【管釣り】水面直下のニンフィング
管理釣り場の低番手アプローチ
菊池 秀二=解説
管理釣り場でも#4ロッドがあれば、幅広いスタイルの釣りが楽しめる。水面下を漂わせるように誘うニンフの釣りなど、シンプルで繊細、そして多くの反応が得られるテクニックをレポート。
この記事は2016年2月号に掲載されたものを再編集しています。
《Profile》
きくち・しゅうじ
栃木県在住。シーズン中は中禅寺湖や湯ノ湖などのフィールドに通うことが多く、シングルハンドからダブルハンドまで、止水域の釣りを得意としている。管理釣り場でビギナーに釣りを教える機会も多い
きくち・しゅうじ
栃木県在住。シーズン中は中禅寺湖や湯ノ湖などのフィールドに通うことが多く、シングルハンドからダブルハンドまで、止水域の釣りを得意としている。管理釣り場でビギナーに釣りを教える機会も多い
低番手のメリット
ポンドタイプの管理釣り場でも、#3~4の渓流用タックルをそのまま流用して楽しめる。フライラインも普段使っているダブルテーパーのフローティングでOK。そんな気軽な釣りを楽しんでいるのが、栃木県に住む菊池秀二さん。「大きなポンドでも、渓流用のロッドで届く10mほどの範囲で充分魚の反応を得ることができます。パワーを優先したロッドよりもやり取りが楽しく、手返しのよいコンパクトな釣りができるので、釣り場が混雑時でも効率よく遊べると思います」

気軽な低番手の釣りとはいえ、釣果を犠牲にしているわけではない。もちろん菊池さん自身”釣りやすい“という理由から#4ロッドを愛用しているのだが、おすすめの釣り方のひとつが、ニンフを上層に漂わせて誘うスタイルだ。
DTフローティングラインに全長で15~16フィートとなるリーダーシステムをセットし、オリーブ系のシェニールを使用したニンフを結ぶ。ティペットは4~6Xを使用。魚のサイズが大きい場合は4Xを結ぶが、プレッシャーの高いフィールドではやはり圧倒的に6Xのほうが反応がよい。リーダー、ティペットにはナイロンを使用する。

極遅のリトリーブ
キャストする際は、フライまでしっかりとターンさせて落とす。その後フライラインを”張らず緩めず“の状態で維持するよう、風や波でできた不必要なスラックだけを取るように手もとのラインをゆっくりとたぐっていく。この時見ているのはフライラインの先端(リーダーの接続部)。アタリがあればその部分がスッと水中に入ったり、横に走ったりするような変化が見られる。

そんなアタリが出ればサオを立てたいところだが、サオはそのままに、ラインを強く引くように合わせるのがコツ。その後フッキングを確認してからロッドを立てる。
もちろん高活性時にはアタリが手もとに直接伝わってくることもあるので、常にラインハンドはラインに伝わる反応を”きいている“状態にしていることが大切だという。

フライは水面下30cmほどの層を漂わせるようなイメージ。そのため、ある程度放っておいても水の動きで揺らめいてくれるようなマテリアルを用いたパターンが効果的だとか。

●フック……KEN SAWADA ワイドゲイプスロート#12~14
●スレッド……6/0ブラック or ホワイト
●ボディー……メルティヤーン(ダークオリーブ、ライトオリーブ、ラスティーブラウンを同量ブレンド)
基本的には、オリーブのダーク、ライトバージョンの2カラーでほぼすべての状況に対応している。ウエイトは巻いていないので、水馴染みがよいように、太軸のフックを使う
インジケーターも用いず、シンプルなシステムが魅力のアプローチだが、ラインが弛みすぎているとフライを飲まれがちになるので注意が必要だ。
「#3、4ラインは#6ラインに比べて軽く細いので、魚がフライをくわえた時に生まれる抵抗が少なく、食い込みもよいように感じます。そういった意味でも、渓流用のタックルは、プレッシャーの高い管理釣り場の魚を相手にするにはぴったりだと思います。もちろんライトすぎるタックルは、やり取りで不利になってしまうのでおすすめできませんが……」
この釣りは特に水のクリアなポンドで効果的だと菊池さんは話す。サイトフィッシングでも使えるテクニックなので、繊細なアタリを楽しみたいという人にはおすすめだ。

ライズにも効くユスリカの釣り
管理釣り場にも生息していることが多いユスリカ。ライズはあるのにドライフライヘの反応がイマイチという場合には、水面直下のユスリカの釣りが効果的だ。そんな時、菊池さんは前述したニンフィングと同じシステムで、#16ほどのピューパ・パターンを使用している。
2024/2/2