LOGIN
Little Bell

ボリビア在住妻 素人南米釣行記03

コスタリカで渓流釣りを楽しむの巻

高阪 美穂子=写真と文

《Profile》
高阪 美穂子(こうさか・みほこ)
ボリビア・ラパス市在住。2007年にフライフィッシングを始める。2015年には愛知県に住み、毎週岐阜の渓流へ通っていた。夫の仕事の都合でボリビアに移住後、現地でのフライフィッシングを模索中。フライフィッシングが好きな理由は、自然に溶け込めること、場所・時期・気候などの条件を考え、自分がイメージしたとおりに魚が釣れた時の喜びが大きいこと。

ラテンアメリカで渓流釣りができる場所を探す


ボリビア・ラパス在住妻で、ネイルノットができないフライフィッシャーです。

5月を過ぎるとボリビアは本格的な乾季です。



低地では雨季だと道路が冠水し通れなくなるので、乾季になって釣りができる所をやっと捜索開始。

アンデス山脈を超えます。景色は壮大なんですが、悪路もあり、なかなかしんどいです。



車で2時間半、やっときれいな川を見つけました。

ここならと、さっそくサオをだします。だけど……。



なんとか釣れたのは4cmぐらいの小魚のみ。

ここもだめか……。

しばらく渓流釣りをしていないので、忘れてしまうのではないかと不安に思っていたところ、ネットサーフィンしていたら、なんと!コスタリカで渓流釣りをしている写真を発見。

しかも、トラウト。

「これこれ」と、次の旅行先の候補、必死に情報収集します。

検索してみると、サン・ヘラルド・デ・ドータという場所と判明。



ここかぁ!!

標高2000mだから涼しいらしい。なるほど~、これでマスが生息できる訳ね。

あと、ここはバードウオッチングも有名で、世界一美しい鳥が見られるらしい。それも楽しみ!




ホテルは釣り場となる川の近くを選択。我が家の予算内で評価の高いホテル・デ・モンターニャ・スリアに決めました!


サン・ヘラルド・デ・ドータへ


出発まであと1ヶ月を切った頃、ボリビアで大統領選挙があり、前大統領の選挙不正が発覚。国民がそのことに抗議し、各地でデモが起こる!?


日本ではありえない。コスタリカへ行けるか不安……。



空港閉鎖のうわさもあったけど、出発当日、無事離陸しました。神々しいアンデスの山々にも感謝!



着きました! コスタリカ・サンホセ空港。



スーツケースを受け取ったら、到着ロビーがなく、すぐに外に! WiFiの繋がる場所でUberやホテルに連絡しようと思ったのに。



しかたないので、呼び込みされたタクシーに乗ります。乗る前に値段を確認したら、メーター料金とのこと。これなら、大丈夫かな。

サン・ヘラルド・デ・ドータへ行く長距離バスのバス停へ向かいます。



バス停で、多くの人がバスを待っています。コスタリカは九州と四国を合わせたくらいの広さで、主な交通手段はバス。

切符を買い、ホテルに最寄りのバス停まで迎えに来てもらう時間を連絡しようとしたら、WiFiがつながらない。困っていたら、地元の人が声を掛けてくれ、しかもインターネット共有までしてくれました。

コスタリカの人は親切!



ホテル近くのバス停です。幹線道路以外は何もない。ここからまたタクシーでホテルまで約12km、山を降ります。

今回は乗り換えが多かったので、無事に着けてよかった。


まずは世界一美しい鳥ケツァールをウオッチング!



早朝からの2時間のツアーは、ドイツとアメリカから来たご夫妻と6人で同行。

ケツァールは幻の鳥とも言われていますが、前日のタクシー運転手は、「サン・ヘラルド・デ・ドータは世界中から人が集まる特別な場所。100%の確率で見れるよ」っと言っていました。



好物のアボカドの木がポイント。

まず、1ヵ所目では見られず。

2ヵ所目はほかの観察グループもいます。



なんと! あっさり見えました。

開始たったの20分。

3ヵ所目はもっと近く、しかも、つがいを見ることができました。

ケツァールが見えると幸せになれると言い伝えがあります。幸先がよい!

これでよい釣りができそう。



また、エイコンキツツキも見ることができました。

「ケツァールはキツツキが作った穴を巣にします。この地域はキツツキも多く、だからケツァールの数も多いし、他の鳥も多い。」とガイドが説明してくれました。

ということは、鳥が多い→虫が多い→魚も多い?

期待が膨らみます。


初日のフライフィッシング



朝食後、早々に支度をし、釣り場へ向かいます。

林の中、久しぶりの足元の落ち葉が心地よい。

空気も綺麗だし、気温は長袖のシャツとレインジャケットでちょうどよい。

柔らかな日差しで快適。最高のコンディションです。



川が見えてきました。

水がきれい!

