「竹人たちの集まり」レポート 第1回

出展者インタビュー

FlyFisher編集部=写真と文

東京都の江東めぐみ幼稚園で11月18日、19日の2日間開催された「竹人たちの集まり」。バンブーロッドやハンドメイドリールを試投できるイベントとして当日も多くの竹ザオファンが来場しました。今回は出展したビルダーたちへインタビュー。その模様を3回に分けてレポートします。

「竹人たちの集まり」は浅草のフライショップ、つるや釣具店の主催。普段あまり手に取って見るチャンスの少ない国内ビルダーのバンブーロッドを、ビルダー本人の解説を聞きながら実際に投げてもらおうという趣旨で、毎年オフシーズンの時期に開催されています。

「このイベントは、とことんマニア向けにしてみようと思い、始めました」と話す、イベントを企画した同ショップの山城良介さん。当日、ビギナーがロッドを選ぶ時の判断基準を教えてもらおうと「バンブーロッドの見立て方」について、コメントをいただきました。

さらに、この日出展したビルダーたちに、自身が製作するバンブーロッドの特徴を解説してもらいました。第1回目は、「Omura Rod」、「Bum Rod」、「kobaのこうば」を掲載します。

イベントを企画した、つるや釣具店の山城良介さん

「バンブーロッドを選ぶのは正直簡単ではないところがあります。それは、見た目はきれいでも、アクションなど機能面が自分に合っていないと、道具として成り立ちませんからね。

逆に見た目がよくなくても、ビギナーに向いたよいロッドもあるわけですし、高いものがよいものとは限りません。もちろん安いから悪い、ともいえないんです。

バンブーロッドの知識がほとんどない状態で最初の1本の選ぶとするならば、まず“ビルダーのキャリア”を知ったほうがよいと思います。少なくとも10年以上プロとして続けられている人ならば、それだけファンもいるということですし、経験値という面でも安心できると思います。

あとはショップに相談するのが一番近道です。その人の釣りに合ったものを紹介できると思います。それが釣り道具屋の役目でもあります」

Omura Rod (大村 善之さん)


DATA
工房所在地:岩手県宮古市西ヵ丘4丁目14-3
WEBサイト: http://www.omurarod-iwate.sakura.ne.jp/
ビルダー歴:13年
得意としている長さ:13フィート以下
主なラインナップ:6フィート6インチ3番~13フィート9番
メインの価格帯:14~24万円

ダブルハンド・ロッドも製作しているので、それを使ったサクラマスの釣りにも頻繁に足を運ぶという大村善之さん。
「ネイティブのトラウトをねらう釣りに使っていただければうれしいです」



【ビルダーコメント】
製作しているバンブーロッドでは、カーボンフェルールを使用しており、軽さを意識したテーパーデザインとなっています。

また、シャフトは暴れが起きにくくなるように、独自の方法で木工用の樹脂を含浸させています。素材はトンキンケーンを使用しています。

ダブルハンドやスイッチロッドの場合は、釣りをしている最中の疲れを軽減させるために、リアグリップに、使用するリールに合わせたオモリが入れられるようになってるのが特徴です。

個人的には13フィートがバンブーとカーボンロッドを使い分ける境目だと思っており、13フィート以下のバンブーの特性を活かしたロッドを作っています。スカンジナビアンスタイルのラインよりも、スカジット系のラインがマッチします。




竹に接続された中空のカーボンフェルール

ダブルハンドのグリップエンドに埋め込まれた金属バランサー



Bum Rod (小竹 英信さん)


DATA
工房所在地:三重県伊賀市阿保331-2
WEBサイト: https://www.bumrod.jp/
ビルダー歴:9年
得意としている長さ:5~8フィート
主なラインナップ:6フィート6インチ2番~8フィート6インチ7番
メインの価格帯:10万円

好きな釣りは渓流のドライフライ・フィッシング。湖や本流の釣りも楽しんでいる小竹英信さん。
「どんなフィールドでも、道具としてガンガン使ってください」



【ビルダーコメント】
シャフトの断面形状にこだわっています。変形6角、8角、9角です。

また、素材は国産の淡竹とトンキンを使い分け、ガイド以外のパーツはすべて内製しています。プレーニングフォームも専用のものを用意しています。

まず変形6角ですが、正六角形のシャフトよりもブレが少ない構造になっています。そして9角は空気抵抗の軽減を目指してデザインしました。8角はその中間の性能という位置付けです。両方のいいとこ取りとでもいいましょうか。

もともと私は会社で自動車の空気抵抗を計算する仕事をしていたので、これらの数値は正確です(笑)。アクションはファーストからミディアムといえると思います。お客様からのオーダーを受けて製作することが多いですね。ホームページもありますので、そちらもご覧ください。


ストリッピングガイド以外はワンフット・ガイドを採用

(左から)変形6角、8角、9角の断面構造





kobaのこうば (kobaさん)


DATA
工房所在地:工房所在地:群馬県
WEBサイト: http://www.kobasfactory.jp/
ビルダー歴:17年
主なラインナップ:5番までのフライリール
メインの価格帯:3~4万円

最も好きな釣りは渓流のフライフィッシングだというkobaさん。
「このリールを使って釣りを楽しんでもらえればうれしいです」



【ビルダーコメント】
フライリールのガレージメーカーです。コンピューター制御ではなく、マニュアルの機械でネジも含めたすべてのパーツを作っているのがこだわり、というか特徴です。

フライリールは多分に工業製品じゃないですか。でも、私たちはそういうものよりも、お気に入りの道具で遊ぶことをお手伝いしているという感じです。名入れも承っているので、御祝品としての注文もありますよ。

販売しているのは、カタチはある程度限定させていただいて、幅、素材、細部のデザインなどをカスタムしたリールです。もちろんリールを回転させた時のサウンドにもこだわっています。

個人的にはバンブーロッドには小型のリールがマッチすると思っていますし、リールは「短足」なほど格好よいと思っています。

リールの部品は全て、マニュアルの機械で製作されている



クラシカルな外見ながら、こんなカスタムもあり

ネジ1本から製作し、組み上げて作られるkobaリール

次回
「竹人たちの集まり」レポート第2回
「Takemoto Rod」、「KAKUHIRO ROD」、「Barada Rod」のレポートは、
2017年11月29日(水)にお伝えいたします。

2017/11/27

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
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