トーナメント生まれのキールパターン。
管理釣り場のフッキング率向上フライ
樋口智昭=解説
コツ、コツ……という管理釣り場の小さなアタリ。いつも見逃していたこんな反応も確実に捉えることができれば、釣果はもっと増えるはず。そんな悩ましい状況を打破するために考案された、ビーズヘッドの取り付け方を工夫したキールパターンを紹介。
この記事は2013年1月号に掲載されたものを再編集しています。
《Profile》
樋口 智昭(ひぐち・ともあき)
1970年生まれ。ティムコ社に勤務しながら、管理釣り場で開催されている各トーナメントヘ参加し、好成績を収めている。いかにしてスレた魚を掛けるかというテーマにも熱心で、そこから生まれた独創的なアイデアを、フライバターンに反映させている。
樋口 智昭(ひぐち・ともあき)
1970年生まれ。ティムコ社に勤務しながら、管理釣り場で開催されている各トーナメントヘ参加し、好成績を収めている。いかにしてスレた魚を掛けるかというテーマにも熱心で、そこから生まれた独創的なアイデアを、フライバターンに反映させている。
フォールで誘うシンプルで丈夫なバターン
「サボテンマラブー」と同じく、トーナメントで好釣果を出してくれるのが、樋口さん自身開発に携わったマテリアルである、『トラウトガム』を使用したパターン。こちらも同じ溝の入ったビーズ(『TMCタングステンビーズプラス』)を用いてフォールの姿勢を安定させることで、シャンクにビーズを通したものよりも、よりよい反応を得られるという。
タイイングのポイントはビーズをシャンクの中央に取り付け、かつトラウトガムがなるべく直線状になるように留めるということ。そのため樋口さんは、ビーズを覆うようにマテリアルを取り付けるのではなく、トラウトガムに裂け目を作り、その間にビーズがはまるようすることで、全体がより直線的なシルエットになるように工夫している。
さらに、これによりビーズがシャンクの左右にずれるのを防ぐこともできる。「シンプルで、多くの魚を掛けても壊れにくいフライが理想」というこだわりも反映された1本だ。

●フック……TMC2487G #10
●スレッド……6/0・ブラック
●ビーズヘッド……TMCタングステンビーズプラス (バッキングライン201bで固定)
●ボディー…トラウトガム(フラッシュスケールカラー)
おすすめの使い方は、おもにフォールで食わせるため、リーダー・ティペットを長め(全長で16~18フィート)に取って、フォールする角度を緩やかにして誘うというもの。インジケーターを付けてもよいが、支点ができることでフォール角度が急になってしまうため、樋口さんはフライライン先端の動きでアタリを取っている。
なお、リトリーブする時はできるだけゆっくり引くのがよい。引っ張った後にしばらくストップを入れるなどして、フォールと組み合わせて誘うのも効果的だ。
トラウトガム・パターン。タイイングの手順









2018/12/7