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第9回 バックテイル

大型ストリーマーの定番ウイング材

岩崎 徹=解説

ソルト用のストリーマーのウイング素材としても使い勝手のよいバックテイル。強い匂いが印象的なマテリアルですが、その特徴と流通環境の背景を見ていきます。

岩崎 徹(いわさき・とおる)
1948年生まれ。タイイングマテリアルを取り扱う「キャナル」代表。羽根や獣毛など、希少種も含めて、これまでに数々のマテリアルを取り扱ってきた経験を持つ。各素材の効果的な利用方法はもちろん、世界のマテリアル事情にも詳しい。

バックテイルとは、どんな素材ですか?

ホワイトテイルディアの尻尾の毛ですね。毛皮は輸入されるものは、基本的に鞣(なめ)したものになります。そのため、バックテイルも今は鞣された状態で入ってきます。そうなると扱い的にはディアヘア と一緒ですね。

バックテイルとしてはその匂いが特徴的ですが、昔ながらの匂いのある硬いバックテイルは、鞣されていないものなんです。その状態では現在日本では輸入できないんですね。

ちなみにエゾジカの尻尾は毛が短くてマテリアルには向かないのですが、歩いているホンシュウジカを見ていると、意外と使えそうだな……と思ってしまいます(笑)。

オスとメスでも違いがあり、ホワイトテイルディアにもいくつかの亜種がいるので、個体差も大きいマテリアルといえますね。
バックテイルはシカの尻尾。タイイング時にフレアしにくく、ウイング材としても扱いやすい

尻尾全体でも、どの部位を使うかによって、毛の太さ、長さは大きく異なる

主にどのような使い方をされますか?

やはりストリーマーのウイングですね。小さいものではカーフテイルも使いますが、大きいフライではバックテイルになります。獣毛のストリーマーとして「バックテイル・ストリーマー」という分類があるほどですからね。

一つのバックテイルのなかでも、部位によって毛の質感は変わってきます。根元のほうは太いので、スレッドを掛けた際に比較的フレアしやすい傾向にあり、先端はその逆で、細くフレアしにくくなっています。

また、毛の縮れ具合にも大きな個体差があり、ストレートに近いものよりもある程度縮れているもののほうが、ウイングとして留めた際にボリューム感を表現しやすいというメリットもありますね。

バックテイルは、毛の太さもさまざまで、色も染めやすいので、特に大きいフライを巻く時には使い勝手のよいマテリアルです。

カナダやアメリカではバックテイルを鞣す必要はほとんどない(=日本に輸入できない)ので、マテリアルとしては以前より入手しづらくなってきている側面がありますが、よいマテリアルなので、これからも扱っていきたいですね。
オス・メスでも差があるバックテイル。特にメスのものは毛が太く短い傾向にあるという

染色しやすいのもバックテイルの大きな強み。さまざまなカラーに染められ、ソルトウオーター用のフライにも欠かせない素材となっている

次回
【隔週連載】タイイングマテリアル目利き図鑑
第10回「CDC」は
2017年4月29日(月)公開予定です。

2018/4/16

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