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Little Bell

忍野ノート2022

VOL.11 8月3日

佐々木岳大=文と写真
茂平橋から富士山を望むことのできる、新名床川合流点を釣った

《Profile》

佐々木 岳大(ささき・たけひろ) 1974年生まれ。神奈川県南足柄市在住。ホームグラウンドは地元の丹沢など。C&Fデザイン社に勤務。マッチング・ザ・ハッチの釣りのほか、ドライフライ、ニンフを使った小渓流の釣りも得意としている。
 

40℃を超える地域もあり、猛暑と呼ぶにふさわしい夏の一日、涼をもとめて夕方の忍野へ出掛けました。
[忍野フィッシングマップ:漁協駐車場前]に車を停めて、ドアを開けると…。暑い…。ブユが活発に動きまわる時間を考慮し、日除け効果のある速乾性の長袖を着てきたことを悔やむ体感温度です。


1投1尾

駐車場から様子を見ながら下流に歩いていると、たまに魅力的なライズが見受けられますが、すべて無視して歩を進めます。

日暮れまでの時間が長い季節とは言え、写真を撮影することの難しい、足場の高いポイントでハマってしまうと、この記事を書くことに支障をきたす可能性があります!
[忍野フィッシングマップ:茂平橋]通称:新名床川合流点、足場が低く、撮影やストマックの採取に苦労することの少ないポイントまで歩いてきました。

ポイント全域を見渡すことのできる茂平橋を渡りながら川面を見ていると、やってます、やってます。
いくつかの流れでライズが確認でき、根拠はありませんが、何か釣れそうな気がします!
高く伸びた草で身を隠せる位置でロッドをつなぎ、リーダーをフライラインに結び準備をしていると、川面をパタつきながら流されてくるフタスジモンカゲロウが目に入りました。ほんの数秒、何となく目で追っていると激しい水飛沫が上がりました!

「食われた!」と思いましたが、水飛沫の中から鮮やかなレモン色のダンがパタパタと飛びだし「残念でしたーっ」と思っていると、再び大きな水飛沫があがりバサリと捕食されました。

水面で時折パタつくフタスジモンカゲロウのダンを見ていたら食われた!

フタスジモンカゲロウのパターンとして絶大な信頼をよせているドライフライ

捕食された瞬間を見たからといって、簡単でないことは理解しているつもりですが、4Xのティペットにフタスジモンカゲロウのパターンを結びます。細いティペットが撚れやすいパターンなので4Xを選択しましたが「鏡のような水面なので、見切られるかもなぁ?」と思いながら、ライズしたマスに向かってアップクロスでそっとフライを投げ入れます。

一瞬、悩むそぶりを見せましたが、そっとフライを口にして沈んだので、面食らって合わせが少し遅れましたが、なんと!1投目で釣りあげることができてしましました

確かにフタスジモンカゲロウを捕食したマスを釣ったのに、ストマックからは出てきませんでした。ファイトの最中に吐かれてしまった?

さっそくストマックを確認しますが、アレ…? フタスジモンカゲロウが吸い出されません。極小のメイフライのシャックや、夏らしく小さなアント・インチワーム・ビートルなどが目立ちます。
ストマックの内容と、使用したフライを照らし合わせると、なぜ釣れたのかわからないぐらいの違いがあります。でも確かに、フタスジモンカゲロウを捕食したのを見たのです!

4投3尾

ストマックの内容に首をかしげながらも、間違いなく見たという確信があるので、フライ交換せずに釣りを続けることにします。
1投目で釣れて、調子にのったのか?
2投目は背後を釣ってしまいましたが、この日はミラクルが続き、なんとその後の3投目と4投目で連続ヒットです!

たまにはこんなご褒美を貰えることもあるんですね!嬉しい連続ヒットです!

2尾目のストマック、シャックが中心

3尾目はフタスジモンカゲロウのシャックだらけ!よく見るとイマージャーとスピナーも入ってる

ストマックを確認すると、フタスジモンカゲロウのシャックが主体です。
こんなことがあるから、深みにハマって抜け出せなくなってしまうんですね…。
その後もなかなかの好成績で、当たりフライを巻き足す意欲を高めての帰宅となりました。

今回の主役、フタスジモンカゲロウのダン

本流側と、支流側の水温の違いを物語る川霧

【使用タックル】

ロッド:R.L.Winston Air2 8’6” #3 4pcs
リール:Bauer RX-1
ライン:Epic Glassline DT-3
リーダー:10ft 4X
ティペット:フロロカーボン 4X
フライ:ツーフェザーフライ #12

2022/8/10

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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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