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渓流でロングレンジを釣る 2/2

加速とバックキャストを見直してみる

鈴木 寿=解説
渓流でもこんな場所は、少しでも離れた位置からねらいたい。ここでプレゼンテーションが失敗すると、魚をすべて散らしかねないシチュエーション

近距離であればある程度正確にフライを落とせるけれども、大場所などでちょっとロングキャストが必要になると、途端にループが乱れてしまう……そんな悩みを持っていれば、まずは基本的な腕の動きとロッドの振り方から見直してみよう。
この記事は2017年3月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
鈴木 寿(すずき・ひさし)
1958年生まれ。愛知県名古屋市でプ口ショップ「ワチェッ卜」を営む。インストラクターとしてキャスティングスクールの講師を務めるかたわら、春は長良川、夏は山岳渓流のイワナねらいに足繁く通っている。
●ワチェット watchett.net/

低番手ほど急加速はNG

前半で解説した腕全体を使う動きは、ストロークを広げるということに加え、もう一つ重要な役割を担う。それはロッドの加速。

注意したいのは、「加速=速いスピード」ではないということ。ラインを引っ張り始めたロッドティップはストップするまでの間、ラインを暴れさせないためにも徐々にスピードを上げながら動くのが理想。特に渓流用の繊細なタックルを使用する場合、加速もできる限りスムーズなものにしたい。

動きの遅い上腕から前腕へ、そしてストロークの最後は腕のパーツで最も速く動かせるリストを使い、ストップさせる。ちなみに、ストロークの初期段階で突然力を加えてしまうと、ロッドにショックが加わり、SLP(直線的なロッドティップの軌跡)が変形してしまう。

変形した軌道はそのままの形をラインに伝え、これがテイリングループなどを発生させる原因となる。ロッドの曲がり具合を考えると、低番手ほどロッドの動き始めは滑らかなものでなくてはいけない。
夏の山岳渓流のイワナ。定位している魚が見える状況でも、離れた場所からのアキュラシーキャストに自信があれば、イチかバチかのストーキングも必要ないのだ

気を抜きがちなバックキャスト

ちなみに、バックキャストで準備するラインの形も長いラインを扱ううえで重要なポイントとなってくる。ショートキャストにおいてはさほどの影響を受けないので、気を抜きがちな部分ではあるが、ラインが長くなるにつれてより直線的なバックキャストが必要になる。

真っすぐなラインを後方に準備することにより、効率よくロッドに負荷を掛けられるので、その分フォワードキャストの入力動作は小さなもので済む。

しかし渓流では常に身体は前を向いた状態で釣り続けているので、同じ体勢のままのバックキャストがうまくいかず、ロングレンジを失敗しているケースは多い。

下の連続写真ようにリストだけの動作を行なったり、ストロークの初期段階でリストが開いたりしてしまうと、バックでもラインの長さに見合った距離のSLPが形成できない。
ほぼリストだけでのバックキャストはNG。円運動になりがちで、ロッドティップの軌跡もドーム状になってしまう

もしくはリストがコンパスポイント(円運動の起点)になってしまい、ティップの軌跡がドーム状になり、ラインに方向性を与えることができなくなってしまう。

そんな時は、腕のパーツの動かし方を変えてみよう。以下の連続写真のストロークでは前腕から動き始め、ストロークの最終段階で上腕→リストといった順番でパーツを使っている。ボールを後方に放る時の動作と同じで、こうすることで理想的なティップ軌跡と加速が得られるようになる。
前腕から動き始めるバックキャスト。自然な腕の動きでテニスボールを後ろに放るような動作と基本的には同じ

前半の「ストローク」に加えて、ここでは「ロッドの加速」、「そして後方のストレートなラインの準備」といったキャスティングの基本的なところに焦点を当ててみた。

もちろんこの他にも、渓流でいつもよりちょっと先のポイントをねらおうとすると、さまざまなキャストの壁に突き当たることがある。
スキルアップを目指そうと思った時、つい細やかなテクニックをあれこれ試したくなるところだが、意外にベーシックな基本動作が改善点だったりするのだ。

2018/5/22

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今回はキャスティングとリールと大きく2つの特集を組みました。

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