第6回 フェザントテイル
裏から見ると、色味が分かる
岩崎 徹=解説名前のとおり、フェザントテイル・ニンフのマテリアルとして知られる、フェザントテイル。使い方はシンプルですが、その色加減を調整して使うことで、より奥深いタイイングが楽しめます。
岩崎 徹(いわさき・とおる)
1948年生まれ。タイイングマテリアルを取り扱う「キャナル」代表。羽根や獣毛など、希少種も含めて、これまでに数々のマテリアルを取り扱ってきた経験を持つ。各素材の効果的な利用方法はもちろん、世界のマテリアル事情にも詳しい。
フェザントテイルはどのようなフライに使われますか?
フェザントテイルといえば、何といっても代表的なものはフェザントテイル・ニンフですよね。フェザントテイル・ニンフというのは、通常3本ほどのファイバーで巻きます。あとはコパ―ワイヤで、スレッドも使いません。
本来のパターンは、テイルは赤く、ウイングケースは黒い色味になっています。そのように調整して巻けるよう、裏から見た時に先端が赤くて、芯が黒いファイバーを使うんです。
フェザントテイルとワイヤだけで作るフェザントテイル・ニンフ。テイルは赤っぽく、ウイングケースは黒い色合い
tied by Noritaka Osada
こちらがフェザントテイル・ニンフに適した、先端が赤く、芯の黒いファイバーのあるフェザー(裏側)
それが白っぽいテイルだとそうはいきません。羽根を裏から見ると本当にその色合いはさまざまで、薄いものから真っ黒いものまであります。
テイルを表から
表側をアップで。それぞれ色合いは異なるが、フェザントテイル・ニンフのようなパターン巻く場合は、表の色味はあまり気にせずともOK
そのため、色味を見て選ぶ時は、まず裏を見るのが正解ですね。逆にいえば、フェザントテイル・ニンフを巻く限りでは、羽根の表の色はあまり関係ないといえます。
ちなみに真っ黒いのは、おそらく日本のキジです。海外では黒いものはグリーンミュータントなどと呼ばれていますが、やはりこれは、ほとんど日本のキジと一緒だと思います。
こちらは同じ羽根を裏側から
裏側から見ると、表から見た時とは打って変わって、色の濃淡が明確に違う。左のものはほとんど真っ黒。ちなみに、フェザントテイルを巻く際、前述した「先端が赤く、芯が黒い」フェザーというのは写真右のような羽根
フェザーの大きさには差がありますか?
ファイバーの長さもさまざまですが、当然長いもののほうが大きいフライが巻けますよね。とはいえ、12番以上のフックを、たった3本のファイバーで巻きとおせるものというと、そう多くはありません。一般的にはやはり12番がぎりぎりのサイズと思ってよいでしょう。このほか、これをウイングにするというウエットフライもありますが、非常にバラけやすい素材ですので、かなりの技術を要します。もし挑戦するのであれば、羽軸ごとカットしてタイイングしたほうがよいかもしれませんね。
次回
【隔週連載】タイイングマテリアル目利き図鑑
第7回「ディアヘア」は
2017年3月6日(火)公開予定です。
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第7回「ディアヘア」は
2017年3月6日(火)公開予定です。
2018/2/19