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湖のシンプル・タックル考

5番ロッドから始める湖の釣り

遠藤早都治=解説

湖の釣りを始めてみたいが、タックルが複雑そう……そんな疑問への答えを解説。まずは最小限&シンプルなシングルハンド・タックルの釣りを紹介。広大なフィールドだからといって飛距離だけを求めずに、まずはドライフライも、シンキングラインの釣りも正確に、釣りやすいスタイルを覚えたい。
この記事は2016年11月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
遠藤 早都治(えんどう・さとし)
1977年生まれ。横浜市都筑区で「フライフィッシングショップ なごみ」を営んでおり、ビギナーにレクチャーする機会も多い。止水の釣りがテーマのスクールも定期的に実施しており、自身もシーズン中は芦ノ湖や中禅寺湖に通う。
●フライフィッシングショップ なごみ www.nagomifish.jp/

まずはシングルハンドの5番ロッドから

私は、日頃からフライフィッシングの初心者の方とお話する機会が多いため、ここでは湖の釣りが初めての方にもおすすめできるセッティングを前提に解説していきたい。

湖のシングルハンドやダブルハンド・ロッドでの岸釣りは、主に水深の浅い場所がメインになる。水面から水面直下の釣りは繊細さが要求され、飛距離よりもプレゼンテーションが重要になってくる。

ラインをターンさせ、フライをソフトに落とさなければならないため、まずは9フィートの5番ロッドが扱いやすいだろう。そして、スムーズで強力なブレーキを持つリールがあるとなお安心だ。
まず用意するのであれば、シングルハンド・ロッドで問題ない。湖とはいえ、飛距離を追求するよりも、正確さや繊細さを求めたていねいな釣りをするほうが、多くの場合釣果を得やすい

ドライフライの釣りは?

早春の釣りは#14〜18の小型のユスリカのパターンを使い、その後季節が進めば芦ノ湖のシリナガマダラカゲロウ、中禅寺湖のモンカゲロウなど、#10前後の大型メイフライを使うケースも多くなってくる。

5番ロッドであれば、ある程度ラインの重さもあるので、それらのフライを不安なく扱うことができる。小型のユスリカを使うのであれば、対象魚にもよるが、湖といえども6Xティペットを使うことも珍しくないので、ロッドは細いティペットに過剰なテンションを掛けずに魚をあしらえる、繊細なティップを持つモデルが理想的。
時には浅場がねらい目となることもあり、そんな時はウエーディングせずに、アプローチにも気を遣う。ライトタックルこそが楽しい場面

大型のメイフライを使うならば、使うティペットは3X前後になる。この考え方をベースに、あとは対象魚とフライの大きさによって4〜7番までの幅でタックルを選べばよいと思う。

たとえば、ハルゼミパターンなどの大きなドライフライを投げるならば、2X以上のティペットを結ぶので、6番以上のロッドが使いやすくなる。ドライワカサギの釣りの場合も、基本的に同じタックルで問題ないだろう。

釣り場が混み合っていないようなら、それほど遠投する必要はなく、カケアガリなどのラインを見つけて近場にフライを落として静かに待っていれば、意外とヒットに恵まれることもある。
シングルハンド・ロッドで掛ければ、やり取りもそのぶんスリリング。すぐ目の前の湖面でドライフライにアタックしてくるさまも刺激的だ

シンキングラインの場合は?

芦ノ湖の釣りを例に挙げると、解禁当初は放流されて間もない魚を釣る機会が多いため、マラブーパターンなどを引っ張って反応を見るのが定番といえる。

その後4月に入るとユスリカをイメージしたフライへと切り替えていくが、これだけでもティペットは2Xから6Xまでの幅を使っているから、やはり最初のロッドは9フィート5番が万能といえる。
春の芦ノ湖。写真のようにウエーディングで釣る場面が多いが、水中をストリーマーで探る場合は、シューティングヘッド・システムが主流

一般的にシンキングラインを扱うフライロッドは5番以上であれば無理がない。なかでもしっかりしたバットパワーを持つものがおすすめ。飛距離が必要な時や風が強い時は、高番手ロッドほど有利になる。

やはり5番と8番の飛距離の差は大きいので、ストレスなく釣りをするためには、環境やフライに適応した番手のロッドがあると心強い。

主流はシューティングヘッド

フライラインはフローティング、シンキングともに、バックスペースがなくても投げやすいスカンジナビアンスタイル(アンダーハンド・キャスト)のものを使用している。

具体的にはSAの『オーバーヘッド&ディー』のシューティングヘッド(ST)などはビギナーでも扱いやすいと思う。ヘッドの長さを短くしたければ前後2番手の範囲で、後ろからカットして使っている。その場合、ロッドに対応するラインの重量を調整することを忘れずに。

シングルハンド・ロッドの場合は、使うヘッドの長さは7〜9mのものが一般的。バックスペースが少なかったり、ウエーディングでねらったりする場合は短いヘッドを使う。


ビギナーに湖の釣りを案内する機会も多いという遠藤さん。ドライフライからストリーマーの釣りまで幅広くこなすが、「まずはシンプルなタックルで、扱いやすいシステムから

逆にバックスペースが充分あり、遠投が必要ならば長いヘッドを選ぶようにしている。いずれにせよ湖のウエーディングの釣りではシューティングヘッドが主流となっており、ロングヘッドのWFラインやダブルテーパーは、今ではあまり使われなくなっている。

ちなみに、水中を探るシンキングラインを使った釣りでは、まずは沈下速度(シンクレート)がインターミディエイトとタイプ2があればほとんどの状況に対応できる。基本的にキャスト後のカウントダウンで探るタナを変えるが、深く沈めたい時は1分でも2分でも待てばよいのだ。

そして、シューティングヘッドを使う時に気になるのがランニングライン。フローティングのヘッドを使う時には通常ランニングラインもフローティングタイプを使用する。こちらはウエーディングの際にも沈むことなく扱いやすい。
中禅寺湖のレイクトラウト。こちらはシンキングラインでの釣果だが、魚の付き場は意外に近くだったりする。やはり#5ロッドでの釣果

もちろん、シンキングラインを使う時にもフローティングのランニングラインを使うことができる。一方、ラインバスケットやラインパレットを使用する場合、またはウエーディングをしない時は、インターミディエイトやシンキングのランニングラインも有効になる(シンキングのSTを使う場合)。

沈むヘッドと沈むランニングラインを合わせればカウントダウン時にもライン全体が直線に近くなるので、ねらった水深にフライをトレースさせやすくなる。

ランニングラインは滑走性を重視すればナイロン製。ターン性を重視する時にはフライライン素材(モノコア)を使うようにしている。リトリーブ時のハンドリングを重視するならば、径が太めのものが扱いやすい。

2018/5/9

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