冬~早春の本流ストリーマーを巻く
カジカをイミテートした2パターン
杉浦雄三=解説解禁直後の本流域は、大型のトラウトがベイトフィッシュを中心に捕食活動をする時期でもある。そんな時に杉浦雄三さんが結ぶストリーマーの巻き方を、映像で解説。
この記事は2017年4月号に掲載されたものを再編集しています。
すぎうら・ゆうぞう
愛知県高浜市でフライフィッシングのトータルサポートを行なう「TEAL」を運営。クロダイをねらう海のサイトフィッシングも得意だが、犀川、高原川など中部地方の本流釣りにも詳しい。ここ数年はカナダに足を運び、スティールヘッドをねらって腕を磨いている
愛知県高浜市でフライフィッシングのトータルサポートを行なう「TEAL」を運営。クロダイをねらう海のサイトフィッシングも得意だが、犀川、高原川など中部地方の本流釣りにも詳しい。ここ数年はカナダに足を運び、スティールヘッドをねらって腕を磨いている
シーズン初期の注目ベイト
中部地方の本流は、解禁直後の時期はまだまだ冬の装い。トラウトたちの捕食対象は、ほとんどがベイトフィッシュか水生昆虫のラーバ、もしくはニンフ。特に山間部ではまだ水温、水位ともに低く、トラウトたちにとっても、とてもタフな環境といえる。しかし、一見すると寒く厳しい時期でも、状況を読んで釣りを組み立てれば、広い流れでも迷わずに探ることができる。そこで注目したいベイトのひとつがカジカ。カジカはこの時期産卵のタイミングにあたり、繁殖のために移動して、集まる。これは当然トラウトにとってもチャンスとなる。
ここでは、そんな2~3月の本流で使うカジカをイミテートしたストリーマーパターンを2本紹介したい。ピックアップしたフライは「カジカゾンカースイング」と「T-tube.S」。同じカジカをイミテートしたストリーマーフライだが、使う場所やアピール度は大きく異なっている。
「カジカゾンカースイング」を巻く
まず「カジカゾンカースイング」は、マテリアルを多めに取り付けているのが特徴。水流を多く受ける流れや水深のある場所で、大きくアピールするフライである。ランでいうと、前半部で使うことが多い。ニゴリのきつい時や、トラウトの活性が高い時などに威力を発揮してくれる。
カジカゾンカースイング・ブラウン
●フックシャンク……バリバス2500V-SE #4
●フック……TMC785 #4
●スレッド……ヴィーバス GSPスレッド50・ブラック
●スティンガーループ……TEALループライン・ブラウン
●ヘッドウエイト……タングステンビーズ・ブラックL
●テイル……ゾンカーテープ・ブラウン
●ボディー……TEALクレイジーダブ・オフパールホワイト、TEALベイトボディー・グレーブラック
●ハックル……マラブー・ブラウン
●ウイング……モルフォファイバー、イーグルマラブー・ブラック、イーグルマラブー・ブラウンオリーブ
●トッピング……ピーコックハール
●チーク……チカブー・ゴールデンオリーブ
●ヘッド……TEALクレイジーダブ・ホットオレンジ、TEAL クレイジーダブ・ブラックピーコック
「T-tube.S」を巻く
「T-tube.S」は水量が少なく、水深もあまりないポイントがマッチする。ランでいうと後半のヒラキにかけてのポイント。水流が少ない場所でも大きく動くチューブフライは、変化のない流れでのアピール度が高く、トラウトの活性を上げてくれるはずだ。またこのパターンはマテリアルを薄く巻いているので、「カジカゾンカースイング」に比べて光の透過性が高いのも特徴。そういった意味で、魚の警戒心が高い時もこのチューブフライは有効だと思う。
同じカジカのイミテートパターンでも、フライの形状やマテリアルの量などで大きく異なった動き、アピールをする。ポイントによって使い分けることがベストだ。
解禁後間もない本流でストリーマーを使うのは、朝夕がベスト。低水温でも動ける大型トラウトは、この時期動きが鈍ってノロノロと泳ぐベイトフィッシュを捕食するケースが多いと感じている。
「T-tube.S」
●フック……TEAL チューブフック #0
●チューブ……Proナノチューブ50mm
●スレッド……ヴィーバスGSPスレッド50・ブラック
●ウエイト……バレットウエイト・オレンジL
●テイル……チカブー・ブラウンオリーブ
●リブ……ゴールド・オーバルティンセルL
●ボディー……フラットブレイド・ピンクパール、TEALベイトボディー・ダークブラウン
●ハックル……マラブー・グレーオリーブ
●ウイング……モルフォファイバー、イーグルマラブー・ブラック、イーグルマラブー・オリーブ
●トッピング……ピーコックハール
●スロート……チカブー・ブラウンオリーブ
●ヘッド……TEALクレイジーダブ・ホットオレンジ、TEALクレイジーダブ・ブラックピーコック
2018/1/1