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シューティングヘッドのベーシック 2/2

快適に扱うためのコツ

望月 和美=解説
リトリーブ時の基本姿勢。ロッドティップとラインは一直線に保つ

コンパクトな動作でロングキャストができ、ポンドタイプの管理釣り場でも便利なシステム。フルラインとはちょっと違う、ロッドの振り方やラインの扱い方を覚えていれば、フィールドに着いても迷わない。今回は、より快適にシューティングヘッドを扱うコツを解説。
この記事は2013年1月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
望月 和美(もちづき・かずみ)
1959年生まれ。キャップス社に勤務しながら、シューティングヘッドを使ったウエットフライの釣りを中心に、キャスティング、タイイングのスクールを精力的に実施している。

ランニングラインを絡ませないために

ランニングラインは、浮力のあるものであれば水面においても構わないが、この時ラインをなるべく1ヵ所にまとめるように落としておくと、シュート時にラインが持ち上がる際の抵抗が少なくて済む。

これはリトリーブで回収したラインを管理する時も同じで、引っ張ったまま身体の横や後ろにラインを放らず、リールの下にコンパクトにまとめておきたい。これはウエーディング時でも同じ。

足もとにラインが引っ掛かりやすい枝や草が多い場所や、もしくはランニングラインが沈む場合はラインバスケットの使用をおすすめする。

キャストを始める前には、あらかじめ飛ばしたい分のランニングラインをリールから引き出しておく。その分のラインは足もとに溜めるようにしておいて構わない。
足もとに溜めたランニングラインは、なるべくコンパクトにまとめておく。足場が悪い場合や、枝などがある場合は水面に置いてしまったほうが、シュート時にトラブルがない

ただし、フライラインよりずっと径の細いランニングラインは巻きグセが付きやすいので、リールから出したら必ず伸ばしてクセを取ってやらなければならない。これを怠ると足もとでラインが絡まってしまい、シュート時にガイドに引っ掛かるなんてことも。

望月さんは地面にラインを傷付けるものがなければ、靴で踏んで両手で上に引っ張ってクセを取っている。ラインをぐっと伸ばした手をゆっくりと戻すと、ラインを直線状に直しやすい。
ラインを足で踏んでゆっくりと引っ張り、巻きグセをとる。地面が砂利などの固い場所では、ラインを傷付ける恐れがあるので、両手を広げるように引っ張ったほうがよい

ちなみに、ヘッドのシンクレートにかかわらず、ランニングラインはフローティングで問題ない。もともとフライラインのフローティングタイプのように浮力があるわけではないので、ヘッドの沈下速度に合わせて一緒に沈んでくれる。

アワセはラインハンドで

シューティングヘッド・システムは、ヘッドの接続により急に太さが変わる部分があるので、手もとでアタリを取りやすくするために、リトリーブ時にロッドとラインを直線状に保つのが基本。
リトリーブはティップを下げるようにして、ラインとティップを一直線に保つことが基本

フローティングラインであればロッドティップは水面に出した状態を維持。一方シンキングであれば水中に入れた状態でリトリーブし、ラインを引く時にティップの位置を安定させる。

その際、ラインハンドに魚の反応があれば、必ずラインを引いて合わせること。そして魚の重みを感じたらロッドを立てるようにしよう。はじめから勢いよくロッドを立ててしまうと、ラインの重みでロッドが曲がってフライ自体がそれほど動かず、フッキングミスが多くなってしまう。
フローティング時はロッドティップを水面上に、シンキングでは水中に入れる。口ッドティップは水中でもラインと直線状になるように意識しよう。これにより繊細なアタリがとらえやすい

特にグリップをしっかり握った状態でリトリーブを続けていると、思わずロッドを立ててしまいがちなので、人差し指と親指で軽く握る程度で持てば充分だ。

2本の指で軽く支えるほうが、ラインで合わせるクセを付けやすい。なお、リトリーブではいつでも魚の反応を感じられるよう、できるだけ長い時間ラインに触れていたほうが有利。

そのため、遅めのリトリーブをする場合でもラインを引いたあとの手は素早く、次のラインを掴むようにする。
親指と人差し指で軽く支える程度の望月さんのグリップ。ランニングラインは細いので、ストリッピングガードがあると指を傷めずに済む。魚が掛かった時もあると安心

ヘッドまでリトリーブした場合は?

シューティングヘッドを実際に使って釣りをする時、近場までフライを引っ張りたいという場合もあるだろう。

そんな時はヘッド自体もリトリーブして構わないが、その後のキャストの際に、ランニングラインの接続部がガタガタとガイドを通過していくことになり、フォルスキャストの回数も増える。

そんな時に、より手返しよ<釣りを進めるテクニックとして、まずリトリーブしてきたヘッドを水面に付けたまま、左右に大きくロッドを振る方法がある。

ヘッドで水面にアンカー(抵抗)をつくり、キャスト前に手前の水面でヘッド部をティップからあらかじめ出しておくわけだ。
指にランニングラインを掛けたままヘッドまでリトリーブしたら、水面の抵抗を利用して、ロッドを左右に振り、ヘッド部すべてをティップから出す。ここで、指に掛けておいたランニングラインの長さ以上出ることはないので、オーバーハングの長さが自動的に調整できる

その後はロールキャストで一旦ラインを前方に打ち返してから、フォルスキャストに移るとトラブルが少なく、スムーズに次のキャストに移れる。
フォルスキャストに移る前には、ロールキャストでヘッド部を前に打ち返してからバックキャストに移るとトラブルが少ない

ここで覚えておくと簡単にオーバーハングの長さを決められる方法がある。リトリーブしている最中に、ティップから出たヘッドまでのランニングラインが、自分の投げやすい長さになったのを確認したところで、リトリーブしている手の指にその時手もとにあるランニングラインを掛けておく。
ランニングラインを指に掛ける際は、どの指でもOK。望月さんの場合、リトリーブしたヘッドを下に落としてランニングラインと絡ませないようにするために、ランニングラインを小指に掛け、その後ヘッドを人差し指、薬指にかけている。ちなみにヘッドは、流れのない、または地面で絡まる心配のない場所であれば下に落としても問題ない

それにより、水面の抵抗を使ってヘッドを出した際、指に掛けた時の長さ以上のラインを出さないようにすることで、自動的に想定したオーバーハングにセットされる。

そのままフォルスキャストを開始し、指に掛けたラインはシュート時に離せばよい。

2018/12/20

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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

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