LOGIN

第4回 エルクヘア

ブルとカウを使い分ける

岩崎 徹=解説

カディスパターンの必須マテリアルともいえる、エルクヘア。主にオスとメスのエルクヘアに分けられますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

岩崎 徹(いわさき・とおる)
1948年生まれ。タイイングマテリアルを取り扱う「キャナル」代表。羽根や獣毛など、希少種も含めて、これまでに数々のマテリアルを取り扱ってきた経験を持つ。各素材の効果的な利用方法はもちろん、世界のマテリアル事情にも詳しい。


エルクヘアの種類を教えてください。

エルクヘアはアメリカアカシカの毛で、一般的にオスとメスのものに分けられます。オスのほうが、毛が細くて長いのが特徴です。ブルエルクとして販売されているものですね。

一方、カウエルクとして販売されるメスのエルクヘアは、オスに比べて毛足が短くなっています。

さらに細かく分けると、アーリーシーズンだとか、イヤーリングと呼ばれるものは幼獣のものですよね。だから毛が短くて柔らかいんです。アーリーシーズンに関してはあまり詳しくないのですが、秋に獲れるものなのでしょうか。

いずれのヘアも、ナチュラルとブリーチカラーがメインです。
ブルエルク(右)とカウエルク(左)。マテリアルとしての特性は同じだが、フライの仕上がりと扱いやすさに変化が出る

ウイングに使用するのはどんなエルクでしょうか?

エルクヘア・カディスなどの場合は、一般的にカウエルクを使うことが多いと思います。毛が太くて硬くてしっかりしており、あまりフレアしないので、ウイングに扱いやすいんです。

さらに言えば、カウは毛が太くて短いので、強いテーパー感を表現できます。少量でボリュームを出しやすいのも特徴ですね。
カウエルクは短い毛足がテーパー感を出しやすい。ブルに比べてフレアも少ないので、コンパクトなウイングにも向いている

ただし、1本1本が短いので、ストーンフライのように大きいパターンには向いていないかもしれません。カウエルクでも、タテガミに近い部分は長いのですが……バックストリップという名前のものですね。

それよりも、大きいフライに使用する場合は、ブルエルクを使えばある程度の長さまでは手軽にカバーできるでしょう。
こちらはブルエルク。毛足が長く細いので、スティミュレーターのような大きめのフライにおすすめ

エルクヘアのよしあしは?

ずばり、極端なネジレ(癖)がなくて、テーパーがきついものがよいと思います。

耐久性はナチュラルカラーのほうが上です。ブリーチは薬品を使って脱色している関係で、どうしても弱いんですね。とはいえ、フライの視認性の問題だと思いますが、圧倒的多数の方がブリーチを使っているようですね。 カウエルクのブリーチ(左)とナチュラル。ナチュラルカラーのほうが耐久性は高い


次回
【隔週連載】タイイングマテリアル目利き図鑑
第5回「ヘンフェザント」は
2017年2月5日(月)公開予定です。

2018/1/22

つり人社の刊行物
FlyFisher 30 Years
FlyFisher 30 Years 本体1,800円+税 AB判144P
AB判全カラー144P/創刊号の判形を再現! 表紙は、FlyFisher 創刊号(1988年)が目印! 過去へのバックキャストと、未来へのフォワードキャストでつなぐ 美しいループを皆様の元へ。 『FlyFisher』から30周年の感謝の気持…

最新号 2019年9月号 Mid Summer

特集
釣り旅東北

第2特集
ディープに踏み込む名手たちのフライ論

今号は日本のフライフィッシングの原風景ともいえる東北へ行ってきました!
秋田、岩手、山形、宮城、福島……。現地のフライフィッシャーにフィールドを案内していただきながら、ポイント選びのコツだけでなく、おすすめのスポットを紹介しています。
また、第2特集として、エキスパートのフライに対する考え方を伺いました。縦巻きハックル、ピーコックのコンプリートを使いこなすウエットフライ、経験をフライに反映するための考え方、ジョインテッドフライ、個性爆発のバスバグ、北海道のビッグドライなどを取り上げます。
好評連載、備前貢さんによる「オホーツク通信」は北海道産マテリアル、エゾジカ・ヘアについて熱く語ります!
[ 詳細はこちらから ]

 

NOW LOADING