STの整理と収納
シューティングヘッドを現場で快適に扱う
安田龍司=解説本流フライフィッシングの名手、安田龍司さんが実践しているシューティングヘッドの整理&収納方法を紹介。フィールドで快適に釣りを始めるためのシンプルな管理方法。
この記事は2009年2月号に掲載されたものを再編集しています。
《Profile》
安田 龍司(やすだ・りゅうじ)
1963年生まれ。愛知県名古屋市在住。ストリーマーやウエットフライの釣りを得意としており、九頭竜川のサクラマスねらいの釣りをはじめとして、新潟や北海道の本流などの経験も豊富。正確な釣りのテクニックに裏打ちされたタイイング技術にも定評がある。
安田 龍司(やすだ・りゅうじ)
1963年生まれ。愛知県名古屋市在住。ストリーマーやウエットフライの釣りを得意としており、九頭竜川のサクラマスねらいの釣りをはじめとして、新潟や北海道の本流などの経験も豊富。正確な釣りのテクニックに裏打ちされたタイイング技術にも定評がある。
ラインの撚れを解消するために
本流の釣りで多用するシューティングヘッドは、通常、釣り場の状況や魚の活性に合わせて、長さやシンクレートの異なるいくつかのタイプを携行する。この時、ラインの種類が増えてくるほど、大切になるのが効率のよい収納と管理だ。自分が必要とするラインは、釣り場で素早く捜し出せなければならないし、また、川に立ち込んだままライン交換をすることもあるので、その扱いも素早く、確実に行なえるようにしておかなければならない。
ライン(シューティングヘッド)を収納するのには、専用のワレットを利用するのが便利だ。ある程度長いシューティングヘッドの収納を前提としたものから、シンクティップラインのティップ用まで各社からいろいろなタイプが発売されている。
フライラインを束ねるモールに適合ロッド、ラインの種類、シンクレート、全長、重量などを書き込んだタグを取り付けておく。このタグを巻き取ったシューティングヘッドに付けておけばラインの取り違えを防ぐことができ、さらに万が一ラインを失ったとしても、後日タグを見るだけで何を補充すればよいかが分かりやすくなる
内部には間仕切りがあり、収納スペースが5つくらいに分けられていて、中にはラインの種類が分かるようにラベルの付いたものもある。
このワレットの中に、シューティングヘッドやシンクティップをコイル状に巻いて納めるわけだが、この時1つだけ注意したいのが「ラインの撚れ」だ。
ラインが短い時はそれほど問題にならないが、長くなってくると手でクルクルと巻き取る時に撚れが発生してしまう。そして、撚れが発生したまま収納してしまうと、次回使用するときにラインに癖がついたり、コーティングに悪影響を及ぼす場合がある。
そこで私は、ラインを手で巻き取る際に、5〜7回転ごとにコイルの向きを持ち替え、その都度巻き取る回転方向が逆になるようにしている。
つまり、右回りに5回転巻いたらコイルの向きを変えて、左回りに5回転巻き、その前の右回り5回転分の撚れを取るというぐあいだ。この単純な作業でコイルの撚れは防止できる。必要とあれば、この方法でフルラインを収納することも可能だ。
釣り場ですぐに釣りを始められるよう……
もう1つ気をつけたいのがシューティングヘッドの向き(前後)。すでにリーダーを接続してある場合は問題ないが、そうでない場合は、先端と後端があとで分かりにくくなる場合もある。私はこの問題を解決するため、(というよりも、実際は釣り場でスムーズにスプライスネイルノットができるようにするため)、釣りに行く前にシューティングヘッドの先端側には使用済みのリーダーのバット部分の切れ端を、後端側にはシューティングライン(ランニングライン)の切れ端をそれぞれ2cmほど、針を使ってあらかじめ通しておき、片方にエイトノットなどをして抜けないようにしておく。
コイル状にしたヘッドの後端にはシューティングラインの切れ端を差し込んでおく。ちなみに、接続にスプライスネイルノットを用いる理由は、トラブル回避とラインに掛かる余計な抵抗を減らすため
こうしておくと、現場ではリーダーやシューティングラインの先端をカッターナイフで少し斜めに削いで、あとはシューティングヘッドから短いラインを抜き、その穴にリーダーやシューティングヘッドを通すことで素早くスプライスネイルノットを行なうことができる。
※以下の本誌からもご覧いただけます
書影をクリックするとFujisan(電子書籍を取り扱っているサイトです)へジャンプします。FLY FISHER 2018年3月号
やすらぎが求められる今日、フライフィッシングは自然にローインパクトな付き合いのできる奥の深い趣味として多くの人々に支持されています。『FlyFisher』 は全国誌として、高い支持を得ているフライフィッシング専門誌です。最先端のテクニックはもちろん、目が覚めるような自然の一瞬の美を切り取った写真の数々が読者を魅了します。
2023/12/14