流れも緩やか!

川幅も広くなく、深くもない、私でも釣りがしやすそう!

コスタリカにこんな川があるなんて!



川沿いを歩いていると、魚が付いている場所が見えます。

はやる気持ちを抑えられず、さっそく川に降ります。



虫は飛んでいないので、フライは#14のテレストリアルを選びました。

魚のサイズは大きくないけど、日本じゃないからフライも大きくて大丈夫かな。ティペットも4X。



しかし、そんなに甘くなかった。

魚がいる場所にフライを落としても全然食いつかない。

ならばと、フライを#18のアントパターンに変更。



30分後、やっと1尾釣れました!

サイズは大きくないけど、きれいなニジマスです。



その後も2時間釣りを続け、なんとか釣果を2尾追加しました。ニジマスだけど、黒点が濃いのもいます。



ランチは可愛らしいカフェで。トラウトは養殖もされていて、名物です。



オシャレなトラウトのフライのタコスとアップルパイで一息。

食事をしながらの話はお互いの釣果報告。

だんなからは魚がフライを見切っているからティペットを細くしたほうがよいとアドバイスをもらいます。



私有地の庭ですが、魚が群れで泳いでいます。



15〜20cmの魚が群れでいるのが見えるので、午後は流れが緩い場所をねらいます。

ところが、川に降りただけで魚が逃げます。警戒心が強い。

ティペットは4Xから5Xに変更します。



結局、苦戦しながらも、1日目は5時間で釣果7尾。

ちなみにだんなは12尾。魚影は多いので、釣果の差は腕のみ。



明日の釣果アップを誓いながらのホテルへの帰り道、霧が出て、まさに雲霧林の様相です。


2日目のフライフィッシング




ひんやりした、清々しい朝。

朝食はシンプルだけど絶品!

新鮮なフルーツ、濃厚な目玉焼きと自家製のジャム。まるでジブリの映画に出てきそう。



2日目は、午後から移動するので2時間の勝負。

釣り人も見かけないので、前日に多くの魚がいたポイントをねらいます。



今日も魚は慎重に虫を見て食べているようす。

やっと1尾キャッチして、だんなのところへ行くと、「魚の食いが浅いからティペットを2倍の長さにした方がいい」と言われる。



ティペットを2mに変更。

まさかこんなところで、ロングティペットとは。

自然に浮いている時間が長くなったのか、確かに釣れるようになった。

でも、トラブルが急増……。



ここのニジマスは吸い込むようにエサを食べるので、ヒットしたことに気がつかないことも。

でも、魚がいそうな場所にフライを落とし、ドラッグが掛からなければ、ほぼ釣れます。



とにかく楽しい釣行でした!

魚のサイズは小さいけど数は多く、ヒレもピンときれい。

気候は暑くも寒くもなく、風もなく快適。釣り場は適度に大きな石もあり、川の上にはキャストできるスペースもあります。

どんなフライでも釣れる訳ではない適度な難易度。

そしてきれいな川。近くには美味しいカフェも。

まったくストレスがなく、こんなにリラックスして釣りができたのは初めてでした。


ライセンスと使用ロッド



今回はガイドなしで釣りをするので、事前にコスタリカ水産養殖研究所のホームページからライセンスを購入しました。1週間で$15。



北海道釣行以降ほとんど使っていないロッド。ティムコ ユーフレックス インファンテ 8’00″ #4。


その他のアクティビティとホテルの部屋



ケツァールツアーのほかに、バードウオッチング、ハイキング、ホースライディングのツアーがあります。



ホテルのテラスにはハチドリも。さまざまな花がホテルを彩っています。



ホテルの部屋はコテージタイプ。広い庭に点在しています。とても静かで、夜は満天の星空でした。













2019/12/19

つり人社の刊行物
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03 1,980円(税込) A4変型判132ページ
【特集1】引き出しを増やしあらゆる状況に対応するために… グレに効く1000%ウキ活用術 【特集2】各地の傾向と対策、特選ポイントを公開 冬こそアツいデカバン石鯛 ねらったところへ仕掛けを飛ばし、潮をとらえてグレの口もとへサシエを届け、釣り…
Little Bell
つり人社の刊行物
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03 1,980円(税込) A4変型判132ページ
【特集1】引き出しを増やしあらゆる状況に対応するために… グレに効く1000%ウキ活用術 【特集2】各地の傾向と対策、特選ポイントを公開 冬こそアツいデカバン石鯛 ねらったところへ仕掛けを飛ばし、潮をとらえてグレの口もとへサシエを届け、釣り…
Little Bell

最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


Amazon 楽天ブックス ヨドバシ.com

 

NOW LOADING