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昼間にメバルを釣る!

第5回 戦略Ⅰ

寺島亮嗣=写真と文

メバルをトップで釣る。それも日が高くなった日中。タックルは、完全にフローティングタックル。ねらうサイズは20cm~尺まで。この釣りでは、メバルのフライフィッシングの常識を覆す光景が日々起こるのだ。

《Profile》
寺島亮嗣(てらしま・りょうじ)
1953年生まれ。福岡県在住。渓流とバスでフライフィッシングをはじめ、現在ではソルトウオーターまで幅広く楽しむ。特にサイトフィッシングの釣りが好き。FFIのインストラクターとして、福岡を中心にキャスティングスクールを主催している。

はじめに

 メバルといえば夜の釣りというイメージが定着し、どちらかといえば釣り雑誌の巻末が指定席だった。まあ地味というか限られた釣り人のちょっとした楽しみで、FFのメインストリームにはなりえない雰囲気は否めない。しかし、ここで声を大にして言いたいとかまえてもみるが、昼間にやれば価値観が変わる。メインストリームとまではいかずとも、2桁番号国道くらいには充分なりうる。


 さて今回は、その戦略だ。

 私が通うのは長崎県西端の離島から福岡県北部の離島まで。地域的に限定されてはいるが、そこで得られたデータから偶発的な要素をできるだけ排除した、汎用性のある法則性を持たせたいと考えている。つまり、ゲームとして成立するのかという課題をクリアしたいのである。つまり、「やりきれば、ねらって釣れる」ことを証明したいという思いで釣り続けてきた。その一定の成果がほかの地域で成立するかは読者の方の釣りの広がりを待ちたい。


1.大局的な潮の見方について

 長崎県壱岐水道から玄界灘にかけては、水深が浅く地形は入りくんでいる。そこを対馬暖流が常に北上し潮の流れは速い。それに日々の干満の差が合わさるところをからめて考えていく。そこで、大きな観点で考えていくと大潮後の中潮から小潮までがベストと考えてよいだろう。釣り場の地形や天候次第なのであてはまらないこともあるが、この時期の午前中は日光が照らし始める7時から11時くらいの間、上げ潮が5日ほど続くのでメバルの動きが読みやすい。また、午前中光量が少ない時に上げ止まり前後のタイミングが一致することが上げられる。その時は、細かい潮の動きにより海底がかき混ぜられ、メバルのエサのベースとなるプランクトンが水面まで攪拌された水流に乗ってくる。それをめがけてメバルがボイルしだす。

 中潮に続く小潮もよいが、それ以降の長潮はだらだらとした釣りになりがちだ。その後、若潮中潮大潮とめまぐるしく潮が変化しメバルの動きが読みづらい傾向にある。しかし、全く潮の動かない長潮でも強風で作られた流れで釣れたこともあるし、大潮でも沖めでボイルしまくった時もある。これは、九州北部の外洋の釣り場での傾向である。

潮の動きが止まり、水が澄んでいる状態

2.1日の潮の見方について

 いわゆる満潮干潮時の上げ止まりと下げ止まりの時は、魚の動きは鈍く底に沈んだり桟橋の影に群れたりすることが多い。

桟橋の影に群れるメバル。海に変化が現われ、魚が動きだすのを待つタイミングだ

 そのような時はのんびりするに限る。来るべき潮の動きだすチャンスを待つ。防波堤に座って海を眺めていれば何かしらの変化があり、魚も動きだす。メバル(それも大もの)が水面を意識するのは、上げ止まり前後か下げ止まり前後の時が多く、潮の流れが一定の時には数はたくさん釣れるが大ものは少ないのが傾向だ。これは、ある一定の基準でありそれぞれの地形や風の影響を勘案する必要がある。

3.上げ潮か、下げ潮か

 潮の流れが防波堤に向かっている時は、プランクトンが攪拌され、水面に泡が帯状に並ぶようになる。これに向かい風が加わるとなおさらよい。射程内に魚が押し寄せ一面ライズとなりビッグチャンスだ。では、上げ潮か下げ潮かだが、上げ潮のほうがねらいやすい。防波堤に当たった潮が防波堤の屈曲部分で左右に分かれ、大きな渦ができるようになる時がベストで水面でさかんにエサを追う。しかし、これにも例外があり潮の動きは日々変わるので下げの時にもこのようなことは起こりうるので、決めてかからないことも重要である。

堤防に潮が当たり泡立っているような時はビッグチャンスだ


 以上、潮について考えてみた。ここでのメバルは全てクロメバルの話。クロメバルは、潮によって行動が決まってくる。そして、ほかのメバルに比べて水面を意識し神出鬼没に群れで行動する。その群れは、小型の群れから大型までで、一様ではない。その中で大型の群れが水面に現われるチャンスは1日の中でもごくわずかな時間である。通い込んで大型の群れの行動を読むことが大事だ。

2019/9/10

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
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最新号 2021年6月号 Early Summer

渓流のドライフライ・フィッシング、ロングティペット・リーダーの名手として知られる渋谷直人さん。今号は彼の渓流フライフィッシングに対する、テクニックではなく、思考法を中心に語っていただきました。ここでいうテクニックとはほぼ運動能力と同義で、どうしても反復練習や経験が必要になります。しかし思考に関しては、知るだけで明日から役に立つはず。日本の渓流でヤマメ、イワナをねらうための金言、格言、ハッとさせられる言葉が並びます。
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「ドライフライ・フィッシングとは水面で行なうエサ釣りである」
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