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それぞれのソフトハックル 2/3

ライズの釣りにも効果的

FlyFisher 編集部=まとめ

浮かせるも沈めるも、動かして誘うも、ナチュラルに流すもスイングさせるように送り込むも、その使い方は自由。そんなフライこそ、ここぞという場面で活躍してくれることは多い。ここではそんなパターンを使用しているフライフィッシャーのそのフライスタイルと使い方を紹介。
この記事は2014年4月号に掲載されたものを再編集しています。

マルチに使えるカディス
(天海 崇=解説)

ソフトハックルCP(カディスピューパ)
●フック……TMC103BL #15
●スレッド……8/0各色
●リブ……モルフォファイバー・各色
●ボディー……イマージェンスダブ・カディスグリーン
●ハックル……コック・デ・レオン(ヘンハックル)


コック・デ・レオンの強み
ソフトハックルといえば、パートリッジをまず連想するほど、その使用頻度は高い。パートリッジを使用したタイイングでは、パラリとバランスよく巻くために、ストークより片側のファイバーを取り除き1回転半から2回転と少ないファイバーで存在感ある仕上がりにする。

パートリッジを巻きすぎるとフライ全体のバランスが損なわれてしまう。それとは対象的にコック・デ・レオンのヘンハックルは、ファイバーが細いのでハックルの回転数を多くしても、見た目のバランスもよく、キャスト時の空気抵抗も少ない。

このパターンでは、ハックルの回転数はウエブ部分も含め7~8回転。パートリッジもそうであるが、通常はハックルのティップを巻き留め、ハックルのバット部分をプライヤーではさんでアイに向かって巻き上げる。このほうがきれいに巻けるし、特に細く切れやすいコック・デ・レオンのヘンハックルに合っている。

ただし、このフライに関しては逆。バット部分を巻き留め、ティップをプライヤーにはさんで、コックハックルと同じように巻いている。こうすればウエブ部分も有効に利用でき、カディスピューパの全体として、またソフトハックルとしてのシルエットがよくなるように思う。

ボディーに使っているイマージェンスダブのようなシンセティックマテリアルに、モルフォファイバーをねじりながらリブを巻くことで、適度に反射する虫らしさを表現している。フラッシャブーなどにはない光り方が気に入っている。

ハックルの長さは、ゲイプ幅より長いが、シャンクよりは短いくらいがちょうどよい。コック・デ・レオンのヘンハックルは毛先が透明なので、小さい誤差はそれほど気にならない。パートリッジとはできあがりも異なり、小さいフックサイズにも合わせやすい。

本流のライズねらいにも
私が通う渡良瀬川や鬼怒川では、シーズンごとに変化はあるものの、比較的にコカゲロウやガガンボ、中型メイフライのハッチが目立つ。そんななか、カディスのハッチをねらってヤマメが偏食しているようすも見られ、私にとってテンションが上がる水生昆虫でもある。

ライズしたポイントに対してダウン&アクロス、もしくはダウンでねらうのが基本。最初はナチュラルドリフトを試してから、反応がなければ少しだけテンションを加えて動かしてみる。

ちなみにハックルを巻き留めた後にエアロドライウィングやCDCなどのインジケーターを取り付けておけば、ライズねらいのフィールドだけではなく、上流部のブラインドフィッシングにも対応することができる。このほか、ニンフとしてショットで沈めて使うという手もある。

ドライフライがダメでも……
(遠藤岳雄=解説)

オレンジ&パートリッジ
●フック……SAWADA/SUMMER SPROAT #8
●スレッド……8/0ブラック
●リブ……ゴールドオーバルティンセル(シルバーもあり)
●ボディー……オレンジフロス(イエロー、グリーンもあり)
●ハックル……パートリッジ・ナチュラル

私の場合ソフトハックルといえば、「オレンジ&パートリッジ」である。基本的にはメイフライ系のイミテートとしての使用頻度が多いことから、細身のボディーにパートリッジを2回転ほど巻き、見た目にも軽い感じに仕上げたものを使用している。

