和氣恒久さんのシーバス用ラインシステム
名手は何を気にしてどのようにラインを組んでいるのだろうか。ここでは和氣恒久さんのシーバス用ラインシステムをご紹介します
写真と文=和氣恒久
巨大なフライで、巨大なシーバスを釣りたい
私にとってラインシステムというと、まずフライラインから先のバットセクション、クラスティペット、ショツクリーダーが思い浮かんでしまう。この部分を特に意識している理由は、私のなかでIGFAルールを遵守するというこだわりから。もちろん今回紹介するビックフライのラインシステムもIGFAルールに沿ったものだ。
少し話がそれるが、これまで私のフライフィッシング人生において、バッキングラインから先のフライラインのシステムをあまり考えてこなかった。これは私が使うロッドがシングルハンドで、使用するフライラインもフルラインが中心だったため。ショックアブソーバーの目的で、バッキングラインとフライラインのナイロンラインを途中に入れることも稀だった。
しかし近年、ビッグフライをできるだけ遠くからリトリーブしたいという思いから、ボート用のダブルハンドを自作して試行錯誤するようになった。まったくのダブルハンド初心者が、いきなりブランクを組み、仕上がったサオにラインを合わせるのはジグソーパズルのピース捜しから始めるようなもので、無駄に遠回りもしたように思う。それでも何となく形になってきたところで、ようやく全体のラインシステムを検討するようになった。
まず目的は全長30~40cm、重量20g前後という非常識なフライ(笑)を30m前後、追い風なら40mくらいキャストすること。現在これはクリアできているので、とりあえず目差す方向性は間違っていないと思っている
なにゆえにこんな無茶なことをしているのかというと、大型のベイトを捕食する、メーター級のシーバスをねらっているからだ。もちろん誰にでも勧められるものではないが、個人的には挑戦し続けてみたいと思っている。
大型シーバス用のラインシステム
※以下の本誌からもご覧いただけます
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【特集】名手たちのリーダー&ラインシステム図鑑 渓流、本流、湖、ソルト、温水。47人の工夫とこだわり。
この釣りではとかくフライパターンに注目が集まりがちですが、フライを魚に届けるためのリーダー、ラインシステムも非常に大切な要素です。同じ対象魚をねらうのでも、フィールドが違えばフライと釣り方が違います。そしておのずとラインシステムも変わります。特に対象魚のバリエーションが広がり続ける中、名手たちの現時点でのシステムを整理してみました。ほか、朱鞠内湖のイトウの魅力、そして’マッドサイエンティスト’、ゲーリー・ラフォンテーンの名著『The Dry Fly』の第1章を掲載しています。
2023/6/16