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WET OR STREAMER?

ウエットとストリーマーの違いを明確にする

杉浦雄三=解説
タックルの低番手化もあり、
ダブルハンド、もしくはスイッチロッドで本流の大型トラウトをねらう人が増えている。
フライは「ウエット」と「ストリーマー」の大きく2種類が使われているが、
その特徴や使い分けはあるのだろうか?
杉浦雄三さんに聞いてみた。

さあ、本流も解禁します!

杉浦雄三 すぎうら・ゆうぞう
愛知県高浜市でフライフィッシングのトータルサポートを行なうショップ「TEAL」を運営。クロダイをねらう海のサイトフィッシングも得意だが、犀川、高原川など中部地方の本流釣りにも詳しい。ここ数年はカナダに足を運び、スティールヘッドをねらっている。
●TEAL www.teal-flyfishing.com

ウエットフライで手にしたブラウン(上)と、ストリーマーで釣ったレインボー(下)。2種類の釣りの違いを明確にして使い分けることで、本流釣りをもっと楽しめる!

ウエットとストリーマーは明確に違うもの


ーー そもそも何が違うのでしょうか?

杉浦:僕の考え方という前提はありますが、まずはウエットとストリーマーはまったく違うものと考えてください。これをごっちゃにしてしまうと混乱してしまいます。

単純に、ウエット=虫、ストリーマー=ベイトフィッシュ、という考え方でいいと思います。ヒゲナガなどは違いますが、基本的に虫は川の流れにそって流されますが、ベイトフィッシュはプールなどひらけた場所だったら、横方向に泳いで逃げたりもしますよね。釣り方もそれを意識しています。

まずはウエットフライからいきましょうか。

水生昆虫やテレストリアルをイミテートしたモノで、ウエイトも軽くサイズも小さめです。

ブラックウイング・セッジⅡ(#8~10)は、大きめのクイルウイングで、水中でトリッキーな動きをさせることをねらったパターン。#10前後の本流として小さめのフライながら、大きなアピール力を持つ。タイイング動画はこちら。「杉浦流 簡単ウエットフライ・タイイング

考え方としてはライズの釣りや、ドライフライの釣りと同じです。魚がいる場所をある程度ピンスポットで想定して、そこにフライを送り込んでパクッと食わせるイメージですね。もちろんドライフライのように魚が食いつくところは見えませんが、水中で起こっていることは同じだと思います。

ウエット=虫と定義することで、釣るポイント、流し方がより具体的にイメージできるはず

この、フライを送り込むことを僕は「縦のレーンで釣る」と言っていますが、流れのヨレの筋をねらっています。そのピンスポットの1mとか2mのレーンを流れに沿って送り込んで釣ります。

状況に応じて臨機応変に対応することも大切ですね。表層から底まで、虫の流下するタナとレーンを常に意識するとよいと思います。

ねらうスポットが自分の下流30度にくるように立ち位置も調整します。

ストリーマーはスイングさせる


ストリーマーはこれとは違って、流れを横切らせるように、扇状にスイングをさせて釣ります。魚には、フライに興味を持たせて横に追いかけさせて食わせる、という感じですね。

「カジカゾンカー(#4)は、マラブ―でボリュームを持たせたボディーがわずかな水流でもしっかりと泳ぐカジカパターン。大きなヘッドがより水流を受けやすくしている。タイイング動画はこちら。「杉浦流 簡単ウエットフライ・タイイング

カジカ、ウグイ、オイカワ、アユなどの小魚をイミテートしたもので、ウエイトもしっかりと入ってますし、5㎝前後の大型のものが多いです。

ストリーマーをくわえた魚たち。スイングさせて誘う

だからストリーマーは、とにかく大きく広く探ることが重要なんです。

しっかりとタナをとり、そのまま自分がの岸に来るまで最後までそのタナをキープすることを心がけます。その時に最も注意するべきはスイング速度です。始めから最後まで、スイング速度が一定を保ちます。そうすることによってフライの泳ぐ姿勢をバランスよく常に見せることができるからです。魚が諦めない速度でスイングさせることも重要です。

ーー こちらはあまり難しいことを考えなくてよさそうですね(笑)。

キャストの距離、タナなどを一度決めたら、あとは機械的に正確に釣っていくだけです。その時に隙間なく釣っていくためにステップダウンの幅も重要ですよ。

基本的にはワンキャスト・2ステップダウンで釣り下っていきます。このステップダウンの幅も、一度決めたらしっかり守ることで正確でかつ隙間なく釣ることができます。これがストリーマーフィッシングで最大のコツだと思います。

時にはフライラインを引っ張りトゥイッチさせることで食いつかせるきっかけを与えることもします。ストリーマーの場合、威嚇行動での反射食いもねらえますので。


ーー そうなるとねらうポイント形状は違ってきそうですね。

杉浦:ウエットフライのレーンで、最も狙うべきポイントは、底石やカケアガリの影響で流れに緩急や落差があるポイントです。なのでランの前半から真ん中までが主なポイントとなります。水深は50cm~1.5mくらいでしょうか。

ウエットフライの典型的なポイント例。石が大きく、変化に富む流れ

それに比べてストリーマーは、川幅に対して流れの速度が一定で、水深もある程度一定な場所で有効です。。水深も1.5~3mがベストですね。

こちらはストリーマーのポイント。流れも水深も一定。大きくフライをスイングさせてトラウトに追わせる

ウエットでもストリーマーでも、フライは魚の上を通ってくればいい、と考えています。ベタ底でなくても大丈夫です。

適材適所で使い分ける


ーー それぞれ有効な季節はありますか?

杉浦:ウエットフライは、主に水生昆虫が活発にハッチする春、そしてテレストリアルが流れる初夏、そしてまたハッチが始まる秋です。でも真冬でも雨の影響で雪代が入り増水して時などは水生昆虫が大量に流れるため、ウエットフライは有効な場合があります。もちろんその季節に釣りをしてよいフィールドに限りますよ(笑)。

テレストリアルが流下する初夏、ウエットを送り込むと……

ストリーマーは解禁当初の極寒の真冬。水生昆虫などがあまり活発でない時期がベストです。そして夏、アユの季節も有効です。それから産卵時期の縄張り意識が高い秋にも有効なタイミングがあります。

この体型! 小魚をたらふく食べてるのか?

杉浦さんのメソッド解説動画はこちら!
DOTS & LINES

ーー ラインやロッドなど、タックルは違いますか?

ウエットフライとストリーマーの流し方概念図。ウエットは縦、ストリーマーは横、とイメージするとわかりやすいかもしれない

杉浦:これは釣り方、というよりも時期や状況にとるところのほうが大きいですね。水が多い時期ならラインは8番、水が少ないところは5番、といったぐあいに選択します。

トラウトたちは水温、水位、天候などでそれぞれのベストなポイントに入っているはずなので、それに合わせて釣ることが重要だと思います。



2018/2/12

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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

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共鳴するウエットフライ
エキスパートが実践していること

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