まず結びたいフライ。
パイロットパターンを選ぶ根拠は?
遠藤岳雄、伏見邦幸、曳地弘成=解説 渓流のブラインドフィッシングでは最初にどんなフライを結ぶのか。数々の経験に裏打ちされた、名手たちが結ぶ信頼のパターンとその使い分けを紹介。この記事は2011年8月号に掲載されたものを再編集しています。
曳地弘成さんのフライパターン
盛期を迎えたフィールドでは、メイフライとテレストリアルの発生が重なっていることも多い。そんな時は最初に何を結ぶかで迷うことも多い。釣れるとされている有名パターンをとりあえず結んでみる……というのも一つの方法ではあるが、できればそこにはきちんとした裏付けがほしい。地元を中心に東北各地の渓を釣り歩く福島県郡山市在住の曳地弘成さんは、パラシュート派である。スタンダードフックに巻いたものと、カーブドシャンクのフックに巻いた半沈みタイプの2種類のパラシュートパターンをベースとして使い分けている。
プレッシャーの高い渓や渇水といったシビアな状況では半沈みタイプを、それ以外ではスタンダードフックに巻いたパラシュートを結ぶのが曳地さんの判断基準だ。ボディーを太くし、色をブラウン系にすることでメイフライと陸生昆虫のどちらにも見えるように仕上げたものも多い。
ラムズパラシュート#13
メインフライは、陸生昆虫と水生昆虫を掛け合わせたパラシュート。ボディーにテーパーを付け、全体をブラウンでまとめて、メイフライとテレストリアル両方のイメージを合わせたもの。流れのあるところではメインとなるパターン
また、ハックルを大きめに巻いたものを準備しておけば、不意に現われるモンカゲロウやオオマダラカゲロウといった大型メイフライにも対応できるため、カバー範囲は広くなるという。
オールパーパス・フェザントテイル・フローティングニンフ#11
有名河川やシビアな状況下で使うタイプ。視認性もよく、ラフな水面でも安定してくれるのが特徴。ハックルを大きくすれば、モンカゲロウやオオマダラカゲロウなどの大型種にも対応する
伏見邦幸さんのフライパターン
パラシュートでもカディスでもテレストリアルでもない、オリジナルのパターンを最初に結ぶのが、福島県南相馬市在住の伏見邦幸さん。イワナ、ヤマメにこだわらず、東北を中心に毎年良型を釣り続けるベテランのひとり。2024/5/31