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光モノ、その思惑と効果。

”輝き”をフライに取り入れる

里見 栄正、長田 規孝、白川 元、岩月 正弘=解説
フラッシャブーを留めた「イブニングエルク」を水中から。名前のとおりイブニング用のパターンで、薄暗い中でも光モノを取り入れることで、魚が見つけやすくなることをねらっている

ティンセル、フラッシャブー、ピーコック……。ドライフライに輝きを与える素材はたくさんある。そこで、名手たちが使っている光モノパターンを、その思惑とともに解説。
この記事は2016年12月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
さとみ・よしまさ
1955年生まれ。群馬県太田市在住。フライライン及びティペットコントロールを駆使したドライフライの釣りを得意とする。シーズン中は全国でスクールを行いつつ、川をめぐる日々。

おさだ・のりかた
1974年生まれ。静岡県御殿場市在住。狩野川水系をホームフィールドとし、ニンフの釣りや、ライズフィッシングなど、さまざまなアプローチで渓魚をねらっている。

しらかわ・げん
1961年生まれ。サンスイ池袋店、上野店の店長を務める。国内外のさまざまな釣りのフィールドに足を延ばし、フライフィッシング全般に詳しい。ビギナーにレクチャーすることも多く、スクールの講師を務めることもある。

いわつき・まさひろ
1964年生まれ。愛知県豊川市在住。蒲田川などのフィールドに通うことが多く、マッチング・ザ・ハッチの釣りを得意としている。繊細なイミテートパターンを使うことが多い。

陸生昆虫が浮かぶ時の水面の凹みをイメージ
<里見栄正>

私が光モノを使うのは、まずアピール度が増すのではないかという単純な期待がある。

エサとなる昆虫、特にテレストリアルのように比較的大型で質量のあるものが作る水面の凹みを水中から見た場合、その周辺だけ光の屈折率が変わり光っているように見える。
陸生昆虫の前翅は硬くて光沢がある。もちろんこの輝きも、魚にとってはよく見えると思われる

さらに昆虫が気泡をまとった状態でも、やはり光って見え、それが捕食行動を誘発させているのではないか、ということも理由として挙げられる。

フライの場合も、うまく水面上に乗っていれば、この水面の凹みは再現されるわけだが、現実にはそううまくいくケースばかりではない。ボディーの半分くらいは沈んでいたりする。そこで光モノを使うことで、どのような状況でも「光る」という効果を強制的に演出したいというわけだ。
パラトレーサーの派生パターン
●フック……TMC531 #10-14、バリバス2100、2110 #12-14
●テイル……エアロドライウィング5、6本
●ボディー……パールブレイド・各色
●ソラックス……フライライト
●ポスト……エアロドライウィング
●ハックル……コックハックル各色


少しだけキラメキが欲しいケースでは、リブだけに留めることもあるが、アンダー、オーバーを含めボディー部分に「光ってますよ」とはっきり分かるくらいの量を使うことも多い。

ビートル01
●フック……バリバス2100、2110 #12-14
●オーバーボディー……フォーム材
●アンダーボディー……フラッシャブー
●サイド……エアロドライウィング
●ソラックス……フライライト各色
●ポスト……エアロドライウィング
●ハックル……コックハックル各色


いわゆる普通のフラッシャブーのカラーを変えて使ったり、パールブレイドのように編み込んだマテリアルもよく使ったりする。こちらはデコボコするせいか、実際に気泡を抱く効果も多少は期待できる。
ビートル02
●フック……バリバス2100、2110 各サイズ
●アンダーボデイー……フラッシャブー、パールブレイドなど
●オーバーボディー……エアロドライウィングを乗せる感じで作る
●ポスト……エアロドライウィング
●ハックル……コックハックル・各色


夏から秋にかけては、テレストリアルパターンでの釣り上がりがメインだが、ほぼどのような状況でもそれなりの結果を得ている。

またテレストリアルパターンのように大型のフライの他に、その逆のミッジパターンでは半分以上が光モノを使っているし、メイフライや小型のカディスでも意外に出番は多い。いずれもより存在感を際立たせたいという心理から来ているのかもしれない。

スパイダー
●フック……TMC112Y、バリバス2110 各サイズ
●ボデイー……フォーム材
●アンダーボディー……フラッシャブー
●サイド……エアロドライウィング
●ソラックス……フライライト各色
●ハックル……クート
●インジケーター……エアロドライウィング


暗くなり始めるイブニングに、魚に見つけてもらうために
<長川規孝>

私が光モノを使う理由は、いたってシンプル。まず「イブニング・パラシュート」と「イブニング・エルク」は、その名のとおり日が傾いて暗くなりかけの時に使うので、少しでも目立って魚に見つけてほしいと考えているからだ。「イブニング・エルク」のほうは、場合によっては沈めて使うこともある。
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2024/3/18

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