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ボリビア在住妻 素人南米釣行記05(後編)

憧れのパタゴニアでトラウトフィッシングの巻(後編)

高阪 美穂子=写真と文


《Profile》
高阪 美穂子(こうさか・みほこ)
ボリビア・ラパス市在住。2007年にフライフィッシングを始める。2015年には愛知県に住み、毎週岐阜の渓流へ通っていた。夫の仕事の都合でボリビアに移住後、現地でのフライフィッシングを模索中。フライフィッシングが好きな理由は、自然に溶け込めること、場所・時期・気候などの条件を考え、自分がイメージしたとおりに魚が釣れた時の喜びが大きいこと。


■前編からの続き

チメウィン・リバーでの釣り


釣行2日目から数日にわたり、全長54kmのチメウィン・リバーで釣りをします。

この川は、アンデス山脈近くのウエチュラフケン湖から流れ出て、フニン・デ・ロス・アンデスの町の脇を流れ、コション・クラ・リバーに合流する支流です。


フライフィッシングで有名な川で、20世紀初頭にヨーロッパからニジマスとブラウントラウトが持ち込まれました。

チメウィン・リバーは上流、中流、下流を日ごとに分けて、釣りをします。


まずは上流から。

上流はなんと言っても水がきれい!
水深もあり、水温は15℃前後とやや低め。


蛇行している場所は流れが速く、ラフティングとしても楽しい。そして、川がストレートの場所は流れが緩く、緩急があります。


川幅が狭い場所もあり、枝に当たりながらやっと通れる場所も。


でも、魚影はとにかく多い。大きな魚はあまりいませんが、ポイントには30尾以上溜まっていることも。

ポイントは、カケアガリ、ヤナギの木の下流と蛇行して外側の流れがあたる場所。


フライは、#16のこげ茶のパラシュート、#14の緑色のカディスを使用。

チメウィン・リバー上流では、20~30cmのニジマスを20尾弱、小さなブラウントラウト数尾を釣り上げました。


フライフィッシングで1日にこんなに釣れたのは人生初!


次はチメウィン・リバーの中流。川幅も上流に比べ広くなり、水深も浅く、流れも穏やか。

ニジマスもちろんたくさんいますが、ブラウントラウトの数は上流よりも多い気がします。


中流はフニン・デ・ロス・アンデスから近くに位置し、市民の憩いの場所にもなっています。


中流のポイントは、ヤナギの木の下流、バブルライン、巻き返しと瀬全体です。


午前中はメイフライが出ているので、#16のこげ茶のパラシュート、午後は#14の羽つきテレストリアルと緑色のカディス。


釣果の平均サイズは30cmくらいで、サイズアップとはなりませんでしたが、私にとっては爆釣で1日で30尾も釣れました!


本当に川のポテンシャルが高い!


残念ながら、良型のブラウントラウトは何度もバラシ、釣れたのは可愛らしいサイズのみ。


チメウィン・リバーの下流はウエーディングで釣ります。

橋のたもとからスタート。

水温は19℃であまり冷たくないのですが、1日中水の中なので、この日はウエーダーを着ます。

川を見ると、ヤナギの木近くのあちこちでライズが。魚の食い気はあるみたい。


この日も、実績のある#16のこげ茶のパラシュートをティペットに結びます。

しかし、ポイントに何度流してもアタリなし。

少しずつ移動し、とうとう大本命のポイントに。

何回かフライを流してもアタリがないので、#16のグレーのCDCダンに変更。


そしたら、やっとアタリが。30cm弱のニジマスが数尾釣れました。

フライの色とサイズが合ってないとなかなかあたらない、けっこうシビアです。

今度は、大きそうな魚のライズがあったポイントをねらいます。フライも#14のオレンジ色のカディスに変更。

何回も流し、やっとヒット!


けっこう引きます。もしかして、これは大きいかも?

パタゴニアに来て、数を釣っているのでやり取りにも余裕が出てきました。


やった、良型!


40cmオーバーの綺麗なニジマスです。
パブロがつきっきりで指導をしてくれたおかげ。


私の釣り人生で最大のニジマス、サイズ更新!


