水辺の「あれっ?」を解決。
渓流フィールドのQ&A フライパターン編
遠藤 早都治=解説 魚の活性に合わせたフライ選択や、ナチュラルドリフトはもちろんだが、その前の段階でも意外としがちなミスは多い。今回は、そんなビギナーが抱きがちな悩みをピックアップ慣れないうちはベテランの人が付き添って教えてくれるのが一番だが、その後「こんな時はどうすれば?」と感じる部分は必ずあるはず。ここでは、そんな疑問をQ&A形式で紹介。
この記事は2014年4月号に掲載されたものを再編集しています。
《Profile》
遠藤 早都治(えんどう・ さとし)
1977年生まれ。神奈川県横浜市で「フライフィッシングショップなごみ」を営んでいる。ビギナーを中心に渓流の実釣スクールも定期的に実施している。スクールでは、「初めての1尾」を釣ってもらう機会も多い。
●フライフィッシングショップなごみ http://www.nagomifish.jp/
遠藤 早都治(えんどう・ さとし)
1977年生まれ。神奈川県横浜市で「フライフィッシングショップなごみ」を営んでいる。ビギナーを中心に渓流の実釣スクールも定期的に実施している。スクールでは、「初めての1尾」を釣ってもらう機会も多い。
●フライフィッシングショップなごみ http://www.nagomifish.jp/
Q 一般的にはどのくらいフライを持って渓流に出かけているのでしょうか?
A 最低でも20~30本は用意したいですね。
ビギナーの方にフライは何本ほど持っていけばよいのかとよく聞かれるのですが、「20-30本」と答えると、たくさんの人がその数を「多い」と感じるようです。
しかしフライフィッシングを始めたばかりのうちは、想像以上にフライがなくなります。アワセ切れをしたり、後ろの木の枝に引っ掛けたり、さらにはキャスト中に岩などにぶつけてフックが折れたりすることなどは、頻繁に発生します。
視認性の高いバターン、ナチュラルカラーのものなど、それぞれ4、5本ずつポックスに入れておけば安心。サイズは#14~18がスタンダード
そうした経験が少ないと「5本もあれば大丈夫」だと思っている人も多いのですが、実際は最低でも20本は1日分として用意しておくことをおすすめします。
その場合、本州の渓流のブラインドフィッシングの場合では最も汎用性の高い#14~18のパラシュートタイプを、それぞれ明るいカラーと暗い力ラー、そして中間色のパターンを5本ずつぐらい揃えておくと、さまざまな状況に対応できると思います。
その時のシチュエーションにマッチしたパターンを選んで釣るのがフライフィッシングの楽しみでもあるので、さまざまなフライを持っていって損はないはずですよ。
Q 最初に使うフライパターンはどのように決めますか? 交換のタイミングは?
A まずは、よく浮き、よく見えるパラシュートパターンを使います。交換の目安はポイント状態や魚の反応を目安にします。
特定の虫が多く出ているような状態ではなく、まずはその日の反応を探りたいという場合には、汎用性の高いパラシュートパターンを使います。
具体的には#16のアダムズ・パラシュートなど中間色系のものがおすすめです。その際まずは6Xティペット、プレッシャーの高い河川では7Xのティペットを使ってようすを見ます。
釣り方が間違っていなければこれである程度の反応を得ることができるはずですが、それでも反応が悪ければ、プールなど流れの緩い場所ではCDCダン、ソラックスダンなど水面に張り付くような浮き方のパターンに変更します。逆に流速の速い場所や落ち込みなどを探る場合は、流れに揉まれても沈まない浮力の高いフライを使うようにしています。
最初に使うのはよく浮き、視認性もよいパターン。カラーの選択基準がない時には中間色系のパターンでとりあえず反応を探るのも有効な手段
このほか、魚がフライに反応して水面近くまで浮上してきてUターンしたのが見えた場合など、プレッシャーの高い魚に効く、ハックルを薄く巻いてインジケーターなどを除いた繊細なパターンに結び替えるのが効果的です。
いずれにせよ、どのタイミングでフライを替えたらよいのか分からないまま、なんとなく釣りを続けてしまうのは避けたいところ。基本的には「高く浮く or 水面に張り付くように浮く」、「ボリュームのある or 繊細なパターン」と使い分け、メリハリのあるフライローテーションを行なってみたいですね。
Q やはり先行者がいる場合、釣りは難しいですか?
A 場所を変えられるのが理想的ですが、それが無理な場合は意識してねらう場所を変えて対応します。
2024/4/1