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それぞれのソフトハックル 1/3

本流と渓流、頼みの綱のパターン

稲田秀彦=解説

ドライフライとしても、ウエットフライとしても、またはその中間的な使い方もできるフライパターンとして、ソフトハックルに厚い信頼を置いているフライフィッシャーは多い。細かく動かして誘うのも、スイングさせるように送り込むのも、水面下を漂わせるのも、その使い方は自由自在だ。
この記事は2014年4月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
稲田 秀彦(いなだ・ひでひこ)
1972年生まれ。長野県安曇野市在住。信州の川を中心に、本流から源流まで幅広いフィールドで釣りを楽しむ。例年シーズン初期には犀川のウエットフライの釣りや、蒲田川のドライフライ・フィッシングに通う。

イブニングの本流でスイングさせる

ソフトハックル犀川用
●フック……TMC3769 #8
●スレッド……8/0イエロー系
●テイル……ギニアフェザー
●リブ……ミラージュティンセル
●アブドメン……フライライト・イエローなど
●ソラックス……アイスダブ・UVパール
●ハックル……パートリッジ・シルバー系のカラー


徐々に冬の寒さが和らぎ始める3月の終わり頃になると、ユスリカなどに代わって小型の水生昆虫が目につくようになる。水温が少しずつ上昇するにつれて犀川のトラウトも中層から上層を流れる流下物を意識し始める。

そんな時期になると夕方からガガンボのスーパーハッチが見られることも。このタイミングでエルモンヒラタカゲロウもポツポツと姿を見せ、少し早いイブニングシーズンが始まる。

しかしエルモンヒラタカゲロウのハッチがあっても、思うような釣果に恵まれないのが、水中羽化をねらった釣り特有の難しさ。比較的流れの緩いプールの中盤から流れ出し付近のカケアガリ周辺を、14~16フィートの少し長めのリーダーを使い、ウエットフライとして水面直下をゆっくりと横切るように流す。

着水後にライン修正をしてからは、細かなメインディングなどは行なわず、流れのスピ—ドに合わせ一定の層を維持するように、そしてフライフックのアイが常に上流側を向くように意識しつつスイングで誘うようにして使用する。
正面から。ボディーと同じくらいの長さで薄めのハックリングを意識

犀川のイブニングでは、アベレージサイズが40~50cm、時には60cmを越す大型のトラウトがヒットする可能性も高いので、できるだけ太い軸を使ったウエット、ニンフ用のフックを使っている。エルモンヒラタカゲロウを意識しつつガガンボでも……と考えて、サイズは#8前後を使用し、イエロー系のほかやや薄めのグリーンカラーを選んでいる。

タイイングでは、シルバー系のパートリッジの片側のみを使い、薄めのハックリングを心掛ける。ハックルの長さは水に濡れた状態でボディーと同じになるぐらいが目安。

テイルは少し長めの濃淡の明確なギニアやティールダックなどを使うことで、シャックを引きずった水中羽化の失敗したイマージャーとしての役目も考えている。

ボディーとソラックスに光物を入れることにより、夕暮れ時の光量の少なくなる時間に少しでも存在感を出すことができると思う。

大場所でドライフライが効かない時に

「ソフトハックル渓流用」
●フック……TMC3769 #12
●スレッド……8/0ブラック
●テイル……コックネック・レッド
●リブ……ラウンドティンセル・ゴールド
●アブドメン……ピーコックアイ
●ソラックス……アイスダブ・ピーコック
●ハックル……パートリッジ・ブラウン系のカラー


次に紹介するソフトハックルはイワナの生息する上流域のフィールドで主に使うパターンとなるが、ヤマメの多い川で絶大な威力を発揮する「オレンジ&パートリッジ」と同じように、#10前後のサイズを何本かはフライボックに入れておくようにしている。

一般的な規模の渓流で、ドライフライで釣り上がっている時、堰堤や滝など、魚の遡上が難しいと思われるポイントに出くわすことは多い。もちろんそういった場所は大型のイワナやヤマメが期待できるポイントでもある。

まずはドライフライで手前の流れ出しから落ち込みまでひととおり流してみる。小ものが反応することはあっても、思ったほど大きなサイズが出ないことが多く、そのまま次のポイントに移動してしまいがち。

しかしこんな時、ソフトハックルに結び変え、水面下も探ってみることをおすすめする。改めてルースニングのシステムを組むには、マーカーを付けるなど少々手間だが、ソフトハックルならばティペットをカットして、ドライフライの時より若干短くするだけでよい。

そして煽堤や滝の落ち込みにダイレクトにキャストし、流れの筋に合わせて流すだけ。無理に沈めようとしなくても大丈夫。ラインのスラックを取りながら、テンションを掛けすぎないようにフライを漂わせていれば、ラインの動き(止まったり、引き込まれたりする)でアタリが明確に分かるはずだ。
正面から。ソラックス部分を太めに作ることにより、ハックルが寝すぎず動きがよくなるように工夫

渓流用のパターンでは水馴染みのよさを考えて、太めのシャンクを使用したニンフまたはウエット用のフックが使いやすい。

サイズはあまり小さくする必要はなく#10ほどで充分。ブラック系のボディーカラーをメインに、ピーコックやフェザントテイル、ニンフ用のダビング材を使用するのがおすすめ。テイルは各フライカラーに合わせてセレクトするが、レッドやグリーンなどのカラーはアピールカが大きいので積極的に使ってみると面白いだろう。

ハックルに使うパートリッジはブラウン系ものを選び、片側だけ使用して薄めにハックリングする。こちらも長さは、水に濡れた時にボディーと同じ長さになるように調整している。

2018/5/24

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
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最新号 2021年6月号 Early Summer

渓流のドライフライ・フィッシング、ロングティペット・リーダーの名手として知られる渋谷直人さん。今号は彼の渓流フライフィッシングに対する、テクニックではなく、思考法を中心に語っていただきました。ここでいうテクニックとはほぼ運動能力と同義で、どうしても反復練習や経験が必要になります。しかし思考に関しては、知るだけで明日から役に立つはず。日本の渓流でヤマメ、イワナをねらうための金言、格言、ハッとさせられる言葉が並びます。
表紙にも入れましたが、いくつか例を以下に挙げます(これはほんの一部です)。
「ドライフライ・フィッシングとは水面で行なうエサ釣りである」
「尺ヤマメを釣りたかったら、まずは見つけること」
「遠くへ投げるよりも、魚に近づく技術を磨く」
「見えないフライは、勝負にならない」
「よい時間帯は午前10時〜午後4時と思い込んで間違いない」

このほか、小特集としてUVマテリアルについて名手たちの考え方を取り上げます。


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