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Bibury Court

名手たちのラインシステム

同じ対象魚をねらうのでも場所が違えばフライと釣り方が違います。ここでは工夫とこだわりが詰まった名手の仕掛け図を掲載しています。

FlyFisher編集部=写真と文

岩井渓一郎さんのラインシステム

日本の渓流において、ロングティペット・リーダーシステムを確立。現在はラインスピードを極力落とし、フライをふわりと着水させることを理想のプレゼンテーションとしている。スクールも精力的にこなしている。

 

嶋崎了さんのラインシステム

ティムコ社の開発担当。世に出してきたギアは多数。職業とはいえ、ウエット、湖、管理釣り場、そしてタイイングに精通し、現在でもフィールドに立ち続ける姿は感動もの

 

渋谷直人さんのラインシステム

ガイドも含めてシーズン中120日は川で過ごす。そのテクニックだけでなく状況の観察力、魚を見つける目など山で遊ぶための非常に鋭い感覚を持つ。バンブーロッド・ビルダーでもある。

 

岡本哲也さんのラインシステム

東京在住ながら、シーズン中はほぼ東北を釣り歩いている。本稿にあるように道具立ては非常にライト。それに伴い常用するフライも比較的薄く、ライトに巻かれている。がまかつフィールドテスター

 

小野光興さんのラインシステム

山口県在住の名手。地元ではゴギとヤマメをメインでねらう。シュートしてプレゼンテーションするのも大きな特徴。よく使うフライは空気抵抗の少ないカディスや薄めにハックリングしたパラシュート

 

佐々木岳大さんのラインシステム

C&Fデザイン勤務。さまざなフライフィッシングの楽しむが、やはりメインは忍野か。ショートロッドを使った小渓流の釣りも得意。リーダーのバット部を先に着水させ、失速させたティペットにスラックを入れる、というプレゼンテーションを多用

 

遠藤岳雄さんのラインシステム

静岡県在住。以前連載していた「尺まで届け!」でそのテクニックの高さは明ずみ。独特、かつ鋭い観察眼でなるほど……、と思わせられるフライを巻く名手。

 

新藤忠伸さんのラインシステム

バンブーロッド・ビルダー。ハイスピード/ハイラインの名手として、キャスティングスクールも精力的にこなす。フライから釣りの服装にいたるまで、確固たるスタイルを貫く。http://www.genius-rod.com/

 

谷々和彦さんのラインシステム

秋田県在住。がまかつ、フジノライン、フィールドテスター。水面下にピーコックの玉をぶら下げる「ブードル」パターンの考案者。ほかにも独創的なフライを多数持つ

 

村島徳治さんのラインシステム

群馬県前橋市のプロショップ「アクロポリス」勤務。バンブーロッドにも造詣が深く、彼の釣りのスタイルに影響を受けた人多数。一番下の写真はリーダーとラインの接続部。接点をエポキシでなだらかにしている。http://www.bamboorod.jp/

 

矢野宏治さんのラインシステム

矢野シルクライン代表。シルクライン製造はなんと独学。FFI公認キャスティングインストラクターの資格も持つ。実践と趣を兼ね備えた人。https://yanosilkline.jp/

 

富田晃弘さんのラインシステム

熊本県在住。良型を引き出すフライは主にスペントパターン。アブドメンにはフォーム材を使いボリュームを出し、ウイングポストは主にCDC。認性と投射性を両立。このフライの凄みについては機会を改めて紹介したい。

 

曳地弘成さんのラインシステム

福島県在住。WILD-1郡山店勤務。シーズン中の休日はすべて釣りに充てるため、釣り場情報に非常に詳しい。福島を中心に、宮城、山形、新潟などを主に釣り歩く。https://www.wild1.co.jp/shop/koriyama/

 

森村義博さんのラインシステム

静岡県在住。狩野川がホームグラウンドといってよいだろうが、九州から秋田、北海道まで、車で(!)釣り歩く。大きな川でアップ、ダウン&アクロスなどポイントより自在にアプローチ。水生昆虫を常に意識して良型を手にする。

 

黒石真宏さんのラインシステム

古くから雑誌などに寄稿し、鋭い観察眼と情熱により生み出されたメソッドだけでなく、エッセイなども発表し続けている。今回は忍野のシステムだが、最近で中禅寺湖に通っている。最新エッセイ集は『鱒旅』。黒石商店より発売中

 

里見栄正さんのラインシステム

日本の渓流フライフィッシングを牽引してきたひとり。ティペットコントロールは変幻自在。シマノ・インストラクター。同社の低番手ロッドの監修も手掛けている。今や当たり前になっているルースニングの考案者でもある。

 

稲村喜久さんのラインシステム

群馬県在住。繊細な釣りが得意だが、最近はこのヤーンタイプのインジケーター「サイドワインダー」に凝っている。全長8~12cmあり、魚がくわえた時の抗も非常に小さい

 

吉田俊彦さんのラインシステム

2004、2005年に世界フライフィッシング選手権に出場。そこで出会ったチェコニンフを取り入れた。埼玉県環境アドバイザー、NPO法人バーブレスフック普及協会代表理事。バリバス フィールドテスター

 

