ニンフを2本結ぶ意味。

ダブルニンフ・システムを使いこなす

遠藤岳雄=解説
遠藤さんが使うダブルニンフ・システム。ウエイト入りの重めのニンフ(上)のゲイプに、ティペットを20cmほど接続し、より小さいノンウエイトのニンフを結ぶ

インジケーター、フライをそれぞれ2つ取り付ける、遠藤岳雄さんのニンフィング・システム。水中のラインの状態をより明確に把握し、重さの異なるフライで誘いつつドリフトすれば、より幅広い流れを効率よく探ることができる。
この記事は2017年1月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
えんどう・たかお
1969年生まれ。静岡県裾野市在住。春は本流のマッチング・ザ・ハッチ、夏は山岳渓流のイワナ釣りをメインに楽しんでおり、ニンフの釣りも得意。大ものにねらいを定めた状況判浙には定評がある。

より幅広い層を探るために

ひとくちにニンフフィッシングといっても、フライを表層に漂わせることもできるルースニングから、かなり深い層まですぐにフライを届けられるアウトリガー・スタイルまで、さまざまな方法がある。

しかし、それぞれにメリット・デメリットがあるわけで、水面下のあらゆる層を効率よく探れるシステムとはいえない。

そこで万能ではないにしろ、前述した2つのシステムの中間的な、比較的幅広い層を流せるシステムとして、私はダブルニンフ・システムを、シーズンを通じて使っている。
鋭い顔つきのヤマメもニンフに反応した。フライが流れるタナがしっかりと分かれば、よりピンポイントで流れを探れる

私が使用するダブルニンフ・システムの基本は、リーダーは9フィート前後。長めのリーダーしか持ち合わせていない場合は、現場でバット部分をカットして使用すればよい。

そこにティペットを1mほど継ぎ足し、まずはウエイトの入ったニンフを結ぶ。そのフライのゲイプにさらにティペットを20cmほど接続し、その先端にトレーラーとしてノンウエイトのニンフを結ぶ。

インジケーターには粘土夕イプを2つ取り付けている。インジケーターもフライも2つずつ付いているので、意外とへビーなシステムといえる。

最初はキャスティングも含め、少々扱いづらいと感じるかもしれないが、慣れてしまえば、扱いづらさよりも利点のほうがはるかに上回る。次では、実際に使うシチュエーションを交えて、そのメリットを説明したい。

流すタナ、水中の流速が見える

私の場合、このダブルニンフ・システムをアップ、もしくはアップクロスの位置で、トレーラー、上のニンフ、インジケーターという順、つまりシステム全体が流れに対して縦になるように、水面に叩きつけるようにキャストする。

この時に、最低でも上流側(フライに近いほう)のインジケーターを、水面下に漂わせるように調整して流し始める。イメージとしては、ちょうど磯釣りのフカセ釣りのような感じである。
ダブルニンフで手にした良型の本流アマゴ。インジケーター(粘土タイプ)の位置を調整するだけで、さまざまなポイントに対応できるのもメリット

インジケーターを水面下に漂わせることによって、手前側のマーカーとの角度から、水中でのティペットの延長線が想像しやすく、その先のフライの位置や流れている層が断然把握しやすくなるのだ。これは、インジケーターが1つで、しかも水面上にある時と比べてみると一目瞭然の違い。

フライを自分の意図した層にまで送り届けやすくなり、水中の流れの速さもより明確に感じられる。粘土状のインジケーターであれば、大きさを変えることでその浮力に変化を付けられ、ニンフとの距離も簡単に変更できる。

フライを届ける層の調整がスムーズなので、これまでの経験上、かなりの範囲をこのシステムだけでカバーできていると思う。
そしてこの時インジケーターの先では、ウエイトの入った上のニンフがオモリとなって流れながら沈んでいくが、その先に結ばれているノンウエイトのトレーラーは、重いニンフをアンカーにして、水中をフワフワと漂って魚を誘ってくれる。

キャスト後はルースニング同様インジケーター先行で流し、その動きでアタリを判断すればよい。以上がインジケーターを2つ付け、重さの違うニンフを2本結ぶ最大のメリット。

また、このシステムで使うニンフには、個人的にはチョコレートブラウンのカラーでシーズンをとおしている。以前は、さまざまな色のニンフを巻き、それぞれのフィールドで試したこともあるのだが、明確な答えが得られなかった。
くチョコレートニンフ>(左)
●フック……TMC200R #10
●ウエイト……レッドワイヤ
●スレッド……6/0ブラウン
●テイル……フェザントテイル
●リブ……ゴールドワイヤ
●アブドメン/ソラックス……ヘアズイヤー+ダビング材・チョコレートブラウン
●ウイングケース……黒のポリエチレン
※ウエイト入りで、水中のアンカーとなるように本線に結ぶニンフとして使用

くチョコレートニンフmini>(右)
●フック……TMC3769 #16-18
●スレッド……8/0 ブラウン
●テイル……フェザントテイル
●リブ……ゴールドワイヤ
●ボディー……ヘアズイヤー+ダビング材・チョコレートブラウン
※ウエイトなし。トレーラーとして水中を漂わせるように流す


自分の経験上、また友人らの使用するフライを見せてもらうにつけ、よほど特別な環境(ひどい二ゴリや雪代など)でない限り、フライの色はチョコレートブラウンで充分通用すると考えている。

ニンフは水中で使用するという性格上、フライの消耗やダメージが大きいので、できれば簡単かつ大量に巻けるものが好ましく、そういった面もこのフライを使い続けている大きな理由である。 FlyFisher誌で「尺まで届け!」を連載していた遠藤岳雄さん。今回紹介したダブルニンフ・システムでも、数多くの尺ヤマメ、アマゴを手にしている

2017/11/20

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
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