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ささきつりぐ

クリップルを使いこなす。

スプリングクリーク生まれのクリップルパターン。そのメリットとマテリアル

稲田秀彦=解説
稲田さんのクリップル専用ボックスには、ポストやボディー材を変えたバリエーションがびっしり。一般的な渓流なら#12~18があれば充分

スプリングクリーク生まれのクリップルパターン。稲田秀彦さんはこのフライを春先のマッチング・ザ・ハッチから、夏場の渇水時期のイワナねらいまで、幅広いシチュエーションで結んでいる。今回はそんなフライのメリットと、各部のマテリアル選びのコツを紹介。
この記事は2017年4月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
稲田 秀彦 (いなだ・ひでひこ)
1972年生まれ長野県安曇野市在住。シーズン中はマッチング・ザ・ハッチのヤマメ釣りから、山岳渓流のイワナ釣りまで、自宅からも近い信州の渓でロッドを振る。さまざまなシーンでクリップルパターンを愛用している。


メイフライを模す万能フライ

クリップルパターンが意識している形態とは、「羽化失敗個体」。ニンフが羽化のために水面に浮上した際、何らかの原因で水面膜(サーフェイスフィルム)を破れずにいる状態をイミテートしている。

そんな状態をねらったクリップルパターンは、ボディーの2/3が水面下に入る半沈み状態で流れるフライ。イマージャーやフローティングニンフなどにも応用が利き、サイズやカラーを合わせることで、その時期に姿を見せるメイフライを模すことができる。

もともとはアメリカのスプリングクリークで生まれたパターンだが、ハックルの量やウイング素材をアレンジすれば、多くの渓でオールマイティーに使える。
シーズンを通じでヤマメにもイワナにも効くのが、クリップル

私がクリップルを使うのは、春先のメイフライがハッチし始めた時期から、晩秋の第二世代のカゲロウが出るまで、ほぼシーズン全般。

特に春先と晩秋はメイフライを意識することが多く必携になるが、ここ数年では夏場の渇水時期のほか、釣り人の多い山岳渓流などの場面でも効果的だと感じている。

厳密にメイフライの時期ではなくとも、やや神経質になって水面に出るのをためらっているイワナなどに対しても、クリップルは食う気を起こさせるようだ。

ちなみに、フックが常に水面下に入っていることで、魚がフライを吸い込みやすく、フッキング性能に関しても通常のフライよりも高いと感じている。さらにボディーが水面下に入ることで、春先の風の強い日などにフライが水面で転がってしまうこと少なく、ドラッグも掛かりにくいように思う。


カラー、サイズと各部のマテリアル考

シーズンを通じて愛用しているパターンだからこそ、そのバリエーションも揃えている。サイズは北海道遠征時には#8まで準備していくが、本州の一般的な渓流なら#12〜18までのサイズでカバーできるだろう。

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2024/3/15

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