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フライキャスティング「私はこう考える」小野 訓さん

実際にスクールではどう教えているか

FlyFisher編集部=まとめ
前列左が小野さん。フライキャスティングレッスンの講師を続けて約30年。これまでのべ1万人以上を指導してきた実績を持つ。レビュープロダクツ代表(写真提供:釣道楽屋サバロ)

手っ取り早く上手になるというのはとても大切なこと


この記事は2019年Early Summer号に掲載されたものを再編集しています

長年、フライキャスティングを教えてきて、大事にしていることがあります。それは、生徒さんごとに異なる「手っ取り早く上手になれる方法」を見つけることです。

1日のスクールで練習の効果が出るかどうかは、スピードが命なんです。なんのスピードかというと、僕が指導して、生徒さんに「あ、なにかいつもと違う」、「キャストが変わり始めた」と思ってもらうまでの時間です。

生徒さんは上達したい。そのモチベーションをさらに高めるためには、マンツーマンで指導し始めて、最初の5分間が勝負だと思っています。

そこで「あ、なにか違うぞ」と感じてくれて、「上達できるかもしれない」と思ってもらえたら、その日、その生徒さんはいい具合に改善が進むことが多いです。

逆に最初の10~15分で「変わりそう」と思ってもらえなかった場合は、もう少し時間がかかることが多いです。

上達するというのは、ものすごい快感をともないます。快感を味わいたいから、どんどん努力をする。僕が「休憩しながらやってくださいね」と言っても、夢中で振り続けてしまうほどです。

楽しみながら上達できると、気分も乗ってくるのでポジティブになれますよね。このポジティブな気持ちで練習するというのが、大事なんだと思います。


ここでキャスティングの悩みというか、よくあるケースをもとに改善のアドバイスを少し解説させていただきましょう。

まず、メリハリが全然足りない人。前後のストップをしっかり止められなかったり、空をなぞるようにロッドティップが動く人です。

手っ取り早く改善するなら、型にはめて振ってもらう方法です。その人本来の動きを活かさずに決まった型で練習してもらいます。

きゅうくつに感じると思いますが、その型の動作をしている間に、キャスティングに必要な力の入れ方やリズムを感じ取ってもらいます。

個々のキャスティングのスキルやクセをチェックし、フィットする改善方法を提供するのが小野さんのスクール方式

次にティップを直線運動(直線軌道)から、あえて回転運動(弧を描く軌道)に変えてもらいます。

回転運動にすることで、ティップが加速する感覚をつかみやすくなります。それができれば、前後のアーク角を決めて、フォワードキャスト位置に僕が手を上げて待つようにします。

そしてフォワードキャスト時に、ロッドのバットで、僕の手を叩いてほしいと言います。そうするとわりとメリハリがつくようになります。

叩いて音が出るということは、どのくらいの速さ、強さで動かさなきゃいけないのか理解してもらえるんです。さらに音が出ることでリズムもつかみやすくなります。

このように型にはめて、正しいキャスティングのイメージを大まかにつかんでもらうのが第1段階。


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