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アカサカ釣具

送り込むフライ選択

優先するのは投けやすさ

天海 崇=解説

ライズに出会った時に天海崇さんがダウン&アクロスで使用する「投げやすさ」と「操作性」を優先させた、風の中でも扱いやすいフライを紹介します。
この記事は2012年4月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
天海 崇(あまがい・たかし)
栃木県佐野市在住。春は鬼怒川渡良瀬川、利根川といった本流のライズねらいに足繁く通う。以降は里川でマッチング・ザ・ハッチの釣りを楽しむ。そのほかにも、シーズン中は本流のサクラマスや北海道遠征、湖の釣りなど、幅広いフィールドに足を運んでいる。

「使いやすい」という基準のライズ用フライ選択

関東周辺の渓をメインに釣り歩く天海崇さんは、春先のフライボックスの中にダウン&アクロス専用のフライを常備している。

渓流に加えて、鬼怒川や渡良瀬川といった本流域にも通っており、そうした場所では風の強く吹いている状態での釣りも多く、キャスト時にはできるだけトラブルを避けたい。

フライはまず回転しにくいことが前提となり、またプレゼンテーションキャストはストレートラインを基本としているので、ターンのしやすさも重視する。ダウン&アクロスの釣りでは魚に気付かれないよう、アップストリームの時に比べて遠めからアプローチすることが多い。

特に広い本流のフラットでクルージングしながらライズする魚をねらう場合は、低い姿勢から、時には20mを超えるプレゼンテーションキャストも必要になる。そんな時、天海さんは投げやすさ優先で「スパークルダン」を結ぶ。
スパークルダン
●フック……TMC103BL 各サイズ
●スレッド……モノスレッドS・各色
●シャック……ズィーロン・各色
●アブドメン……グースバイオット・各色
●ソラックス……スーパーファインダブ・各色
●ウイング……ディアヘア
コントロールしやすいため、ダウン&アクロスでよく使うフライ。風のある状況下でロングキャストが求められる時に重宝する。視認性はそれほどないが、CDCとは違う水面の捉え方に期待して使っている。


また、もうひとつの要素として、フライ操作のしやすさも大切にしている。「プランC」はフタバコカゲロウを意識したイマージャーやトラップトに見えるパターンだが、ナチュラルに流すほか、ひとつにまとめてあるウイングをカットしてほぐせば、ソフトハックルのようになるのが特徴。

これを水面下に入れてスイングさせる、あるいは浮き上がらすといった演出で使うのだ。
プランC
●フック……TMC212Y 各サイズ
●スレッド……モノスレッドS・各色
●テイル……レモンウッドダック
●アブドメン……ターキーバイオット・各色
●ソラックス……スーパーファインダブ・各色、CDC・イエロー
●インジケーター……CDC・イエロ―
●ウイング……ヴェインファイバー・各色
ドライフライとしてはもちろんだが、ウイングやインジケーターをカットすると、水面下で浮上させたり、スイングさせたり、ソフトハックルと同じ使い方ができる。


ちなみに普段はアップストリームで使っているフライも、ここぞというライズに出会った時にインジケーターをカットするといったアレンジを行なうことで、ダウン&アクロスに対応できるものも多い。

たとえば「ラストチャンス・クリップル」のインジケーターであるCDCをカットして魚をヒットさせたことも少なくないそうだ。 ラストチャンス・クリップル
●フック……TMC103BL 各サイズ
●スレッド……モノスレッドS・各色
●テイル……レモンウッドダック
●シャック……ズィーロン各色
●アブドメン……ターキーバイオット・各色
●ソラックス……スーパーファインダブ・各色
●ウイング……CDC各色
●ハックル……コックネック
アップストリームの釣りでも使うが、ダウン&アクロスでも使用する。特に水面直下で魚が捕食しているような状況下で用いる。その場合はCDCをカットして、フロータントなしで流し込む。


2018/4/19

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