その後は、橋付近の荒瀬で釣り。
流れがあるので、大きめのフライでアピール。

スティミレーターやチェルノブイリアントを下流まで流して、リトリーブします。
赤黒のチェルノブイリアントがパブロのオススメ。

大きい石まわりがよいポイントなので、そこを中心に流し、やっと1尾釣果を追加。


午後はパタゴニアらしい景色を見ながら移動し、より下流のポイントで釣りをするも何回かバラシ、結果、ゼロ。

ライズは至る所であったのに、フライが合ってなかったみたい。
15時からは帽子が飛ばされるくらいの強風が吹き、パタゴニアの洗礼も受けました。


ウエーディングも楽しかったけど、個人的にはパタゴニアで釣りをするなら、やっぱりドリフトボートのほうが効率がよいと感じました。

ただし、ドリフトボートは乗っているだけなら楽しいけど、釣りとなるとやることが多くて大変。


ボートだと、釣りのポイントが刻々と変わり、キャスティング数は1日に1000投以上。

ラインは必ずボートの中に置き、サイドを変えるたびにラインの場所を変える必要もある。

流れが速いところはラインを巻き取り、川幅の狭いところはロッドが枝に当たらないように注意しなければいけない。

最初は「そんなに言われてもできない!」とついグチが・・・・・・。

でも、大大満足のチメウィン・リバーでした。


アルミネ・リバーでの釣り


アルミネ・リバーはアルミネ湖を水源に、南北に連なるアンデス山脈の麓を流れます。
下流はコション・クラ・リバーで全長160kmの大きな川。

今回はアルミネ・リバーの下流で釣りをします。


道中、初めて本物のガウチョ(牛飼い)が見られて感動。


サン・マルティンの町から車で1時間50分かかってやっと到着。

パブロからは、「この川は、川幅もあり水深も深いので、大きなトラウトがいる。大きな魚は底にいることが多いので、ニンフが効果的」と教えてもらいました。
が、我々はドライフライでスタートします。


アルミネ・リバーもヤナギの木陰、流れの緩いところをねらいます。

フライは#14の羽つきテレストリアル。
岸ギリギリで枝が覆いかぶさっているところにフライが入ると魚の反応があります。


何度もキャスティングし、ドンピシャのポイントに。ねらいどおり、掛かりました!

魚が逃げようとして大きく首を振り、私は思わず「大きいかも」と声が出ます。

必死で私には聞こえてませんが、パブロも常にやり取りをアドバイス。5分後、やっと魚が見えてきました。


今回の釣行で初めての40cm超えのブラウントラウト! 念願叶いました。


一方、だんなはドライフライでアタリがなかったので、パブロから借りた重たいラインとニンフに変更。

ラインとフライが軽いと沈むまでにボートが流れ、ポイントから離れるので、ウエーディングより重たいものを使います。

そして、流心の岩のまわりにキャスティングし、流れに乗せて下流まで流しきったら、リトリーブをする。

しばらくすると、ニンフでの初釣果。

沈めると、やっぱり大物が釣れます。
50cmのニジマス。


午後は私も30cmオーバーのニジマスが10尾くらい釣れ、アルミネ・リバーを満喫できました。


美食とバカンスの町、サン・マルティン


1日の釣りを終え、楽しみなのが夕食。アルゼンチンはレストランが開くのが夜の20時半で混むのが22時。だから、20時にホテルに戻っても、ゆっくり夕食が楽しめます。

まずは、サン・マルティン名物の羊の丸焼き。


ボリューム満点。臭みもなく、お肉は柔らか。


次は羊肉のラビオリ。盛り付けに派手さはないけど、食材を活かした味付けが絶品。そして、ポルチーニ茸のような肉厚のキノコの旨味がすごい。


これも地物食材、ニジマスのムニエル、ウィスキーソース。一切泥臭さはなく、ソースが秀逸。


ジビエ料理もあります。イノシシ料理もあったけど、注文したのは鹿肉ソースのパスタ。


そして、忘れてはいけないのが、サン・マルティン産の種類豊富な地ビール。地ビールバーもあります。


スイーツで言えば、チョコレートも有名。
チョコレートボンボンよりもナッツやドライフルーツが入っている板チョコ推し。


サン・マルティンはリゾート地。子どもも大人も楽しめるアクティビティがたくさん。
もう少し滞在期間が長ければ、大自然の中でのサイクリング、トレッキング、ラフティングやキャノピーも楽しめたのに・・・・・・。



そして、サン・マルティンに来て驚いたのが、治安の良さと町の綺麗さ。
遠くの山並みも街路樹や公園も町を彩っています。


建物は木と石が使われた可愛らしいデザイン。
町を歩いてもウキウキします。


私がなによりもサン・マルティンを好きなのは、人々が親切なこと。

歩行者がいれば、必ず道を譲ってくれ、困ったことがあれば声をかけてくれます。

今回、釣りをした川は本当に懐が深く、場所ごと、時期ごとにいろいろな楽しみ方があることを実感。

パタゴニアは遠いけど、お金と時間に余裕があれば、また来たい場所。
いつの日かきっと・・・・・・。

2020/5/12

つり人社の刊行物
瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編
瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編 本体2,500円+税 A5判カラー256ページ
1998年刊行の幻の名著が2020年の視点も加筆されて、復刊です。 フィッシングライターとして現在も活躍する佐藤成史さんのライフワーク、人間の活動などにより生息場所を狭められる渓流魚たちを追いかけ写真に収めた貴重な記録。 インターネット前夜…
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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

特集
共鳴するウエットフライ
エキスパートが実践していること

 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
 先般22年ぶりの復刊となった、佐藤成史さん著『瀬戸際の渓魚たち』。Special Topicsと題しまして、阿武隈高地の天然イワナについて現状を取材してきました。日本列島形成の背景をもとに浮かび上がってきたのは、イワナたちの「山越え」という仮説。人類の営みと比べたら気の遠くなるような時間をかけて脈々と受け継がれてきたイワナたちの「血」。そんな歴史を感じることのできる幸福と、現状への警鐘があぶり出されています。
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