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本流“ジャークドリフト”の衝撃

荒瀬の渓魚を誘い出すドライ&ウエット

杉浦 雄三=文・写真
DRY&WET-01 コンディション抜群の本流ヤマメをねらう

魚の捕食スイッチを入れる積極的な「誘い」。今シーズンも本流で数々の大ものを手にしている杉浦雄三さんは、これまでの「小さなウエットフライ」にくわえて、実は「大きなドライフライ」でも同じような釣り方が楽しめるという。顔つきも体高も別格の、今の時期ならではのトラウトに効くその方法とは?

この記事は2013年9月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
すぎうら・ゆうぞう
1972年生まれ。フライフィッシングのトータルサポートを行なうTEALを運営。「釣れる」フライフィッシングを伝えるためのスクールも数多く主催しており、犀川、宮川、高原川、天竜川などでは自身も数多くの良型をキャッチしている。
6月の中旬頃から中部地区ではほとんどのフィールドが梅雨入りする。この頃の本流河川は4月や5月の荒々しい雰囲気からは一変し、流れは渇水気味で水温も日中になると20℃前後まで上昇。それだけに梅雨時期の雨は、トラウトにとっても大切であり、とても重要な要素になっている。

春から初夏に掛けて大量の水生昆虫などを捕食したトラウトは一回り以上体を大きくし、コンディションも抜群な個体が多い。そして秋の産卵に備えて、この梅雨時期も大量に捕食を行なう。
DRY&WET-02 DRY&WET-06 ドライとウエットでそれぞれ出たヤマメとニジマス。嶋崎さんは途中、誘いを入れないナチュラルドリフトの釣りも交えて釣果を重ねた

ただ、春や初夏と違い、水温の上昇などで水生昆虫のハッチは少なく、大型の水生昆虫となるとヒゲナガカワトビゲラ以外の姿はほとんど見られなくなる。それも盛期に比べれば10分の1にも満たないハッチの量だ。

小型の水生昆虫となると、フックサイズで#10以下の小型のセッジやメイフライがほとんどになる。そして、絶えず捕食行動を取るこの時期のトラウトたちは、流れの激しい荒瀬に入り、なかでも大型のトラウトはそのサイズしか入ることのできない厳しく激しい流れで捕食をする。

そしてこの時期の私のメインとなる本流釣りが、真っ昼間のビッグドライとスモールウエットの釣りだ。水位が下がり、エサが少なくなったこのタイミングにとても有効となる。
DRY&WET-07 雨も降った6月の本流釣りだったが、川はすっかり初夏の様相。半そででも暑いくらいの時もあった
DRY&WET-04 元気なレインボーが果敢にフライをくわえた

夏場の本流・減水期の荒瀬で効くDRY & WETの“ジャークドリフト”とは?


今回、私がアドバイスした釣り方は、以下のイラストで解説するものが基本。まずドライフライでもウエットフライでも、「ねらうレーン」、「線」、「点」そして「食わせるタイミング」の4点は一緒だが、フライを流す層だけがドライとウエットだと大きく違ってくる。ドライは表層でウエットは水中。それにともない、おもにポイントへアプローチするためのアングラーの立つ位置が変わる。
 
※このコンテンツは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

2017/7/18

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最新号 2025年6月号 Early Summer

【特集】One Fly, One Soul 1本入魂のタイイング

釣れないフライはありません。しかし、より釣れやすい、より釣りやすいものは確実にあります。
「釣れやすい」とは、たとえば魚がエサと認識しやすいシルエットや姿勢をキャストごとにキープできることや、より刺激的な波動を常に発する構造のこと。 「釣りやすい」とは、たとえばキャスト中の空気抵抗が考慮され、スムーズにプレゼンテーションできることや、簡単には壊れない高い耐久性のこと。
そして、フライは最終的に美しいに越したことはありません。
これら無限の要素を取り入れて、自分で創造できるからこそフライタイイングは楽しいものです。
今号では佐々木岳大さんにドライフライの基礎を、嶋崎了さんにCDCの失敗しない扱い方を、中根淳一さんにキールフライのアイデアを、筒井裕作さんにホットグルーの使い方を教えていただきました。

また、中央アフリカ、ガボンでのターポンフィッシングの釣行レポートやポータブル魚道に関するインタビューなどもお届けします。


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