バリエーションとしては、サイズ、ボディーの色、そしてアブドメンにピーコックを巻いたものを気分によって使い分ける程度である。
ソラックスにピーコックを巻いたパターンも使用している

ある年、解禁間もない本流のガンガンの瀬の中で、不意にものすごいスプラッシュライズに遭遇したことがある。時期と時間帯からして、メイフライまたはガガンボヘのライズであることは想像に難くない状況であったが、私の投じたドライのパターンはことごとく無視された。

そこでこのオレンジ&パートリッジを結んだところ、1投1 尾という驚きの結果に……。使い方としては、上流からライズに向けてフライを送り込み、ライズ地点でフライを止めてスイングさせる。そしてそこで軽くリトリーブをして誘ってみるといった単純な動作が決め手であった。

どうもこの手のパターンは「フライを動かして見せる」ことがキモではないかと思っている。

動かして誘うヤマメ、ニジマス
(小野田祥一=解説)

ソフトハックルⅠ
●スレッド……8/0タン
●リブ……シルバーワイヤ・各サイズ
●アブドメン……フラッシャブー
●ソラックス……スーパーファインダビング・タン
●ハックル……パートリッジ・ナチュラル


積極的に動かす
このフライの出番はズバリ本流筋でのライズフィッシング。近所の本流で晩春に起こるフタバコカゲロウのハッチ。増水気味の比較的速い流れの中でスプラッシュライズが頻繁に見られるのだが、ポイントの至るところで、しかも不定期に起こるライズには毎年頭を抱えていた。

広大で複雑な流れに上がる飛沫をねらって送り込んだ#18以下のフライがしっかり自然に流れているか? 魚はちゃんと見えているのか? 疑問は増えるばかりだ。

そこで使い始めたのがこの小型のソフトハックル。結果は大正解だった。ライズ地点を通過させるとさっそく反応が返ってきた。流し方は通常のウエットフライとは少し異なり、積極的に動かしてライズ地点周辺で誘いをかけるのが効果的なようだ。これまでの”自然に流す”だけではなく、”動かして誘う”といった新たな展開を発見させてくれたフライといえる。

タイイングのキモはシルエットがスッキリ見えるよう細めにボディーを作ること。荒天時にも水中で目立つよう、フラッシャブーによるきらめきをプラスしている。

肝心のハックルは少なめにパラリと巻くのが基本だが、時にはフロータントを塗布し水面に浮かべてガガンボパターンとして使うこともあるので、タイイング時は若干多めに巻くようにして、後は現場で調整する。

ニジマスにも効果的
リビングボディーにパートリッジのみという、いたってシンプルなパターンだが、C&R区間などの釣りでは高い実績を誇り、管理釣り場のニジマスをねらった釣りでもかなり使用頻度は高い。
ソフトハックルⅡ
●スレッド……6/0ブラック
●リブ……コパーワイヤ・各サイズ
●ボディー……スレッド
●ハックル……パートリッジ・ナチュラル


水面下5cmほどを通常のリトリーブではなく、テンカラ釣りのようにサオ先を使って積極的かつソフトに誘うのがコツ。ひとたび魚のスイッチが入れば三角波を立てて襲い掛かってくることもあり、非常にエキサイティングな展開になる。

ただし、柔らかい動作でふわっと誘うため、あまりファーストアクション、または高番手のロッドでは操作しづらい。私はニジマスをねらう場合、渓流用より少しパワーのある#4クラスのミディアムスロー・アクションのロッドを使っているが、それが面白さに拍車をかけているのかもしれない。

スレッドとコパーワイヤ、パートリッジのみのパターンだが、それなりにバランスが重要で、着水後、水平の姿勢を保って沈むよう調整している。こちらも積極的に誘いを入れるようにして使うことが多いので、ハックルは多めに巻いておく。

これは私の使用するソフトハックルパターン全般にいえることだが、フックには形状とウエイトバランスのとれたTMC2499SP-BLを使用している。

2018/5/25

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