身近で楽しむライトソルトフィッシング

三浦半島のメバル釣り

佐古 啓樹=解説
メバル釣りでは極端に遠投する場面は少ないが、風除けのない場所で釣ることが多いので、#5~6ロッドが釣りやすい。八景島の明かりがバックに輝く

夜の干潟でひっそりとウエーディング。周囲にはメバルが静かにボイルを繰り返す音……。#4でも楽しめる、身近でおおらかなロックフィッシュねらい。
この記事は2015年2月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
さこ・ひろき
1966年生まれ。神奈川県横浜市在住。主にマッチング・ザ・ハッチの釣りをメインに楽しんでおり、忍野にも詳しい。タイイングスクールの講師を務めることも多い一方、1年を通じて三浦半島のメバル釣りなどにも出かけている。


1年中メバル釣り

メバルねらいのフライフィッシングは#4~6(淡水用のタックルも流用可能)のライトタックルで楽しめるソルトゲームだが、横浜市在住の佐古啓樹さんは、このメバル釣りをほぼ1年中楽しんでいる。

「私の通う三浦半島周辺のメバル釣りは、8月の暑い時期をのぞけば、ほぼ周年フライでねらえます。メインは秋口から梅雨ごろまでですが、最も型がよくなるのは5~6月にかけてのタイミングだと思います。普段は20cmほどの魚が多いのですが、運がよければ尺近い魚も釣れたりしますよ」
メバルはフライフィッシングのターゲットとしては、とてもおおらかな魚。はじめから難しく考える必要はなく、まずは手持ちのタックルでメバルの付いていそうな浅場を探ってみる。

この日訪れたのは、神奈川県横浜市の野島周辺の干潟。他にも三浦半島の地磯やゴロ夕場などがポイントになるが、特に水深1mほどの場所はフローティングラインのみで探ることができるので、そういったポイントを重点的に釣り歩いているという。
野島公園前の干潟。干潮時であればウエーディングして進むことができるが、悪天候時などはくれぐれも無理をしないように心がけたい。周辺に生えるアマモは生きもののゆりかごのようなもの。傷めないように注意したい

佐古さんのホームグラウンドである三浦半島ではほとんどの場所でメバルが生息しており、インターネットのグーグルマップなどの航空写真を利用して、フライで探れそうな浅場を見つけることもあるという。

ちなみに漁港を釣る場合は、岸壁際の街燈の明かりが水面に明暗を作る箇所を中心にねらっている。
野島前の干潟にはアマモが茂っている。夜になると、この中に身を潜めていたメバルが活発にエサを追いかけ始める。当然、フライを沈めすぎれば根掛かりしやすくなるので注意

釣行のタイミングとしては、潮が動いている時がベスト(ウエーディングの場合は下げ方向に動いている時)。とはいえ佐古さんのこれまでの経験から、あまり速く潮が動いている時よりは、だらだらと徐々に潮位が変わるような状況のほうがよいという。

そのため、大潮よりは中潮、小潮の日に魚がフライを追いやすくなる。また、昼間は魚がなかなか浮いてこないので、どんな潮回りでも陽がしっかりと落ちてからが釣りやすい。
波や風がなく、魚の活性が高い時は、メバルが水面までエサを追ってボイルする音が聞こえる

浅瀬の表層の釣り

この日、佐古さんは浅場に生えるアマモの上をゆっくりと標わせるようにフライをリトリーブしていた。

「フライはスローに引き続けるのが効果的ですが、遅い分にはいくら遅くても構いません。一方速く引きすぎると反応は悪いようです。私が一つの目安として感じているのは、カブトムシが歩く速さ。ストロークは魚の反応を見て、長短いずれも試すようにしています。とはいえ、難しく考える必要はなく、フライサイズさえ大きく外していなければ何かしらの反応はあるはずです」
手もと、足もとを照らすためにヘッドライトは必需品。暗闇の中でフライパターンを交換することもしばしば

フローティングラインの釣りでは、基本的に浮いている魚をねらっているので、軽いダンベルアイなどを取り付けたフライでも基本的にカウントダウンはせずにリトリーブを開始する。潮が速い時には、川のウエットフライのように、潮にフライラインを乗せてドリフトさせるように漂わせるのも手だ。

ちなみに、釣りは夜間のウエーディングがメインなので、天候が悪い時や波の高い時は、くれぐれも無理をしないこと。ライフジャケットの着用はもちろん、初めての場所でウエーディングする際に単独釣行は避けたいところだ。
右上/夜の海で転んだら大変なので、ライフジャケットは必ず着用すること。佐古さんはフィッシングベスト・タイプのものを使用
右下/ライフジャケットの背中には、写真のような点滅するレッドライト(自転車用のものでOK)を取り付ける。夜の干潟をウエーディングする時に、岸から見て、どこに自分が立っているのかを知らせることができる
左上/ウエーディング時に足もとを照らすためにも重要なヘッドライト。防水機能の付いているものを選びたい
左下/秋から冬の海は風がある日も多く、気温以上に身体が冷えやすい。そこで、こんなものをポケットに忍ばせておくと心強い


タックルについて

佐古さんの場合、メバル釣りには基本的に#5ロッドを使用。淡水用のものでも充分使うことができ、風がある時には#6、逆に無風状態の時には#4ロッドで楽しんでいる。遠投する場面も少ないので、風がなければあえて低番手モデルを持ち出して、メバルの引き味を楽しむのも面白い。
佐古さんはソルト用のバットの強い#5ロッドをメインに使用。それでも風のない時は、渓流でも使う#4ロッド、さらにはグラスロッドなどを使って、メバルの引きを楽しんでいる。ちなみに、必須ではないが、ラインバスケットがあると釣りやすい。魚の写真を撮る時にも便利

フライラインはフローティングラインだけでOKだが、特にSAの「テクスチュアド」タイプなどは潮切れもよくおすすめ。リーダーシステムは、テーパーリーダー9フィート(ロッド1本分)に、ティペットとして1.2号ほどのフロロカーボンラインを結ぶ。

トラウトの釣りのように細かく設定する必要はないが、キャスト時にしっかりとターンさせられることは重要だ。
マラブーを留めたストリーマータイプのものから、ヘアマテリアルやダンベルアイを使ったスカッドパターンまで、さまざまなサイズを用意。いずれのパターンでも白っぽいカラーが特に効果的だという

ちなみに佐古さんはドロッパーシステムも使用。最も多く捕食されているベイトは小型のエビなどの甲殻類で、サイズを変えたパターンをそれぞれ結んで反応を見ている。マラブーを付けたストリーマーから、渓流用のグリフィスナットのようなフライまで、佐古さんが使うパターンはさまざまだが、おおむねホワイトカラーのフライに反応がよいという。

このほかにも、イワシやバチがベイトになると偏食を始めることもあるので、それらをイミテートしたパターンも用意している。

2017/10/30

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
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