今さら聞けない水位チェックの基本
インターネットで知る「あの川の今」
FlyFisher編集部=写真と文
スマホが普及した現在、川の水位なんかはすぐに確認できるようになった。しかし、ただ数字の羅列を見ても、それが何を意味するのかを知らなければ意味がない。水位情報チェックの基本を、ここでしっかり抑えておこう。
この記事は2017年12月号に掲載されたものを再編集しています。
今は増水? 渇水?
おそらくほとんどの人は、釣りに行く前にインターネットでなんらかの情報を集めているだろう。現地の天候はもちろん、最近の釣行を記録したブログだったり、あるいは水位の変動だったり……。ライブカメラの設置された川では、リアルタイムで川のようすが見られる。まったく便利になったものである。しかしウェブで水位情報を確認しても、実はいまいち釣りに活かせないケースも多い。というのも、川によって平水の基準がさまざまだからだ。
普段の数値を知らずに見ても、それが増水なのか渇水なのか、分からないということもある。とはいえ、せっかく情報がタダで手に入るのだから、チェックしない手はない。「今まで見たことない」などという方は、もったいないのでぜひ活用してはいかがだろうか。
調べるのは簡単。GoogleでもYahoo!でもいいので、「〇〇川水位」などと打ち込んで検索すればいい。数種類のページが出てくるかもしれないが、だいたいは国土交通省の観測所データをまとめているので、そこで水位などを確認できる。
おすすめは「川の防災情報」というページで、検索すると国土交通省の該当ページが出てくる。右上のほうにある「観測所検索」をクリックし、河川名などで検索すればよい。観測所によっては雨量しか出てこないこともあるので、水位も観測されている場所を選ぶとよい。



過去の平均値を知るには?
現時点の水位も重要だが、先述のように過去の数値を知らないと、せっかくの情報を活かせない。そこで確認したいのが、同じく国土交通省の「水文水質データベース」というページ。こちらは過去のデータがまとめてあるので、たとえば数年前の水位データも知ることができる。おおよその平均を知ることができれば、現在の水位が高いのか低いのかも分かるわけだ。
秋田県の役内川を例にすると、春の雪代時期でプラス40cm前後の数値が出ている。これがプラス25cmくらいにまで下がると、上流域で水が澄んでくるという。この時期がだいたい5月中旬以降で、下流の本流域でもライズが始まるようだ。
一方で夏の渇水時期は、マイナス10cmからマイナス15cmあたりが平水くらいになる。このように時期によって基準は変わるので、やはり過去の情報が必要なのだ。
ホームグラウンドの川に関して、だいたいの数字を知っておくと、釣行の際に参考になる。ちゃんと情報を活用する者は、良型を手にするチャンスも増えるのである。



2018/2/28