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ジグニンフのシステム

「特集ラインシステム」補足編

中峰健児=写真と文


※各ラインシステムのイラストは『FlyFishier MAGAZINE 2021 Mid Summer号』(2021年7月発売)をご覧ください

大型ニジマス攻略のために


このラインシステムは主にキャッチ&リリースのフィールドで大型ニジマスを攻略するために考案したもので、タングステンビーズとTMC403BLJやTMC413Jといったジグフックを使用した「ジグニンフ」を使うことを前提にしたシステムである。一般にこの手の釣りは「ヨーロピアンニンフィング」などと呼ばれるが、個人的には現地のシステムや釣法を学んだわけではないため、単に「ジグニンフの釣り」と呼んでいる。

自分のホームグラウンドといえるのは栃木県那須塩原市の箒川で、ねらう水深は40㎝~1.5m程度の深さとなる。上流部にありながら中~大規模な渓流相で、瀬やプールが連続し変化に富んでいる。その中で私がこのシステムでねらのはやや流れの速い深瀬や淵尻のカケアガリ、さらには岩盤底のスリットの中といったポイントで、流れの緩い大きなプールではこのシステムでは釣りにくい。そういったポイントは浮力のあるインジケーターを使った釣り方のほうが向いているであろう。

使用するフライは前述の通り「ジグニンフ」がメインである。フックサイズとしては#12〜14が90%を占めるが、冬季など水生昆虫が小型化する時には#16~#18が効果的な場合も多くある。

ビーズにはTMCタングステンビーズプラスのように、必ずタングステン製でスリットが入ったものを使用することにより、フックアイの下のクランク部にピッタリと収まるためタイイングが容易で、またフックポイントが甘くなった時などはフックを折ればビーズのリユースも可能となる。

ニジマスが高活性な初夏から初秋はこの#12〜14のジグニンフを積極的に食ってくるためアタリは明確でダイレクトな釣りが楽しめる。その場合、ジグニンフ単独で使用したほうがティペットが絡むなどのトラブルは少ない。それに対し春先や秋口~冬季にかけて小さなフライしか口にしないときはトレーラーシステムを多用する。


フライのバリエーション


トレーラーフライには#16~20の小さめのニンフ(マイクロニンフ)を結ぶ。それもビーズありとビーズなしの両方を用意し、コカゲロウなど小型昆虫の流下が見込まれるときはビーズなしを選択し、そういった流下がない低活性な時はビーズありのフライをきっちり沈めて鼻先に送りこむようにするとよい結果が得られることが多い。

一部のニジマスは秋産卵をするため、そのころには#18などのマイクロエッグが効果的なこともある。エッグのマッチザハッチ(ベイト)的使い方だ。マイクロニンフは小さければ何でもよいというケースが多く、それほど多くのカラーバリエーションは必要ないように思える。あえていえばグレーで巻いておけば事足りることが多い。

カラーバリエーションよりサイズ感の方が重要で、同じ番手のフックでもロングシャンクとショートシャンクではフライの全長が異なるため、番手より実寸でバリエーションを持っていた方が良い。

ジグニンフのサイズや色についてだが、#12と#14の2サイズがメインとなる。そしてそれらのフックサイズとビーズサイズの組合せにバリエーションを持たせたほうがよい。2フックサイズ×2ビーズサイズ(主にTMCタングステンビーズプラスのMとLサイズを使用)=4バリエーションとなり、さまざまな水深や流速に対応できる。それにさまざまなカラー(ブラック、グレー、ブラウン、オリーブ、タン、ピーコックなど)を用意したほうが対応力は高くなる。


サイターティペットによる進化


このシステムに至ったのはSAから「サイターティペット」が発売されてからである。それまではティペット部を今より3フィート長くとり、水深に合わせてストライクディテクターをごく少量細めにつけて目印として使っていた。ただし見える範囲でどれだけ細くつけてもやはり風の影響は受けやすくドリフトが安定しないこともあった。サイターティペットを使用してからは風の影響を受けにくくなったとともにティペットの入射角も見やすくなった。このティペットの入射角の管理が「底層でフライをナチュラにドリフトする」ということに重要なファクターとなる。


後付けのインジケーターから固定式のサイターティペットに変わったことによるメリットは前述のとおりだが、その反面、ティペット(6X部分)の長さの管理が非常に重要になった。サイターティペット部が水面ギリギリ~20㎝程度上にあるのが理想で、水面から上になりすぎるとシステムの重量バランスが悪くなり、水中に入ると太いサイターティペット部が表層の早い流れの影響を受けやすい。そのため水深や流速によってティペットの長さをこまめに調整する必要がある。この点が実は釣果に最も直結する重要ポイントだと思っている。サイターティペットの下にティペットリングを装着したのはティペットの交換が容易に行ないやすいようにするためでもあるのだ。


ティペットはほぼ6X


最後にティペットの太さについてだが、開けた箒川ではほとんどの場合6Xを使用している。これで60㎝アップのニジマスも充分キャッチできる強度がある。ノットが甘くてアワセ切れしたり、短いトレーラーのティペットが瞬間的に切れたりすることはあっても、魚とのやりとり中にメインティペットが切れたことは一度もない。フライキャスティングらしいキャストをしないためキャスティング中にティペットが傷むことはほぼないためだ。

この6Xという太さは「スプーキーな魚に見切られないため」という意味はほとんどなく、「重く深い流れでも流水抵抗を受けずにジグニンフを速やかに沈めるため」という意味が大きい。そのためねらうポイントが浅ければ逆に太くしても構わない。

北海道の小河川でこの釣りをした時は、かけたニジマスをブッシュに潜らせないように走りを止める必要がありティペットを4Xから最後は3.5Xまで上げた。その場合リーダーに相当する部分は2Xとした。フィールドの状況に合わせてティペットサイズを決定し、その2サイズ位上の太さのフロロティペットをリーダーとするとバランスが取れるだろう。

2021/10/20

つり人社の刊行物
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初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2021年12月号 Mid Autumn

【特集1】水中を釣る、15の視点
【特集2】シンキングラインカタログ

今号は「水中の釣り」の特集です。ウエットフライ、ニンフ、湖のストリーマーと14人の考え方と釣り方、そしてシンキングラインのカタログを掲載しています。
現在、単純に「ウエットフライの釣り」と使うフライの種類で釣り方をカテゴライズすることができなくなってきました。そこで、名手たちに実際に行っている釣り方とそれぞれの考え方をお聞きしたところ、「スイングの釣り」に対して「縦の釣り」と大きく2つに分けたほうがイメージしやすいことが見えてきました。さらには「縦の釣り」も「送り込みの釣り」「ナチュラルの釣り」「トレースの釣り」など微妙に違うメソッドが確立されているようです。
ニンフはルースニングとヨーロピアンニンフィングの考え方、そしてルースニングとアウトリガーのハイブリッドとも呼べるような「ヤッチーニンフ」、湖では、底ベタを釣るレイクトラウトフィッシングを取り上げました。
また、前号で反響が大きかっったゲーリー・ラフォンテーンの「The Dry Fly」についての各エキスパートの感想記事にもページを割いています。


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