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矢﨑広志 フライキャスティング論

ロッドは腕の動きを増幅させる“アンプ”

山本克典=文、田伏博=写真

《Profile》
矢﨑 広志(やざき・ひろし)
やざき・ひろし。日本国内のトーナメントキャスティングにおいて、早くからその才能を開花させた。米国カルフォルニア州にあるゴールデンゲートアングリング&キャスティングクラブにてMCI(マスター・インストラクター)資格を取得。後進の育成に努める傍ら、自身もスペイキャスティングに熱心に取り組んでいる



この記事は2019年Early Summer号に掲載されたものを再編集しています

フライロッドは手、腕の動きを増幅する“アンプ”。いかに正しい動きを入力できるか

なぜオレンジ色のラインを使うのか

 まずはじめに、今回の特集で僕以外にもきっとオレンジ色のラインを使う方がいらっしゃると思いますが、これには理由があります。

 それはオレンジ色のラインが、もっとも見やすいからです。キャスティング練習においては、どんなループが出ているか、バックキャストにラインスラックが入っているかなどを確認しながら行なうのと行なわないのでは、大きな差があります。

 また、レッスンで教える時も、見えるというのは大切なことです。何が間違っているか気づかないと改善できません。

 ループ幅の不均一や、ラインスラックについて、僕も話すことがありますが、それらには必ず原因があります。ロッドティップがまっすぐ動いていないのですが、そこにも原因があります。

 キャスティングの教本には、フライラインとロッドティップの話は頻出しますが、ロッドティップと手の関係、「手がまっすぐ動いていないからロッドティップがまっすぐに動かない」という説明はほとんどありません。


 僕はロッドを音響機器のアンプ(増幅器)だと思っています。

 つまり、手がやったことを増幅してラインに伝えてくれるのがロッドの役目。ロッドをアンプに置き換えて話しますが、入力した音のとおりに表現してくれるアンプ、クリアにしてくれるアンプ、濁らせるアンプなどいろいろあります。

 しかしいずれのアンプにも共通するのは、音が正しく入力されないと、本来の性能が発揮されません。入力が間違っていると、間違った音しか出ません。

 ご存じのとおり、フライロッドにおける入力は「手」です。「ラインの乱れはティップの乱れ。ティップの乱れは手の乱れ」。ロッドを振るのではなく、手をどう動かすかです。

 よいロッドは、正しく使えば勝手に仕事をしてくれるというのが僕の持論です。

 ロッドを振り回すことに意識を向けていてはダメだと思います。振り回さなくなれば、キャスティングについていろいろ考えるようになるでしょう。

 たとえばもう少し下をねらおうとか、ループの形を意図的に変えようとか。常に考えることが上達への条件だと思います。


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2020/11/30

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今回はキャスティングとリールと大きく2つの特集を組みました。

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