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Little Bell

忍野ノート2021

VOL.02 4月2〜3日

佐々木岳大=文と写真
水仙(気温の低い忍野の川岸も少しずつ春の彩が見られる季節)

忍草漁協管轄の桂川、通称「忍野」エリアのようすをレポートします。

《Profile》
佐々木 岳大(ささき・たけひろ)
1974年生まれ。神奈川県南足柄市在住。ホームグラウンドは地元の丹沢など。C&Fデザイン社に勤務。マッチング・ザ・ハッチの釣りのほか、ドライフライ、ニンフを使った小渓流の釣りも得意としている。




ストレートの甘くないライズ


【忍野フィッシングマップ:ポイント写真17】通称:自衛隊橋上流護岸上のストレート。
高い位置に浮いてライズを繰り返すヤマメを見ると、何か釣れそうな気がするのですが、気がするだけで、このポイントのライズはそう甘くはありません…。

最初の何尾かは比較的簡単に釣れる場合が多いのですが、いつもあとが続かず、最後は我を忘れて単調なアプローチを繰り返して玉砕することが多いポイントです。(ワタシだけ?)

簡単にはいかないと知りながらも、無視できないライズ


忍野に虹鱒がいてくれて良かった!全部ヤマメだったらなんて、考えただけでも恐ろしい!

この日も、あまりにも多くの鱒がライズを繰り返す圧巻の光景を無視することが出来ず、うっかり?このポイントに立ってしまいました。

目当ては群れの先頭でライズするヤマメですが、これがやはり簡単ではありません。
小型ながら引きの強い2尾の虹鱒を釣ったあと、フライ交換をするたびに、かなりオシイところまでいくのですが、しっかりと捕食させることができません…。

最終的にこのヤマメを釣るのに1時間近く費やしましたが、オレンジのCDCをバットにした#22のグリフィスナットで、何とか釣りあげることができました。

捕食物を確認すると、フックサイズ#22程の赤っぽいメイフライのショートウイング・イマージャーが集中的に捕食されていた様子がよくわかりますが、シャックやユスリカといった常食に交じって、この季節では少々以外な極小の甲虫やアントも捕食されていたのは興味深いところです。

毎回、本当に手こずらされる


ヤマメの捕食物。完全な偏食ではなく、雑多に食べてくれていたおかげで釣れた感が否めない…

興味深いストマックが抜けたこともあり、私は翌日も同じ場所を釣るべく、帰宅後に抜いたストマックをじっくりと観察し、フライを巻くことにしました。

実物とフックをならべてサイズを確認し、#22フックに赤っぽいショートウイング・イマージャーを模したRS2やCDCダン、そして#24のフックに甲虫とアントをタイイングして準備を整えました。

サイズ・シェイプ・カラー、サイズは最重要


6XのティペットにRS2を結んでいざ!と意気込んだものの…

ダメです、リベンジ失敗です。
週末という事もあり、ポイントには熱心に竿を振るフライフィッシャーの姿がありました。
昨晩、深夜までタイイングと妄想を楽しんだ影響で、完全に出遅れました…。

仕方がないので、少し上流の【忍野フィッシングマップ:ポイント写真16】通称:S字で竿を出すことにしたのですが、釣れたヤマメの捕食物は…??
またもや捕食物とヒットフライの関係性は微妙な感じです…。

捕食の中心は、縮れたウイングをひろげた状態で捕食されていたエラブタマダラと思われるメイフライに加えて、昨日の小さな赤っぽいメイフライのダンとスピナーがそれぞれ1つずつ。

釣れた理由はおそらく、「エラブタマダラの完全な偏食ではなかった事による幸運」という、
昨晩のタイイングと妄想は無駄にはなりませんでしたが、何となく腑に落ちない不本意な感じの否めない結果となりました。

CDCダンとストマック(またもやイマイチ納得のできない内容…)

次回の釣行は、エラブタマダラのフライを準備して挑みます!


[ 使用タックル ]
ロッド:Epic Fastglass 7’6” #4
リール:Bauer RX1
ライン:Epic Glass Line DT-4F
リーダー:7ft 4x
ティペット:フロロカーボン6X
フライ:グリフィスナット#22, RS2 #22, CDCダン#22など

2021/5/6

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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