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「竹のクラフト展」レポート 第1回

ビルダーたちに聞きました。

FlyFisher編集部=写真と文

東京都の昭和記念公園で12月2日、3日の2日間、「竹のクラフト展」が開催されました。バンブーロッドを中心に、ハンドメイドリールなどが並び、実際にラインを通して試投できるこのイベント。今回は12月3日に出展したビルダーたちに、自身が製作するタックルについて聞きました。3回に分けてレポートします。

「竹のクラフト展」は、バンブーロッドやハンドメイドリールのビルダーたちが、自分たちで企画した展示イベント。試し振りなどのチャンスが少ないロッドが手に取れるイベントとして開催しており、今回で6回目を迎えます。

まずは、自身も「Suzuki Bamboo Rods」を手掛けるビルダーであり、イベントの取りまとめ役も務める鈴木哲也さんにお話を聞きました。さらに、この日出展したビルダーたちに、自身が製作するバンブーロッドの特徴をインタビュー。第1回目は、「KINEYA TACKLE MAKER」、「Grass Field」、「Kurihara Rod Craft」を掲載します。

「竹のクラフト展」をまとめるビルダーの鈴木哲也さん

最初は、私の地元立川で、バンブーロッドの試し振りができるイベントを開催したいと思ったのがきっかけです。

そこでほかのビルダーさんたちにも声をかけ、開催が実現しました。今はハンドメイドリールのメーカーにも出展いただいています。

バンブーロッドは、やっぱり振ってみなければ分かりません。見た目(コスメティック)やブランドイメージも重要ですが、最終的には自分に合ったアクションのものを選びたいですね。

そこで、こうしたイベントで自分の釣りスタイルに合ったロッドを見つけてもらえればと思っています。

しかし好みの1本の捜し方がいまいち分からないという方は、まずは好きなデザインで選べばよいと思っています。

そこで、ビルダーに自分が普段している釣り、してみたい釣りを伝えて、それに合ったタイプのアクションを見つけてもらうのが近道です。そして、実際にラインを通して試し振りをしてみることです。

そんな形でイベントを利用していただければと思います。イベントは来年も開催予定ですので、今後も出展者を増やしていきたいですね。

KINEYA TACKLE MAKER (奥井 正敏さん/末武 慶さん)


DATA
工房所在地:京都市右京区京北
WEBサイト: http://kineyatackle.com/index.html
ビルダー歴:約24年
主なラインナップ:低番手を中心に各サイズ
メインの価格帯:3~15万円

「自分の楽しんでいる釣りに使っていただければと思います」と話す、この日ブースを担当した末武慶さん


【メーカーコメント】
”当たり前の機能”が備わったリール作りを行なっています。

ハンドメイドのカスタムリールですが、それを気に入ったお客様が、使ってくれています。

フライリールの世界でも、よいものを作れば、あとは勝手に製品が独り歩きしてくれると思いますので、これからもそうしたタックルを作っていきたいですね(奥居)

バンブーロッドに合わせたいデザイン

ハンドルにも遊び心

丈夫な布地で作られたリールポーチも「KINEYA」製


古典的ながら、新しさも含むKINEYAリール

Grass Field (草野 信一さん)


DATA
工房所在地:福島県いわき市内郷宮町代133
WEBサイト: http://grassfield.sakura.ne.jp
ビルダー歴:17年
得意としている長さ:6フィート台
主なラインナップ:6フィート3番~7フィート6インチ4番
メインの価格帯:12万円~

「4ピースモデルも作っているので、山岳渓流のイワナ釣りなどにも使ってください」と話す、草野信一さん。シーズン中は小渓流のイワナ釣りを楽しむことが多いという


【ビルダーコメント】
ソリッド構造を採用し、スローアクションのものがメインです。とはいえアクションに関しては、スローなもののほかに、バットが強いタイプなど、両極端のものも製作しています。たとえば携帯性に優れた4ピースのショートロッドなどですね。

素材は、しなやかな印象が強く打ち出せる、真竹をメインに使用しています。ルアーロッドも製作していますが、こちらはトンキンがメインです。リールシートや金属パーツなども自作しています。

自分自身小渓流の釣りが好きですので、そうしたフィールドを楽しんでいる人にもぴったりなロッドを多数ラインナップしています。



ブランクには小・中規模の渓流で一般的な距離を釣るために充分なパワーを持たせている

金属パーツも自作。こちらもオリジナルのフェルール


Kurihara Rod Craft (栗原 博行さん)


DATA
工房所在地:埼玉県深谷市東方4321-9
WEBサイト: http://kurirod.com/
ビルダー歴:17年
得意としている長さ:ラインナップ全般
主なラインナップ:5フィート11インチ~14フィート
メインの価格帯:9~18万円

「ガンガン使える釣り道具として、楽しく使ってもらいたいですね。」と話す、栗原博行さん。本流、ダブルハンドのウエットフライが好み


【ビルダーコメント】
特に、ロッドの精度と調子にはこだわって製作しています。なかでもアクションはパラボリックなものが多いですね。

ロッドの構造は基本的にソリッドです。バンブーロッドのキャスティングでは、重いものが動く時のトルクを活かしたいので、ソリッドを採用しています。軽い中空ロッド比べると、こちらのほうがより力を入れずにキャスティングできると考えています。

素材は強度を重視してトンキンを使用しています。低番手からダブルハンドまで、さまざまなスペックを揃えているので、幅広い釣りに使ってほしいですね。


ソリッド構造のトルクを活かしたブランク

シンプルに、美しく仕上げられたフェルール


トンキンを使用したパラボリックなアクションがメイン

次回
「竹のクラフト展」レポート第2回
「Suzuki Bamboo Rods」、「竹竿工房JADE」、「Nagatani」のレポートは、
2017年12月13日(水)にお伝えいたします。

2017/12/11

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