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第1回 NZ北島・ムルパラ

南半球のニジマスが泳ぐ渓流群

青木 剛=解説
フラットな川全体にポイントが散らばるランギタイキリバーの流れ

世界各地のフライフィッシング・フィールドを紹介する当連載。現地での釣りの魅力、必要なタックル、釣りに適した季節などを紹介します。これから行く人も、行かない人も、海外の釣りを感じられるフィールド図鑑です。
※掲載している情報は、2018年3月現在のものです。
《Profile》
青木 剛(あおき・たかし)
1969年生まれ。愛知県名古屋市在住。釣り専門の旅行会社「トラウトアンドキング」で、世界各地を飛び回りつつ、現地への案内を務める。個人的にもムルパラへは2005年から毎年足を運んでおり、2018年で15回目となる。
●トラウトアンドキング www.troutandking.com

ボートを使って、魚影豊かな流れへ

ニュージーランド北島に位置するムルパラは、平地と山岳地帯が近く、日本の風景を思わせる場所も多いのが特徴です。この街の中心を流れるランギタイキリバー、その支流となるフィリナキリバーがこのエリアのメインとなる釣り場。その他、日本の山岳渓流のような支流もたくさんあり、そのいくつかは、ビッグレインボーの釣り場として知られています。

本流のランギタイキリバーは、両岸が私有地に囲まれていることもあって、陸路ではほとんどアプローチできません。そのため、ラフトボートで移動しながらの釣りとなります。さらに河原や浅瀬がある場所では、ボートから降りてウエーディングでじっくりねらう釣りが楽しめます。
ランギタイキリバーの支流となるフィリナキリバー。流れの規模はやや小さくなるが、トラウトの型は健在

ニュージーランドでは一年中南極からの冷たい風が吹いているため、水温が低めで推移します。そのため温かい日中に水生昆虫、陸生昆虫の動きが活発となり、釣りの条件もよくなる傾向にあります。

朝一番は、ニンフの出番が増えますが、日差しが水面に当たる10時頃からはドライフライをメインとした釣りが楽しめるでしょう。

フィールドに泳ぐ魚としては、レインボートラウト70%、ブラウントラウト30%くらいの割合となりますが、とにかく魚影の多さには毎回驚かされます。マスたちもスレておらず、しっかりフライを流せば、素直に反応してくれるのもうれしいところです。

フライフィッシングが全く初めての初心者の方からベテランまで、それぞれのスタイルで楽しむことのできる釣り場の一つだと思います。
メインの対象魚はレインボートラウト。難しいことは考えず、トラウトの付いているレーンをしっかりドリフトできれば、こんな魚が水面を割る

レインボーに比べて数ではやや少ないが、ブラウントラウトもよい型の魚が豊富。もちろんドライフライでねらうことができ、南島のサイトフィッシングに比べて、こちらはブラインドフィッシングでも楽しめる

対象魚/メインはレインボー

レインボートラウト、ブラウントラウト

タックル/ラインはフローティングのみでOK

フライ/小さめの水生昆虫がメイン

大型のトラウトを釣りに行くので、フライも大きなものを使うと思いがちですが、そのサイズ感は日本とほぼ同じです。ニュージーランドは真夏でも朝晩は10℃程度まで冷え込みます。この状況から、日本の夏のような熱帯夜は存在せず、水温も大して上がらないのです。

気温、水温が低いため、水生昆虫、陸生昆虫が大きくならず、トラウトの捕食対象は非常に小さい虫となっています。そのため、ムルパラ周辺ではフライも小さいサイズが多用されています。夏の後半はレースウイングという、ガの仲間がメインの捕食対象になっているようです。Dad’s Favorite #18(写真・中央下)でカバーできます。
カディスパターン #14~20
アダムズなど #16~18
フェザントテイルニンフ #16~20
ヘアズイヤー・ニンフ #16~20
Dad’s Favorite #18 など


日本のオフシーズンが、南半球の旬

シーズンは10月からGW頃まで。ドライフライの釣りをメインで楽しむ場合は、1月から3月がおすすめです。

羽田空港からは直行便が毎日就航

ニュージーランド航空の直行便は、成田・羽田空港からは毎日、関西国際空港からは週3日発着があります。アジア各都市で乗り継ぐパターンであれば、全国の主要空港から出発可能。いずれにしても、オークランド(ニュージーランド北島の都市)経由となります。

通常の行程であれば、7日間の旅行で、3日間を釣りの時間に充てれば、充実した釣りが楽しめるはずです。

フェルトソールは禁止。肌の露出は最小限に

ニュージーランドは外来の藻の拡散を防ぐため、フェルトソールの持ち込みが禁止されているので、ラバーソールのウエーディングシューズが必要です。入国時にも実際にウエーダー、シューズ、ランディングネットなどを税関係員に見せて検疫を受けなければなりません。新品である必要はありませんが、洗剤で綺麗に洗い、乾燥させておくようにしましょう。

また、真夏の釣行でも朝晩は冷え込みがあります。フリースジャケット、レインジャケットは必携。フィールドではサンドフライという、刺されると非常にかゆくなる虫がいるほか、紫外線は日本の7倍になるともいわれます。肌の露出は最小限に抑えたいですね。

吸湿速乾素材の長袖長ズボンのウエアに、キャップ、偏光グラス、フェイスマスク、サングローブが必要です。日焼け止め、ハッカスプレーなどの虫除け、唇の日焼けを防ぐリップクリームもお忘れなく。

2018/3/22

つり人社の刊行物
瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編
瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編 本体2,500円+税 A5判カラー256ページ
1998年刊行の幻の名著が2020年の視点も加筆されて、復刊です。 フィッシングライターとして現在も活躍する佐藤成史さんのライフワーク、人間の活動などにより生息場所を狭められる渓流魚たちを追いかけ写真に収めた貴重な記録。 インターネット前夜…
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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

特集
共鳴するウエットフライ
エキスパートが実践していること

 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
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