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ライトなウエット用システム

「特集ラインシステム」補足編

稲田秀彦=写真と文


※各ラインシステムのイラストは現在発売中の『FlyFishier MAGAZINE 2021 Mid Summer号』をご覧ください。


渓流のウエット




対象魚はイワナ、ヤマメ、ニジマス。このシステムで行なう川の規模は、普段ドライフライで釣るような中規模以下の渓流。川幅は10~15mくらいで水深は1~1.5mほど。比較的開けていて、瀬の流れ込みからプールが展開され、流れの筋がハッキリしているようなポイントが続き、ドライフライではライズが無いと少しねらいにくそうなポイントになる。




投げる距離は5m前後となり、ワンキャストごとに釣り下がりながらねらっていく。基本的に渓流では釣り上がりが暗黙のルールなので、渓流域でウエットフライの釣りをする際には、自分が釣り下るポイントの下流域に他の釣り人がいないことを確認しておくとよい。

私がライトラインでのウエットフライをやり始めたのは、昔はウエットフライの釣り=#5や#6がメインで、それが普通だった。しかし、それではアタリがあっても乗らない、バレるなど、どうしても気持ちよくフッキングさせられないことが多かった。そこでロッドの感度やラインが受ける水の抵抗が影響しているのでは? と考え、普段使っているドライフライ用のタックルでウエットフライを試すと、ラインが受ける抵抗の少なさと、アタリの感度のよさで釣果も大きく伸びた。




使用するフライは#12~18と小さめにし、春先はマッチング・ザ・ハッチを基本にオオクマやヒラタカゲロウ類、オオマダラなど。夏場はテレストリアルを意識し、アントなど黒系の小型のウエットフライにすることで、ドライフライをやりながら、状況の変化でウエットフライにチェンジしストレスなく一日を楽しめるようになった。最近では#0ラインの出番は少なくなったが、ウエットフライの釣りには非常によい勉強になった。

本流シングルハンド・ウエット




対象魚はニジマス、ブラウントラウト。このシステムで行なう川の規模は30m~40mくらいで、水深は1m~3m以上。ザ・本流の規模だ。普段はダブルハンドを使用して釣ることも多いが、ここ数年は、時期や水量の状況に応じて、シングルハンドでのウエットフライの釣りを楽しんでいる。




特に一般河川が禁漁になる9月以降で、水量は渇水気味、人的プレッシャーが高くなる秋の犀川の本流域では、水深が50cm~1mほどの浅い瀬の中に魚が入ることが多くなる。このようなポイントはエサ釣りやルアーの人も入りにくく、シングルハンドでのフライ向きのポイントでもある。浅いポイントなので、ラインの着水のインパクトを抑えるようできるだけソフトプレゼンテーションを心掛けている。



フライは水馴染みをよくするために、ウエットフライ用の太軸のフック#4~10を使用している。フライパターンはピーコッククイーンやシルバーマーチブランをメインに使っている。ピーコッククイーンはオリーブ系でヒゲナガのピューパにも似ており1年をとおして有効なフライとして私のフェイバリットフライでもある。

2021/9/15

つり人社の刊行物
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初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2023年12月号 Early Autumn

【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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