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第18回 コンパラダンのウイング 編

ディアヘアをしっかり立ち上げる

嶋崎 了=解説

釣り上がりにも、時にはライズフィッシングにも有効なメイフライ・パターン、コンパラダン。ディアヘアを使った特徴的なウイングの作り方を紹介します。

嶋崎了(しまざき・りょう)
1965年生まれ。江戸川区在住。フライ歴35年。
渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。
ティムコ社フライ用品開発担当として、『TMCバイス』、『TMCアジャスタブルマグネットボビン』、『Jストリーム』シリーズなど主要製品を数多く手がける。

Q1 コンパラダンのウイングは、どのような素材で作るのでしょうか?

コンパラダンの場合、よく使われているのが「コンパラダン・ディア」もしくは「コースタルディア」です。もちろん他にもサイズ的に適したディアヘアがあれば、それでも問題はありません。

一般的にコンパラダンに向いている理想のディアは、毛足が真っすぐで、先端部のテーパーがきつく、松葉のような形状が好ましいとされています。……が、なかなか理想と思われる素材には巡り合えません。悩んだら、コンパラダン・ディアを選べばよいでしょう。
コンパラダン向けのディアヘアには、「コンパラダン・ディア」の名称が付けられているものが多い

ディアヘアは種類が多いうえに、冬と夏で毛の質が違ってきます。#18以下の小さめのフックであれば、ディア・ホックもちょうどよいマテリアルになると思います。
※ディアヘアの詳しいマテリアル解説については、こちらをご覧ください

Q2 ウイングを作るうえでのコツを教えてください。

コンパラダンのウイングは、正面から見ると扇状になっている特徴的なものですが、スレッドでしっかりとテンションを掛けてヘアを立たせることが大切です。
扇状にシャンクから真っすぐ立ち上がるコンパラダンのウイング

まずはヘアの先端が前方を向く状態でシャンクに取り付けますが、スレッドでプレッシャーを掛けて立たせている最中、手を離しても前側に寝ないようにすること。後方に倒すぐらいの調整でちょうどよいでしょう。

また、スレッドだけで角度を調整しようとするのではなく、その後ボディーとなるダビング材でしっかりとヘアの根元を固めるようにしてカバーしておくことも重要です。

以下にウイング取り付け時の手順を解説しますので、ご覧ください。
まずはテイルを取り付け、全体的にフラットな下地を作る

ハックルスタッカーで、ディアヘアの毛先を揃える
※ハックルスタッカーの効果的な使用方法についてはこちらをご覧ください


スタッカーから出した揃ったヘアをフックに取り付ける前、束を持ち替える数をできるだけ少なくすることが大切。持ち替える回数が多いほど、揃えた毛先が乱れてしまいがち

長さを決めたら、先端を前向きにシャンク上に固定。ウイングの長さはシャンクと同じくらいが目安

根元をスレッドでしっかりと固定。ウイングの広がり具合はこの時点では気にしなくてもよい

余りをカットする際は、ハサミをボディーとできるかぎり水平にしてカットする。ボディーのボリュームはこの時点で決めることになり、段差ができないようにカット

顕著な段差をなくすように、スレッドでテーパーを意識しながら巻きつぶす

ここでようやくウイングの前側にスレッドを掛けて、立ち上げる。後方に倒れるくらいに調整しておくとちょうどよい。その後、ウイングが正面から見て扇状になるように、指で広げるよう調整しておく

ダビング材を巻き、完成。ウイングの前後はしっかりと固め、ウイングの形・角度を補強するようなイメージで巻く

下から見た状態。ボディーの左右にウイングが出ているような状態になる


次回
【隔週連載】嶋崎了のフライタイイング基礎知識
第19回「スタンダード・ドライフライのハックル 編」は
2018年4月23日(月)公開予定です。

2018/4/9

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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

特集
共鳴するウエットフライ
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 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
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