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第19回 スタンダードのハックリング編

2本のフェザーを密に巻く

嶋崎 了=解説

スタンダードなスタイルのドライフライに巻かれている“縦巻き”のハックル。密に巻くコツの一つに、ハックルフェザーを2枚使うというのがありますが、今回はそんなテクニックを紹介します。

嶋崎了(しまざき・りょう)
1965年生まれ。江戸川区在住。フライ歴35年。
渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。
ティムコ社フライ用品開発担当として、『TMCバイス』、『TMCアジャスタブルマグネットボビン』、『Jストリーム』シリーズなど主要製品を数多く手がける。

Q1 2枚のハックルを巻く際の手順を教えてください。

2枚のハックルフェザーを巻く方法は、大きく2とおりあります。1枚ずつ巻く方法と2枚同時に巻く方法です。

どちらでも構いませんが、2枚を同時に巻けるようになると、こちらのほうが巻きやすく感じると思います。短所としてはハックルプライヤーを使えないことぐらいでしょうか。昨今のハイクオリティーなジェネティックハックルなら長さも充分にあるので、2枚同時に巻くのがおすすめですね。

ただし、タイプの違うハックルを合わせて留める際には、1枚ずつ巻くのがよいでしょう。ハックルの癖などもあるので、私の場合はまずは2枚同時巻きを試みて、それで難しいと感じたら1本ずつ巻くようにしています。
2枚同時に巻きあげたハックル。1枚で巻くよりも、小さいスペースでより密になる

Q2 きれいに仕上げるためのコツを教えてください。

まずは2枚のフェザーをしっかりと重ね合わせた状態で巻き進めます。そしてハックルを巻くベース部分を、できるだけフラットにしておくことも大切ですね。そして、ハックリングの際にしっかりとテンションを掛けて巻き進めることも忘れないようにしてください。

以下にタイイングの手順を解説しますので、ご覧ください。

まずはフックサイズに合ったハックルフェザーを2枚用意(2枚とも同じ大きさ)

2枚のフェザーを、裏表を同じ向きにして、ぴったりと重ねる。先端の位置もずれないように注意

巻き留める箇所から下はファイバーを取り除く。この作業も2枚同時に行なうとよい

さらに美しく巻くコツとして、巻き始めにシャンク側になる側のファイバーを取り除いておくと、ハックリングの始めにファイバーが暴れずにすむ

フェザーの裏がアイ側を向いて巻き進められるようにシャンクに固定。2枚がずれないように固定し、下地のストークはしっかりとスレッドでならしておく

2枚のフェザーが最もずれやすいのは巻き始め。しっかりtテンションを掛けて、2枚同時に巻き始める。写真のように、1回転ずつ爪で間隔を詰めながら巻き進めるとよい

巻き終えた状態。2枚のハックルを1枚のフェザーとして、常にずれないようにテンションを掛けながら巻くイメージ

完成形。縦に巻かれたハックルが前後に乱れていないかチェック

正面から見ると、きれいな円状になる

次回
【隔週連載】嶋崎了のフライタイイング基礎知識
第20回「ラバーレッグ 編」は
2018年5月7日(月)公開予定です。

2018/4/23

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【特集】One Fly, One Soul 1本入魂のタイイング

釣れないフライはありません。しかし、より釣れやすい、より釣りやすいものは確実にあります。
「釣れやすい」とは、たとえば魚がエサと認識しやすいシルエットや姿勢をキャストごとにキープできることや、より刺激的な波動を常に発する構造のこと。 「釣りやすい」とは、たとえばキャスト中の空気抵抗が考慮され、スムーズにプレゼンテーションできることや、簡単には壊れない高い耐久性のこと。
そして、フライは最終的に美しいに越したことはありません。
これら無限の要素を取り入れて、自分で創造できるからこそフライタイイングは楽しいものです。
今号では佐々木岳大さんにドライフライの基礎を、嶋崎了さんにCDCの失敗しない扱い方を、中根淳一さんにキールフライのアイデアを、筒井裕作さんにホットグルーの使い方を教えていただきました。

また、中央アフリカ、ガボンでのターポンフィッシングの釣行レポートやポータブル魚道に関するインタビューなどもお届けします。


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