中峰健児さんのラインシステム

ティムコ勤務。今回はニンフのライシステムを紹介していただいたが、湖の釣りにも明るい。サイエンティフィックアングラーズ社との橋渡し役でもあるので、ジャパンオリジナルのラインの充実は彼の功績が大きいはず

 

安田龍司さんのラインシステム

九頭竜川の河川環境改善を目差すサクラマスレストレーション代表。効果的なサクラマスフィッシングのメソッドを探求、公開してきた。本流全般のエキスパート。シマノ・インスラクター

 

正田博さんのラインシステム

群馬県在住。地元利根川だけでなく、長野県犀川、天竜川もホームフィールド。スイングフィッシングの名手。ここではラインシステムのみを解説していただいたが、使用するフライにも創意工夫が詰まっている

 

仲野靖さんのラインシステム

OPST R&Dスタッフ。強いアタリにこだわるスイングの釣り、いわゆるスカジットスタイルに精通し、同社のさまざまなタックルやツールの開発に携わる。北米のメソッドを日本でアジャストするべくフィールドへ通っている。

 

杉浦雄三さんのラインシステム

プロショップTEAL店主。バリバス フィールドテスター。本流のガイドやスクールも「釣らせる!」と好評。オリジナルのラインやリールなども販売しているhttp://www.teal-flyfishing.com/

 

柿沼健二さんのラインシステム

栃木県在住。キャプチュード開発テスター。本流や中禅寺湖に通う。スペイキャスティング・トーナメントでも実績あり。下の写真がランニングラインとシューティングヘッドの接続部分。同じ素材で接続したほうが強度が上がると感じている

 

菅野施公詞さんのラインシステム

神奈川県在住。山梨県桂川を中心に釣行し、40cmオーバーのヤマメを追い求める。ウエットでヤマメをねらうにはスイングよりも直線的に送り込むほうが有効ではないか、と考え実践。当然結果も出している

 

稲田秀彦さんのラインシステム

長野県在住。自宅からも近い信州の本流・渓流をホームグラウンドにしているが、最近は富山の渓流にも足を運ぶことが多い。ダブルハンドからマッチング・ザ・ハッチ、そしてソルトまで幅広く楽しんでいる

 

土谷勇次郎さんのラインシステム

湖でのスペイキャスティングは初期のころから実践しメソッドを煮詰めてきた。できるだけ遠投したいので、ラインシステムはきっちりとターンオーバーするバランスに仕上げてある。TSRフィールドテスター

 

森岡正さんのラインシステム

中禅寺湖だけでなく、大ものを求めて朱鞠内湖まで足を伸ばす。大型のフライを底ギリギリでリトリーブしてくるのは、単純なメソッドに思えるかもしれないが、実はキャスティング、リトリーブ、フライパターンなどさまざまな要素が問われる。埼玉県在住。

 

森田清さんのラインシステム

群馬県在住。キャスティングも熱い名手。現在は息子さんと一緒に楽しんでいる。ダブルハンド用のランニングラインはもともとホワイトで抵抗があったのだが、息子さんがグレーに染めたらとてもよい感じだったそう

 

山口直哉さんのラインシステム

キャプチュード代表。シーズン中の平日はほとんど中禅寺湖にいる。「現在開発中の10ft9in#5はドライフライはもちろん、シンキングのリトリーブの釣りにも対応。1本で中禅寺湖が楽しめるロッドになりそうです」

 

戸澤求さんのラインシステム

「シューティングスペイ」「デルタシューティングメソッド」を広め、湖の釣りを大きく変えた戸澤さん。最近はまた違う領域で楽しんでいる。しかし、キャスティングやロッドとラインのバランスを追求する姿は変わらず。

 

 

 

 

※以下の本誌からもご覧いただけます

書影をクリックするとアマゾンのサイトへジャンプします。

FlyFisher2021年Mid Summer

【特集】名手たちのリーダー&ラインシステム図鑑 渓流、本流、湖、ソルト、温水。47人の工夫とこだわり。

この釣りではとかくフライパターンに注目が集まりがちですが、フライを魚に届けるためのリーダー、ラインシステムも非常に大切な要素です。同じ対象魚をねらうのでも、フィールドが違えばフライと釣り方が違います。そしておのずとラインシステムも変わります。特に対象魚のバリエーションが広がり続ける中、名手たちの現時点でのシステムを整理してみました。ほか、朱鞠内湖のイトウの魅力、そして’マッドサイエンティスト’、ゲーリー・ラフォンテーンの名著『The Dry Fly』の第1章を掲載しています。


2023/5/16

最新号 2024年6月号 Early Summer

【特集】拝見! ベストorバッグの中身

今号はエキスパートたちのベスト/バッグの中身を見させていただきました。みなさんそれぞれに工夫や思い入れが詰まっており、参考になるアイテムや収納法がきっといくつか見つかるはずです。

「タイトループ」セクションはアメリカン・フライタイイングの今をスコット・サンチェスさんに語っていただいております。ジグフックをドライに使う、小型化するフォームフライなど、最先端の情報を教えていただきました。

前号からお伝えしておりますが、今年度、小誌は創刊35周年を迎えております。読者の皆様とスポンサー企業様のおかげでここまで続けることができました。ありがとうございます!


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