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ささきつりぐ

スカジットタクティクス入門│第7回

スカジットタクティクスを全9回でお伝えしていく

文・写真=仲野靖

フローティングボディにシンクティップという組み合わせが基本になるスカジットのラインシステム。このシステムを生かし、スティールヘッドはもちろん、ニジマスやアメマスといった日本のフィールドを楽しむための対象魚をスイングで釣っていく際、仲野さんは、「たとえばフローティングボディーはシンクティップを支えるウキである。というような、日本で長く紹介されていた考え方をしてしまうと、実際に必要なラインコントロールがかえって理解しにくくなると思います」と話す。

それはどういう意味だろうか?ウエットフライの釣りも含むフライを水中に泳がせる釣りにおいて、「フライを流すにあたっては、そもそもできうることと、効果があるのでするべきことの2つがあり、ある程度その理解を深めておいたほうがよい」と仲野さんは話す。その際、前回も解説したとおり、実際にスカジットのラインシステムをしっかりターンオーバーさせ、クロス方向にフライまでを含めてきちんとプレゼンテーションキャストできれば、たとえばそのあとのライン形状は「フローティングボディーの先にシンクティップがぶら下がっている」ような状態にはけっしてならない。あくまで「先端のシンクティップから手前のフローティングボディーまでが、滑らかに繋がった状態」になるといえる。

スカジットのスイングの釣りとは、端的に一言、まずはその形をしっかり作り、それをできるだけ維持しながら、一投ごとに安定した状態でフライを一定のコースに流していくことを目指す釣り方だ。そこでは、フライラインの各部に掛かるテンションは所与のものとして取り入れ、それをバランスさせることを考える。そしてライン各部のテンションをバランスさせる際は、より具体的には水中にあるシンクティップの先端付近がなるべく安定した形で流れていくことを意識する。なぜならそれにより、先にあるフライもおのずと安定して流す(泳がせる)ことができるからだ。

仲野さんが水中にあるシンクティップの先端を「起点」と表現するのは、つまりそこが「その先のフライをコントロールするための事実上の起点」になるためである。

 

 

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2024/7/8

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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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