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中部発、実力派解禁パターン6本

小さいからこそひと工夫。

FlyFisher編集部=写真と文

全国でもいち早く解禁する中部エリア。長良川や寒狭川など2月解禁の川で、何より欠かせないフライといえば、まずは小さなディンプルライズをするアマゴやヤマメをねらうミッジパターン。使いやすさと魚へのアピール力を両立させた、中部地方の経験豊富なフライフィッシャーたちの6パターンを紹介。
この記事は2013年3月号に掲載されたものを再編集しています。

タグのきらめきがアピールの決め手

ボディーの後半部分にだけ光モノを入れることで、魚の反応が格段によいという、これまでの経験に基づく1軍ミッジ。ティンセルでタグを作る以外のもうひとつの重要ポイントは、インジケーターになるCDCの処理。取り付けはストークごとシャンクに巻き込むように行ない、その先のファイバーを、米粒型を意識して立体的にカットすると投げやすさ、見やすさ、浮き姿勢が格段にアップする。
(杉浦 雄三/TEAL
ワン・ミッジピューパ
●フック……バリバス2210 #20~24
●スレッド……8/0ブラック
●タグ……フラットティンセル・パールXS
●ボディー……ブリーチト・ピーコックアイ
●ヘッド……8/0ブラック
●インジケーター……CDCダイドグレー
立体的な「米粒型」にカットしたウイング。フライの姿勢が安定し、かつ投げやすい。


ナチュラルなディアヘアで視認性アップ

細いティペットでも投げやすい投射性を保ちつつ、魚への違和感を極力排したインジケーターとして、なるべく細く淡い色のコースタル・ディアヘアを取り入れている。そのうえで、ボディーのコーティングは厚めに施し、リブも太め(ラガータンのXーFine程度)にして、ユスリカのボディー部分が水面被膜下にぶら下がりやすくしているのが最大のポイント。
ウイングのCDCは、「バランサー程度の量と長さで、ぎりぎりの浮力が確保できるボリューム感」を大切にしている。そのためにも視認性の確保はCDCでなくディアヘアという役割分担を明確にしている。
(鈴木 寿/プロショップ ワチェット
CDC ユスリカピューパ
●フック……TMC212Y #21~23
●スレッド……8/0ブラック
●ボディー……8/0ブラックを 瞬間接着剤でコーティング
●リブ……コパーワイヤ
●ウイング……CDCナチュラルダークグレー
●ウイングケース兼インジケーター……コースタルディアヘア・ナチュラル
CDCのファイバーを左右に分けつつ、ウイングケースを作るようにディアヘアを前側に折り返してアイのすぐ後ろにスレッドで留める。


目にも鮮やかなカラーで勝負

ボディーに使用しているユニスレッドのファイヤーオレンジは、紫外線で発光し、曇りなどのローライト時にも魚からよく見えるようで、これまで多数の釣果を上げている。フックシャンクの中央から後方にスレッドでボディーを巻き、ワイヤでリブを作ったら、ソラックスのスレッドを巻き、アイの手前にCDCを取り付ければ完成。最後に瞬間接着剤(アロンアルファ)とハイスピードハーダニングでコーティングし、全体にピューパらしい艶を出す。「このオレンジはとにかく利く」という1本だ。
(石川 幸弘/ルアーフライショップ上飯田
UVピューパ
●フック……バリバス2210 #28
●アブドメン……8/0ファイヤーオレンジ
●リブ……ラガータンXXFワイヤ・ゴールド
●ソラックス……8/0ブラック
●インジケーター……CDCナチュラルダン
●ボディーコート……瞬間接着剤&ハイスピードハーダニング
CDCのファイバーは、アイの上部からまっすぐ前に伸びるように取り付ける。


ユスリカをしのぐ極太ボディーでアピール

長良川の解禁では、水温が8℃以上になると、ユスリカだけではなくブユのハッチの可能性も出てくる。特に派手なスプラッシュライズの時は、ブユが食われている可能性が高いという。
その際、#28サイズのファインワイヤ・フックは、軽量すぎて水面での姿勢が安定しにくいため、ワイヤを巻き質量を上げている。するとブユらしいファットなボディーを得つつ、「#28でもきれいに立つ姿勢のフライが作れます」というのが最大のポイント。
(加藤 力/加藤毛ばり店
ブユ
●フック……バリバス2210 #22~28
●スレッド……16/0ブラック
●ボディー……ウルトラワイヤ・ブラック
●リブ……ラガータンXXファインワイヤ・ゴールド
●ウイング……ミッジ&メイフライシート
●インジケーター……CDCナチュラルダン
アイの後ろのシャンク部分を、ある程度むき出しにするほうがバランスがよい。


解禁に欠かせないもうひとつのミッジ

視力が年を追って落ちていると感じる中でも、「安心して使える見やすさ」が最大の特徴。その際、釣果も得るうえで大切なのが、水面にぽっかりと浮かせすぎないよう、フック部分やティペットにはシンク剤を塗布して使うこと。全体としては「小さめに巻く」ことがタイイングのコツ。ボディーのストリップト・ピーコックは、市販されている処理済みのものでなく、少しでも耐久性を上げるため、通常のピーコックアイのフリューを自分で消しゴムを使って除去している。
(岩月 正弘)
マイクロカディス
●フック……TMC531 #20
●スレッド……TMCスレッド16/0ブラック
●ボディー……ストリップト・ピーコックアイ
●ウイング……コックネック・ブルーダンのファイバー
●ハックル……コックネック・ブルーダン(シャンクの下側はカット)
ハックルは控えめなブルーダンカラーを利用することで全体のサイズ感もダウン。


流れのある場所はこれで攻略

「ウイングとなるCDCのボリュームを極力抑える」ことで、浮力にこだわりすぎず、水面に張り付くような浮かせ方をこそ目指した形状。タイイング時は、ウイングを若干長めにしておき、現場で魚の食いが渋いようであれば短めにカットする。流速が速い場所や、岩近くのヨレなど、頻繁なメンディングが必要となる場所でのライズねらいには、「ピューパタイプのフライより、この手のフライが効果も高く重宝する」という。なお、こうしたスタイルのフライは回収時に魚が追いかけてくることが多い点もメリット。
(國武 大毅)
スペントウイングCDC
●フック……TMC2488 #20~26
●スレッド……8/0ブラック
●ボディー……ストリップト・ピーコック
●ウイング……CDCナチュラル
スペントパターンのシルエットは、水中に入ってしまった場合も魚を誘う効果がある。


2018/2/1

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 今号の特集はウエットフライ。十人十色、という言葉がこれほどマッチするフライフィッシングはないかもしれません。エキスパートたちには「この釣りを始めたきっかけ」から、今実践しているテクニックまで、さまざまな質問をぶつけてみました。すると、実は似たような釣り方をしていることも少なくない、ということに気づかされました。
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