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忍野ノート2020

11月29日開催、清掃会

佐々木岳大=文、FlyFisher編集部=写真

《Profile》
佐々木 岳大(ささき・たけひろ)
1974年生まれ。神奈川県南足柄市在住。ホームグラウンドは地元の丹沢など。C&Fデザイン社に勤務。マッチング・ザ・ハッチの釣りのほか、ドライフライ、ニンフを使った小渓流の釣りも得意としている。


今年は新型コロナウィルスの影響もあり、過去継続的に行なわれてきた「忍野桂川河川清掃会」を、例年どおり参加協力の告知を行なって開催することができなかった。

しかしながら、シーズン中から「忍野フィッシングマップ:テニスコート裏」の川底に沈んでいた、おびただしい量の空き缶は目に余るものがあり、このポイントのゴミだけでも今年中に何とかしたいと考え、11月下旬に有志7名のみで川底の清掃を行なった。



用意していたマジックハンドや網で、目に入る空き缶や空き瓶などのゴミを、片っ端から回収した。

一度立った位置で、移動しなくても回収するゴミに事欠かないほどの量である。



なぜこの場所にだけ、これほどのゴミ(空き缶)が投棄されたのか?

回収した空き缶の種類から推測すると、以前にこの場所よりも上流で投棄されたものがここまで流され、長年溜まって砂に埋もれていたものが、昨年秋の台風19号の増水により目視できるようになったようすである。


コカ・コーラの回収した空き瓶にはアトランタオリンピック(1996年開催!)のロゴが入っていたが、この瓶よりも明らかに古い、同様の瓶も多く回収した。

清涼飲料水の空き缶も、自分が物心ついた頃のデザインが多数あり、いつ頃のゴミなのかは容易に想像がついた(一部、真新しいゴミがあったことも無視できない)。

この場所は、忍野にしては流速のあるポイントの下流で、ちょうど流れが緩やかになる都合でゴミが溜まりやすいのは事実だが、それにしても……という量に驚きを隠せない。


釣り人のゴミ


事実、釣り人の出したゴミはある。

ゴミの大半は地元のものだとか、観光客の捨てたゴミの量がすごいだとか、きれいごとを言っても何も解決はしない。

問題は木の枝にとられたラインやフライで、落ちているゴミのようにいつでも容易に回収できないうえに、非常に危険であるという認識が必要かもしれない。


グロテスクな画像で恐縮だが、今回は木の枝にとられた、フライフィッシャーのロストしたフライを口にしてしまい、そのまま絶命したコウモリの死骸を目にした。


以前には、コウモリ以外の野鳥が同様に絶命しているものを、何度も見た経験がある。

フライフィッシャーが、ゴミを捨てている認識でフライをロストしているわけではないことは重々理解しているが、釣り人がこのような光景を目にすれば、誰もが罪悪感を覚えるのではないだろうか?



自分たちの責任において、この問題の対策を講じる必要を強く感じずにはいられない。

シーズン中、清掃活動により自分の釣りを邪魔されるのは面白いことではないことも承知しているが、フライフィッシャー全体で、いつでも誰もが「清掃できる雰囲気づくり」を共有できる時代が求められているような気がしている。


サッカーなどのスポーツにおいては、競技終了後にスタジアムの清掃を行なう国民として、世界的に称賛されることもある国民性を持つ日本。

その景観が世界遺産・富士山の「世界文化遺産・構成資産」として登録され、次世代に引き継ぐ義務のある場所となっている忍野桂川に多量に投棄される様々なゴミ。

はたして、私たち日本人の本当の国民性はどちらなのだろうか?

どちらがよいか、全ての日本人とは言わないが、全フライフィッシャー共通の認識として、答えが明白であると信じたい。

以下は、河川清掃であると便利なアイテムを忘備録として残します。

●マジックハンド
川底のゴミを回収するのに必須。
今回、ケーオーデーツーのプライベートブランドとして販売されていた、1本¥200以下の物を人数分購入した。
ウエーディングスタッフ的な使い方もできるので、安全面でもあったほうがよい。

●網
忍野を釣るフライフィッシャーの多くが使用している、釣具の量販店で販売しているようなものを使用。
マジックハンドと併用して使用するのであれば、柄の短いもののほうが使いやすいかもしれない。

●農業用のビニールグローブ
水深のある場所で、上着の袖を、肘くらいまで濡らさずに済む。

●脚立
軽量な物があるとよい。
回収したゴミは水分もあって重たいので、脚立がないと陸地に上げるのに苦労することになる。

●ゴミ袋
忍野村役場でご提供いただいたが、麻袋のようなもので、流れの中で水が溜まらないので便利。空き缶が朽ちていて鋭利な部分も多いので、普通のビニール製は向いていない。



2020/12/17

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