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クイルウイングの取り付け方

ウエットフライのワンポイント・アドバイス

安田 龍司=解説

ウエットフライのポピュラーなウイングでもある「クイルウイング」。今回はその留め方をワンポイント・アドバイス。
この記事は2015年11月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
安田 龍司(やすだ・りゅうじ)
1963年生まれ。愛知県名古屋市在住。ストリーマーやウエットフライの釣りを得意としており、九頭竜川のサクラマスねらいの釣りをはじめとして、新潟や北海道の本流などの経験も豊富。正確な釣りのテクニックに裏打ちされたタイイング技術にも定評がある。

今回紹介するのはブラックカラーのクイルウイング。安田さんは本流のレインボーやサクラマスの釣りに結ぶパターンに採用している。

特に濁っている状況やイブニング時など、川の中が暗い時に効果的な1本。安田さんの1軍パターンでもあるウィットグリーンなどで反応がない時、魚の目線を変えるという意味でも効果的なパターンだという。

次からは、ウイングの固定方法に絞って、そのコツを解説する。

まずはフェザーの中ほどから、片方のウイングを根元から切り取る。そして対になっているフェザーの同じ箇所から、もう片方のウイングも同じようにカット

左右のウイングをカットしたら、2枚の「裏側」同士を重ねる。この時にまずは先端を合わせて、さらに幅を重ねて調整。片方の幅がある場合は、余分を取り除いて調整する

2枚のウイングを合わせた後は、一度真っすぐにしてから、下側に曲げる。こうすることで、ウイング先端の形を調整。基本的にはファイバーの長い側を上にする

ウイングの形を調整後、カットした根元側も極端に斜めになっていないかチェック

ウイングの後端がタグのあたりになるように留めるのが目安。まずは固定する前に長さを確認。ちなみに、ウイングを美しく取り付けられるよう、アイのすぐ後ろに留めるマテリアルは、事前にシャンクの下側に固定しておくことようにしている。

ウイングをアップアイのシャンクに留める場合、安田さんは写真のようにウイングを浮かせた状態でスレッドを掛ける。アップアイの場合では、ウイングをシャンクに当てた際にアイ付け根部分のカーブによってバラけてしまいがちなので、浮かせた状態で作業する

マテリアルをシャンクから離してスレッドを1回掛けたら、そのまま真下方向にウイングを縦に絞り込むようにスレッドを落とす。この時、マテリアルを保持した左手は離さないよう注意

左手を離し、ウイングが跳ねすぎず、寝すぎず、写真のような状態で固定されたのを確認したら、さらにスレッドを数回掛けてしっかりと固定

余分のマテリアルをカットしたら、ヘッドの形を整え、セメントを塗って完成
ピーコックブラック
●フック……TMC7999 #4~8
●スレッド……16/0 ブラック
●タグ……ミラージュOPL SM
●テイル……コックネック・ブラック
●リブ……ソフトワイヤー・レッド S
●ボディー……ピーコックハール・ダイドブラック
●スロートハックル……コックネック・ブラック
●ウイング……ピーコック・ブラッククイル


2017/12/11

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今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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