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シューティングヘッドのベーシック 1/2

小さな入力で大きな飛距離

望月 和美=解説
小さい動作で遠投が可能なシューティングヘッド。管理釣り場でも有効なアプローチだ

コンパクトな動作でロングキャストができ、ポンドタイプの管理釣り場でも便利なシステム。フルラインとはちょっと違う、ロッドの振り方やラインの扱い方を覚えていれば、フィールドに着いても迷わない。この冬、基本的な扱い方とキャスティングをマスターしてみては?
この記事は2013年1月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
望月 和美(もちづき・かずみ)
1959年生まれ。キャップス社に勤務しながら、シューティングヘッドを使ったウエットフライの釣りを中心に、キャスティング、タイイングのスクールを精力的に実施している。

シューティングヘッドの有効性

湖や本流などで遠投ができるシューティングヘッドは、少ない動作で、トラブルを少なく、力を使わずに飛ばせるというメリットがある。

そのため、管理釣り場など限られたスペースで手返しよく釣りをするためにはぴったりのシステムだ。

基本構造はウエイトフォワード・ラインのヘッド部とランニングラインの差を極端にしたもの。普通のオーバーへッドキャスティングができる人ならば、誰でも扱えるシステムだ。

今回はフィールドを問わずにシンキングタイプのヘッドを使った釣りが多いという望月和美さんに、止水の釣り場を想定して、このシステムで魚を釣るための基本的なテクニックを聞いた。
遠投ができて手返しよいシステムは管理釣り場にも最適。魚が溜まっている沖のポイントヘも楽々キャストできる

まずは9mのヘッドから

基本的にロッドは#6以上のものを使用する。市販されているシューティングヘッドの番手も#6から上がほとんどだ。

ヘッドに接続するランニングラインは、まず始めるのであれば、ハンドリングがしやすいモノコアタイプがおすすめ。遠投に向いており、ラインの重さも感じやすいので、このシステムの感覚を覚えるのに適している。

それを少なくとも約30mはリールに巻いておく。その際は、細いラインでも巻き癖の付きにくいラージアーバータイプのリールがおすすめだ。
シンクレートの違うヘッドを持ち歩く場合は、ワレットに収納しておくと便利だ。複数のラインをフィールドに持っていってもかさばることはない

ヘッドの長さは7~10mとメーカーや種類によってさまざま。とはいえ、シングルハンドのオーバーヘッドキャストの場合であれば9mが標準。

短すぎず長すぎず、最もフォルスキャストの感覚がつかみやすい。一般的なフルラインの長さである30ヤードくらいは軽く投げることができる。
望月さんの場合、ヘッドの両端はブレイデッドループを取り付けて、15ポンドのランニングラインをユニノットで接続(最初からループ付きのタイプもある)。ただし、ランニングラインが太くなると、結び目が大きなコブになり、ガイドを通過する際に引っ掛かりやすくなってしまうので、30ポンド以上ならループ・トゥ・ループで接続している。一方、リーダーも先端のループにユニノットで結んでいる。

フォルスキャストはピックアップの後一往復でOK

フォルスキャストはティップからヘッドを出した状態で行なう。そのため、ランニングラインがヘッドから若干出ることになるが、この部分の長さをオーバーハングと呼ぶ。

このオーバーハングは30~1mの間が無理なくキャストできる範囲だが、ホールでラインを引いた際に接続部がトップガイドの中に入ってしまうと、その抵抗でラインの勢いを殺してしまうことになるので注意しよう。
フォルスキャストは必ずオーバーハングをとった状態で行なう。この場合、細く曲がりやすいランニングラインがループのもとになるので、同じフォームでも長めに取るとタイト)レープに、逆に短くすればワイドループになりやすい

オーバーハングを除けば、ヘッドの長さ以上にラインを伸ばしてフォルスキャストすることはないので、シュートするまで空中でループを作るラインの長さは変わらない。

そのため9mのヘッドであれば、その長さでループを作れる力さえ入力してやれば、2~3回のフォルスキャストで充分飛ばすことができる。

裏を返せば、余分なフォルスキャストをしないほうがよいということ。フォルスキャストでは、トラブル防止のためにも無理にタイトなループを作る必要はないと望月さんは話す。それよりも、回数を少なくして安定したループを作れるようにしたほうが、快適に釣りが楽しめるはずだ。
ホールは9mのヘッドに力が伝わるだけ効果があればよいので、写真のように腕を下に下ろすように軽く引くだけで充分

フォルスキャストはホールを入れながら基本的に2回でOK。初めのバックキャストのあとは、ループの形を整えるために1度フォワードキャストを行ない、その次でシュートに移る。

「飛ばそう」という気持ちは禁物

望月さんがここでアドバイスするのは「遠くへ飛ばそうと思わない」ということ。うまくいかない人は、フォームがオーバーアクションになり、必要以上のスピードをつけてラインを暴れさせている場合が多いという。

心掛けたいのは、とにかく小さい動作で投げることだ。ヘッドの長さでループを作るだけの力を加えればよいので、ホールの際も身体の後ろまで引くような大きな動作は必要ない。
こちらは悪い例。シュート前のバックキャストで、遠くへ飛ばそうと思うあまり、オーバーアクションになってしまっている。フルライン・キャストをするわけではないので、無駄に力を入れてループを乱れさせないよう注意

シュートはラインをそのまま空中前方目線の高さに放るように行なう。遠くへ飛ばそうと気負ってロッドの振り幅を大きくすると、ループが乱れて結局飛距離が落ちてしまうことになる。

伸びていくループにランニングラインを引っ張ってもらうような感覚で手もとのラインをリリースすると、スムーズに飛ばしやすい。

小さいモーションを心掛ける

不必要なオーバーアクションは、上半身をなるべく動かさないように意識することで防ぐことができる。練習法として最適なのが、椅子に座った状態、もしくはしゃがんだ姿勢でのキャスト。

これにより腕を動かす幅や体重移動が制限されるので、無駄な動きを削ることができる。
動作は小さくゆっくりと、しゃがんで投げるとうまくいく

速いモーションで投げようとはせずに、フルラインよりもゆったりとした動作で、「イチ(フォワードキャスト)、二(バックキャスト)の、サーン(シュート)」のリズムで力を抜いて投げてみれば、軽いカでロングキャストができるはず。

2018/12/19

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