昼間にメバルを釣る!
シーズン開幕! 新作フライだ
寺島亮嗣=写真と文メバルをトップで釣る。それも日が高くなった日中。タックルは、完全にフローティングタックル。ねらうサイズは20cm~尺まで。この釣りでは、メバルのフライフィッシングの常識を覆す光景が日々起こるのだ。
《Profile》
寺島亮嗣(てらしま・りょうじ)
1953年生まれ。福岡県在住。渓流とバスでフライフィッシングをはじめ、現在ではソルトウオーターまで幅広く楽しむ。特にサイトフィッシングの釣りが好き。FFIのインストラクターとして、福岡を中心にキャスティングスクールを主催している。
寺島亮嗣(てらしま・りょうじ)
1953年生まれ。福岡県在住。渓流とバスでフライフィッシングをはじめ、現在ではソルトウオーターまで幅広く楽しむ。特にサイトフィッシングの釣りが好き。FFIのインストラクターとして、福岡を中心にキャスティングスクールを主催している。
いよいよメバルシーズン開幕。2019年11月22日、いつもの島へ今シーズン3回目の釣行だ。
初めてメバルのトップを体験する遠来の友人を案内する形なのだが、前回までの2回は小型のメバルやカマスが釣れるばかりで、時期尚早といった感じだった。
海水温が高いのか、例年より遅れているのは確かだった。「釣れますよ、きっと」とは言ったものの見切り発車の釣行となった。
新作フライ
いつも同じ実績のあるフライばかりだと飽きるので、シーズン開幕には新作フライを取り混ぜたいところ。今年は、アメリカでよく作られているヨコエビパターンのフライを転用して巻いてみた。
日本ではあまり見かけないパターンだが、もしかしたらメバルに効くかもしれないし、巻くのに時間がかからない。そして、意外にも安定して同品質のものが巻ける。
フック:TMC212Y#11 ボディー:アントロンヤーン、ピンク LLニンフリブ:クリアー(ラーバレース社) コックネックハックル:ブラック コーティング:UVレジン テイル:ミッジフラッシュ(それに類するもの)
前回の釣行で、小型ながら圧倒的な釣果を引き出した。ピンク系なので小さいわりには視認性が高い。フックは軽く、水面直下のスローリトリーブが可能
フック:TMC212Y#11 ボディー:LLニンフリブ、イエロー(ラーバレース社) 足:オーストリッチ コーティング:UVレジン テイル:なし
色はリアルなヨコエビに似せて作ったつもりだが・・・・・・。リードフライを使うかアユ目印を使うが違反気味
フック:がまかつ、カン付波止3号 ヘッド部分:ワカサギミックスファイン テイル部分:エッグヤーン、イエロー、ホワイト アイ:3Dアイ、3mm
いつもの定番フライ。今年はテイル部分にエッグヤーンを使ってシルエットを小魚っぽくした。フックを重いものにして長く作ればアジ用のフライになる。それはそれでよし。アイは、ボールチェーンのほうが丈夫だが、ここはよりリアルにしてみた
釣れるでしょうか? まずは観察
当日は長潮。午前中の釣り予定で朝から正午にかけてだらだらと下げていく潮で、防波堤の右から左に流れていく。到着後タックルのセッティングが終わってまずすることは、潮の流れや水色を見ながら生命反応があるかどうか確かめること。できれば、防波堤の端から端まで見たほうがよい。
この時メバルの魚影が確認できたらベスト。ライズがあったらすぐに釣りとなるが、当日は魚影はごくわずかといった状況。やはりまだ早いのか……。
とりあえず岸壁側をねらってみよう
この釣り場は防波堤から離れたところに瀬が点在し、そこがすみかとなっている。メバルが浮いていない今は、そこを捨てて岸壁近くをねらった。すると、さっそく10cmくらいの小型が飛び出してきた。ストリーマーよりエビ系がよい。メバルは水面の小さなプランクトンを食べているようだ。
だらだらとヒットするが潮の流れは午前8時からずっと変わらない。釣れるのは小型ばかりが続く。仕方がないので防波堤の内側でアジとカマスを釣って盛り上がる。本命とは違うが釣れれば楽しい。
そうこうするうち、友人にヒット。なんと23cmほどの良型。下げてきた潮が止まりかけてきたタイミングだ。良型が浮いてきてライズがあったのでそれをねらったという。
潮止まり前後がチャンス。フライをチェンジ。
その後、皆さんに新作のヨコエビフライを結んでもらった。メバルは、ごくゆっくりとした水面上の生き物を捕らえる性質があるので、水面上のフライに興味を示す。
フライの動きに同調するように泳ぎ、食うか食わないかを判断する。その距離はときには5mにも達し、食うとなると瞬時にフライを吸い込み反転する。だから、フライの良し悪しが釣果に大きく影響する。
今回の釣行では、ヨコエビ系の新作フライが効果を発揮した。すべてフローティングシステムのサイトフィッシング。
遠来の友人全員が23cm級のメバルをヒットに持ち込んだのだ。シーズン開幕のまだ本格化していない状況としては満足。新作フライも働いた。シーズン本番が楽しみだ。
当日の使用タックル
ロッド:#5 9ft
フライライン:#5 WFコールドウオーター用
リーダー:4X 12ft ナイロン
ティペット:6X 80cm フロロカーボン
2019/12/2