フライチェンジはシルエットを意識する

活性と水位で判断するフライローテーション

長田 規孝=文・写真
魚の活性、ポイント、水位など、フライをチェンジする要因は多いが、基本はシルエットを変えるということを意識する

伊豆や富士山周辺の一般河川(川幅2~3m程)をメインフィールドで釣り上りを中心に楽しんでいる長田さんは、6月からのシーズンではフライの形状を変えて魚の反応を探っているという。
この記事は2011年8月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
おさだ・のりたか
1974年生まれ。静岡県御殿場市在住。狩野川水系をホームとし、ライズフィッシングやニンフの釣りなど、さまざまなアプローチで渓魚をねらう。タイイングスクールの講師を務める機会も多い。

パイロットフライはパラシュート

6月以降の盛期は魚の活性が高く、フライの選択よりもキャスティングやドリフトの技術が重要だと思われるが、私の場合、未熟な腕を棚に上げてフライに責任を押し付け、あれこれ巻いて使って楽しんでいる。

釣り上がりでのタックルシステムは#3、8フィート前後のロッドを使用。リーダーは6X・9フィートに、ティペットを状況に合わせて6~8Xを2~3フィート程足して使用している。

フライ選択は、まず人間側の都合に合わせて視認性、耐久性、浮力の安定性のよさを重視し、極端な増減水がなければ、#13前後のピーコックを多用したテレストリアルパラシュートを選択している。
テレストリアルパラシュート
●フック……TMC112Y #11~15
●スレッド……16/0 ブラック
●ポスト……エアロドライウィング・FLピンク
●アブドメン……ピーコックハール、フラッシャブー・レッド
●ソラックス……ピーコックハール
●ウイング……ディアヘア・ブラック
●ハックル……コックネック・ブラック
視認性、耐久性、浮力の点から最初のフライとして使用


ちなみに初夏の時期などの魚は比較的活性が高く、1パターンで通せてしまう場合もあるが、関東からも近い人気河川では、ボリュームのあるフライは反応が悪く、見切られてしまう場合も多い。そんな時には思い切ったフライチェンジが必要だ。

魚の活性で判断する

フライチェンジの要因として、まずは魚の活性が挙げられると思う。私の場合、最初に結んだフライの反応が悪ければ、同じサイズでもハックルの薄いライツロイヤル(改)かCDCロイヤルコーチマンに変更し、まずフライのシルエットを変える。
ライツロイヤル改
●フック……TMC102Y #11~21
●スレッド……16/0ブラック
●リブ……ゴールドワイヤ
●ボディー……ピーコックハール、フラッシャブー・レッド
●アンダーウイング……CDC・ナチュラル
●オーバーウイング……エルクヘア・ナチュラル
●ハックル……コックネック・コーチマンブラウン
パラシュートで反応が悪い時は、異なる浮き方でシルエットに変化をつける


CDCロイヤルコーチマン
●フック……TMC112Y #11~15
●スレッド……16/0ブラック
●テイル……ゴールデンフェザント・ティペット
●ボディー……ピーコックハール、フラッシャブ―・レッド
●ウイング……CDCナチュラル
ライツロイヤル改と同じ使用方法。シルエットを変えるだけで、パラシュートフライよりも小さめに見える


活性が高く反応があっても、直前でUターンしたり、フッキングに至らなかったりするようなことが続くなら、シルエットを第一に疑ってみる。

同じパラシュートのままでサイズを小さくするのも一つの方法だが、一般的な渓流では小さくすることによって視認性や浮力を低下させがちなので、できるだけシルエットの変更を優先するようにしている。

しかし、それでも状況が好転しなければ、サイズをダウンするか、逆にサイズをアップしてみるのも効果的な場合がある。

虫の姿がたまに見られる程度ならフライを変更することはないが、流下に伴うライズが見られるようならば、春先同様、虫にマッチしたフライに変更する。こういった場合はよほどスレていない限り、サイズを合わせたパラダンやCDCダンで対応できる。

このような状況の後は流下やライズが見られなくなっても、魚の意識はそれまでの流下物にあると思われるので、そのままのフライで使い続けたほうがよい結果が出ると感じている。

ポイントによるフライチェンジ

このほかの要因としては、ポイントによるフライ変更である。淵や堰堤の上下の流れなどフラットなプールで時おりライズするような魚が確認できれば、ティペットを7~8Xに落とし、水面にローインパクトなスペントタイプのフライに変更している。
CDCスペントアント
●フック……TMC2488 #18~22
●スレッド……16/0ブラック
●ウイング……CDCナチュラル
●ボディー……シンセティックピーコック、スレッド
フラットな水面でおすすめのフライ。ティペットも1~2段階落として結ぶ


ここではCDCスペントアントなど#18以下の小型のフライを選択することが多い。しかし、ポイントを移動する際は釣り上がりには不向きになるので元のシステムに戻している。

増水時に結びたいパターン

最後に、雨による増水のために結び替えることがある。急な増水は釣りには悪影響だが、若干の増水とニゴリならばこれからの時期は状況が好転することも多い。ただ単純にアピールを強くするためにフライサイズを上げるだけでも効果はある。

こういった場合は魚の選択肢が甘くなることが多いと思うので、#10前後のマドラービートルなどの出番。大型のフライになると空気抵抗が増して投げにくくなるので、リーダーに直結して使用している。
マドラービートル
●フック……TMC760SP #8~12
●スレッド……6/0ブラック
●テイル……ピーコックソード
●ボディー……ユニマイラー・ピーコック
●アンダーウイング……CDC・ナチュラルorブラック
●オーバーウイング……ピーコックソード
●ヘッド・カラー……ディアヘア・ブラック
増水時や濁っている状況ではアピール力の高いフライにチェンジ。空気抵抗が大きいので、使う際はリーダーに直結する


上記4パターンの使い分けチャート
テレストリアル、アントを基本に、魚の活性と水位に合わせてパターンをチェンジする

ある程度1日を楽しめたなら、新たなフライのテストや#18前後のロイヤルコーチマンといったスタンダードパターンなど自分の使いたいフライを投げる。これらは爆発的な釣果は期待できないが、気分的にも単純に釣れると嬉しいフライである。

2017/8/14

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