フィールドガイド【秋田県/役内川】
雄物川に流れ込む県内屈指の人気河川
佐藤敏彦=解説 雪代の治まる時期にねらいたい秋田県内屈指の人気河川フライフィッシングのファンも多い県内屈指の人気河川。ヤマメの放流数が多く、尺越えの大ものも期待できる
『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』より
《Profile》
佐藤 敏彦(さとう・としひこ) 秋田県在住。渓流釣り歴45年。フライフィッシングガイドBear’s guide代表。秋田県南を中心に、宮城、山形の川を案内している。「魚釣りは数字のようなものだ。というのは、完全にマスターできないからだ」。アイザック・ウオルトンが釣りをいろいろなものに例えて話すが、事実であることが理解できる。
佐藤 敏彦(さとう・としひこ) 秋田県在住。渓流釣り歴45年。フライフィッシングガイドBear’s guide代表。秋田県南を中心に、宮城、山形の川を案内している。「魚釣りは数字のようなものだ。というのは、完全にマスターできないからだ」。アイザック・ウオルトンが釣りをいろいろなものに例えて話すが、事実であることが理解できる。
役内川は雄物川水系の1つで、日本百名山に数えられる神室山から流れる大役内川と合流して本流を形成している。秋田・宮城の県境、鬼首峠付近を源頭に、国道108号に沿うような流れを見せる。
秋田県内屈指の有名河川で、フライフィッシングでも人気が高い。大役内川との合流地点から上流が本格的な渓流釣り場となる。上流支流にはツブレ沢、赤倉沢、マダゴ沢があり、イワナ、ヤマメが多く生息している。
東北でも豪雪地帯に位置し、雪代が治まる時期は早くとも5月中頃で、その寸前にカジカの産卵が行なわれる。このカジカの卵はかつて、先人のエサ釣りに欠かせないものとして重宝され、「卵起こし」と称される採取の光景をよく見たものだ。卵の加工が終わり、使用できる状態になる頃には雪代が完全に治まり、渓流釣りのシーズン到来となるが、今ではその保存方法を知る人もいなくなった。
秋田県の梅雨入りは7月のアユ解禁時期に入ってからのことが多く、梅雨明けは7月20日前後。近年の気象はゲリラ豪雨などもあり、渇水期の推測が難しいが、6月後半と梅雨明け8月が渇水期の目安と思われる。
河川管轄は雄勝漁協で、県内でもヤマメの放流数はトップクラスを誇る。本流域のヤマメは体高のあるきれいな魚体が自慢だ。
蛇足だがアユの放流もあり、近年は雄物川の頭首工改良で天然ソ上の期待も大きい。こちらは7月1日解禁で、県内外から遊漁者がたくさん集まってくる。アユの生育もよい川で、終盤には28cmを超える魚体も現われる。
◆掲載している役内川のフィールドガイドは、単行本『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』に掲載されています!
『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』
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2019/5/16