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ニンフのマッチング考

基本は流下物に対応する

長田規孝=解説

流下する虫に似せて使うのが基本という長田規孝さんのニンフパターン。それぞれいくらか汎用性のあるイミテートを取り入れているが、今回は、そんなパターンのシルエットとウエイト、そしてダビング材をどう選ぶかを解説していく。
この記事は2017年1月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
長田 規孝(おさだ・のりたか)
1974年生まれ。静岡県御殿場市在住。狩野川水系をホームフィールドに、ニンフの釣りやライズフィッシングなど、さまざまなアプローチで渓魚をねらう。タイイングスクールの講師を務める機会も多い。

シルエット

<水中の流下物に似せる>
普段通っているフィールドには、ザグバグ(#10~14)、フェザントテイル(#16~22)、ヘアズイヤー・ニンフ(#10~18)、アント(#16~20)など、数種類のニンフを持っていく。

特定の水生昆虫のハッチが期待できる時期には、ニンフでもその虫のサイズやシルエットに合わせるのが基本だと考えており、これはドライフライの釣りと同じ。

たとえばコカゲロウやオオクママダラカゲロウのハッチがある時期ならば、#14前後のヘアズイヤー・ニンフと、#20前後のフェザントテイル・ニンフやコカゲロウニンフをダブルニンフ・システムで使用することが多い。
フラッシュバック・フェザントテイル・ニンフ
●フック……TMC200R #18~22
●テイル……フェザントテイル
●リブ……コパーワイヤ
●アブドメン……フェザントテイル
●ウイングケース……フラッシャブー
●ソラックス……ピーコックハール
※フェザントテイル・ニンフにフラッシャブーを加え、よりアピールカを持たせた仕様


一方、6月から禁漁までの特定のハッチが期待できない場合はザグバグをメインに小さめのアントなどを結ぶ。ザグバグは大きめのメイフライニンフ(フタオカゲロウやチラカゲロウなど)として汎用性が高いほか、ヒゲナガ・ラーバ、さらにはテレストリアルとしても見せることができる。

もちろんドライフライに比べれば必要なパターン数は少ないが、それぞれ近いシルエットを選ぶことは重要だと考えている。
サグバグ
●フック……TMC3761 or TMC200R #10~14
●ウエイト……レッドワイヤ
●スレッド……14/0ブラック
●テイル……ピーコックソード
●リブ……オーバルティンセル・ゴールド
●ボデイー……ピーコックハール
●ウイングケース……マラードダック・フェザー
●レッグ……ヘンハックル・ブラウン
※テレストリアルやヒゲナガ・ラーバとしても活用できる万能ニンフ

ウエイト

くシルエットを作りやすいレッドワイヤ>
各フライのウエイトには、シルエットを作りやすく、重さも調整しやすいため、レッドワイヤを用いることがほとんど。小型のニンフでは、ソラックスの下にワイヤを巻いて調整することも多い。

ちなみにビーズヘッドは沈下が速く、水中での視認性もよいので、サイトフィッシングが可能で魚がボトム近くにいる時など、アピールが必要な場面で使用している。
コカゲロウニンフ
●フック……TMC212Y #15~19
●スレッド……16/0ブラックなど
●テイル……ハックルファイバーなど
●ボデイー……スーパーファインダビング・ブラック
●ウイングケース……ハックルファイバーなど
●レッグ………ハックルファイバーなど
※細身に仕上げるために、ドライフライ用のダビング材を使用

ダビング材

くタイイング時は多めに>
虫っぽく調整も簡単で質感がよい、ナチュラルカラーのスキンからむしったヘアズイヤーを多用しているが、色調を変えたい場合などは、色も豊富で繊維が細い『HARESMASK DUBBING』(ネイチャーズスピリット)を使用。

ヘアズイヤーを使用する場合は、仕上がりのイメージよりも多めに取り付けてから、ダビングブラシで掻き出して、多いぶんを指でむしりとるように調整すると仕上がりがよくなる。
ヘアズイヤー・ニンフ
●フック……TMC3761 #10~18
●ウエイト……レッドワイヤ
●スレッド…… 16/0ブラウンなど
●テイル……フェザントテイル
●リブ……オーバルティンセル・ゴールド
●ボディー……ヘアズイヤー
●ウイングケース…フェザントテイル
●レッグ……フェザントテイル
※ボデイー(特にソラックス部)のヘアズイヤーは、多めに付けた後、ダビングブラシで掻き出して調整


また、コカゲロウのニンフを作る際には、カラーが豊富でシルエットを細く仕上げられるドライフライ用の『スーパーファインダビング』(ヘアライン)を使うことが多い。パターンにもよるが、レッドワイヤとスレッドでおおまかな下地を作っておくとダビング材を巻いた際のバランスもよくなると思う。

2018/3/12

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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

特集
共鳴するウエットフライ
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 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
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