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ウエット・タイイングのベーシック

ウイングの異なる3パターンを巻く

工藤 淳=解説

ウエットフライのタイイングでは、まず最初の関門になるのが、やはりウイングの取り付け。今回はフェザーウイング、クイルウイングを用いた代表的なフライパターンを紹介。また、ウエットフライの釣りを得意とする工藤淳さんに巻き方のシンプルな練習方法を聞きました。今回紹介したフライの詳細なタイイイングテクニックは、今後順次映像にて公開予定です。

《Profile》
工藤 淳(くどう・あつし)
青森県・三沢市在住。地元青森県の渓流域を中心にウエットフライの釣りを楽しむ。「Phase-D」のブランド名で、サーモンフライのタイヤ―としても活躍し、近年はタイイングスクールの講師を務める機会も多い。
Phase-D 

マーチブラウン

マーチブラウン
●フック……SAWADA オールドリマリック #6
●スレッド……16/0
●タグ……ゴールドフラットティンセル・スモール
●テイル……パートリッジ
●リブ……オーバルゴールドティンセル
●ボディー……ヘアズイヤー・オリーブ
●ハックル……パートリッジ・グレーネック
●ウイング……ヘンフェザント・ウイングクイル(一対)


上から。カディスのイミテートとしても人気のヘンフェザントのクイルウイングだが、メイフライのウイングとしても見せられるよう、極端にボディーに覆いかぶさるような形にはしていない

下から。パートリッジのハックルは、極端に後方にまとめすぎず、自然な状態のままレッグとしても見せている

クイーン・オブ・ザ・ウォータース

クイーン・オブ・ザ・ウォータース
●フック……SAWADA オールドリマリック #6
●スレッド……16/0
●タグ……ゴールドフラットティンセル・スモール
●リブ……オーバルゴールドティンセル(スモール or ファイン)
●ボディー……オレンジフロス
●ボディーハックル……コックネック・ブラウン
●ウイング……グレーマラード・フランクフェザー


上から。グレーマラードのフェザーウイングは、比較的簡単に留められるウイング。ベントよりもやや長いくらいが目安

下から。ボディーハックルは極端に後方になでつける必要はないが、ウイングは広がりすぎないように注意

ロイヤルコーチマン

ロイヤルコーチマン
●フック……SAWADA オールドリマリック #6
●スレッド……16/0
●テイル……ゴールデンフェザント・ティペット
●ボディー……ピーコックハール、レッドフロス
●ハックル……コックネック・ブラウン
●ウイング……ダッククイル・ホワイト(一対)


上から。テントウイングのようにボディーを挟み込むような形は避け、あくまでもシャンクの上にウイングが乗っているように取り付ける

下から。コックネックのハックルは、ある程度下方にファイバーをまとめておく。ウイングのバランスも下から見てチェック

ウイング取り付けの練習方法

まず、ウエットフライのタイイイングでつまずきやすいのは、「ウイングの取り付け」だという人は少なくないと思います。

そんな時にいつもアドバイスするのが、スレッドを巻いただけのシャンクにウイングを留めてみるという方法です。こうすることで、邪魔なマテリアルがないので実際のフライパターンに巻く時よりもウイングはずいぶん留めやすくなるはずです。
タイイングデモを行なう工藤さん。ウエットフライのビギナーからよく質問されるのが、やはりウイングの取り付け方だとか

ウイングだけをシャンクに乗せる工程を繰り返すことで、スレッドを絞り込んでウイングを留める感覚が養えると思います。その際は、フェザーやクイルなど、実際のタイイングではほとんど使わないような部分を用いれば充分です。

したがって、実際のタイイングでもウイングを乗せる部分は極力すっきりとさせておくことが大事です。「すっきりさせる」とは、細くする、段差をできる限りなくす、ということです。

同じように、ボディーが細いパターンのほうがウイングは留めやすいということができます。極端にいえばボールペンの軸にウイングを留めるのが難しいように、太いボディーでのタイイングは、スレッドも広がるので、まずこの工程で悩んでいる人はボディーを細身にしたパターンから試してみてはいかがでしょうか。
ウエットフライを詰め込んだ工藤さんのボックス。ウエットフライをきれいに仕上げることは、結果的にフライの耐久性も上がることになる

<タイイングの詳細な手順は、以下の日程で解説動画を公開予定!>
7月11日/マーチブラウン
7月13日/クイーン・オブ・ザ・ウオータース
7月19日/ロイヤルコーチマン

それと丈夫なフライを作るコツをもう1点、ヘッド部分でスレッドはできる限り重ねて(クロスするように)巻かないように心掛けたいですね。リールでも一方に偏ってラインを巻き取ってしまうと、あとでズルッとズレてしまうことがありますよね。フライのヘッドもそれと同じです。

スレッドが重なっていなければ均一に力が掛かってマテリアルを固定できるので、壊れにくく、しっかりとしたシルエットを保つことができます。

実際にウイングを留める際は、指の中で挟んだマテリアルにスレッドを掛け、スレッドとマテリアルをつまんだ指を、同時にシャンクにスライドさせるようして固定しています。

2018/7/9

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瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編
瀬戸際の渓魚たち 増補版 西日本編 本体2,500円+税 A5判カラー256ページ
1998年刊行の幻の名著が2020年の視点も加筆されて、復刊です。 フィッシングライターとして現在も活躍する佐藤成史さんのライフワーク、人間の活動などにより生息場所を狭められる渓流魚たちを追いかけ写真に収めた貴重な記録。 インターネット前夜…
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最新号 2020年12月号 Mid Autumn

特集
共鳴するウエットフライ
エキスパートが実践していること

 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
 先般22年ぶりの復刊となった、佐藤成史さん著『瀬戸際の渓魚たち』。Special Topicsと題しまして、阿武隈高地の天然イワナについて現状を取材してきました。日本列島形成の背景をもとに浮かび上がってきたのは、イワナたちの「山越え」という仮説。人類の営みと比べたら気の遠くなるような時間をかけて脈々と受け継がれてきたイワナたちの「血」。そんな歴史を感じることのできる幸福と、現状への警鐘があぶり出されています。
 巻末の長編特集は、来日も幾度となく果たし、「フライキャスティング」に大変革をもたらしたといってよい、メル・クリーガーさんを紹介しています。メルさんをよく知る5名に、知られざる側面を含めた彼の功績、人となりを語ってもらいました。
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