使ったりするとちょうどよい

Q2 CDCフェザーは、ウイングにする際どのような下処理が必要ですか?

基本的な下処理の方法としては、ファイバーを「むしって重ねる」、「逆向きに折り返す」、「すぼめる」の3つがあると思います。では、それぞれの方法を紹介します。

1、「むしって重ねる」
ストークから片側のフェイバーを一気にむしり取って、もう片方に重ね、そのままもう片方もストークから取り外します。

この方法は、ストーク部分を使わないので、ウイングにした際に空気抵抗を増やさずに済みます。繊細なフライにも、大きなパターンにも使える汎用性の高いテクニックですね。


上の映像の要領でファイバーの束を作ったら、そのままシャンク上に固定

その後スレッドをウイングの前側にかけ、立ち上がらせる

正面から見た時には、扇状になるように調整。プールなどフラットな場所では、魚に警戒心を抱かせぬよう、さらに絞った線状のウイングにすることもある

2、「逆向きに折り返す」
フェザーを逆さに持って、ストークの根元側にファイバーを集め、そのままシャンクに留める方法です。ストークから折り返された状態で固定されているので、構造的にファイバーが外側に広がろうとする力を備えているのが特徴です。

このため、ほかの留め方よりもCDCが比較的乾きやすく、ラフウォーターの釣り上がりに使用するフライなどにもおすすめです。

まずは、フェザーを逆さに持つ。数枚を使う場合はこの時点で重ねておく

先端側からファイバーを集めるように、根元側へ向かってつまんだ指を動かせばOK
その後は1の工程と同じようにシャンク上に固定(ストークは巻き込まない)

3、「すぼめる」
最後は最も簡単な方法で、指でファイバーをフェザー先端側にすぼめればよいだけです。ファイバーが短すぎるものには向きませんが、複数枚を使用する場合にも簡単です。この場合は先端の細いストークごとシャンクに固定します。

ウイングを広げずに、シュッと立てたいような場合にもおすすめです。
先端に向かってすぼめたファイバー束をそのままシャンク上に固定。

先端のストークもそのまま留めており、広げない、細めのウイングに適している


次回
【隔週連載】嶋崎了のフライタイイング基礎知識
第14回「エルク、ディアの下処理 編」は
2018年2月12日(月)公開予定です。

2018/1/29

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